ジェイソン・モモア、KJ・アパ、ヘンリー・ゴールディング 太平洋系俳優のタトゥー

  現代、映画やドラマなど映像作品で太平洋系の俳優たちが目覚ましく活躍している。なかには民族アイデンティティを誇り、その文化を受け継いで太平洋の伝統文化たるタトゥーを彫っている者もめずらしくはない。

ジェイソン・モモア

 映画『アクアマン』などの主演でしられるジェイソン・モモアの左腕には三角形を組み合わせたタトゥーが刻まれている。

「ハワイにおいてもっとも特徴的なデザインはシャーク・ティースと呼ばれる三角形が連続した文様」(『タトゥーデザインブック―トライバル編―』富士見ムック)

この鮫歯状のタトゥーは一族の護り手たる祖霊神を象徴しているそうだ。つまり家紋の一種であり、さながら紋付の袴のようなものだろう。

KJ・アパ

 ドラマ『リバー・デイル』でおなじみのサモア系ニュージーランド俳優KJ・アパの両肩には特徴的なタトゥーがある。KJ・アパの父親はサモアの地元の村では共同体の指導者であり、KJ・アパの両肩のタトゥーもまたその伝統を受け継ぐものではある。

「キリスト教の宣教師によってポリネシア各地で消滅したタタウの文化も、サモアでは絶えることなく受け継がれてきた」(同上)

ヘンリー・ゴールディング

 映画『クレイジー・リッチ・アジアンズ』や『ラスト・クリスマス』に出演しますます人気がたかまっているイギリス人俳優ヘンリー・ゴールディングの両肩にはイバン族の典型的なボルネオ・フラワーがある。

「イバン族のタトゥー・デザインでもっとも見ることが多いのが、ボルネオフラワーと呼ばれるBrinjal Flower(ナスの花)のモチーフだ」(同上)

 ヘンリー・ゴールディングは母親がイバン族であり、その伝統に則っているのだ。

 また、ヘンリー・ゴールディングはニ〇一六年に徒歩儀礼を終え、その証しとして右太ももにもタトゥーを入れている。

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