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Tシャツの作図方法

こんにちは。この記事では、Tシャツの作図方法を丁寧に紹介します。前回の記事『パタンナーがオススメする製図用具 定規編』で紹介したスイートカーブやアームホール定規を使用しながら、手順をわかりやすく説明します。メンズLサイズ相当の寸法を基準にしていますが、自分のオリジナル寸法を手順に合わせて作図しても大丈夫だと思います。それでは、作図の手順を見ていきましょう。

実寸縫い代付きパターンのPDFデータあり(商用利用可)


これから説明すTシャツの製図はプリントTのボディに使われるような標準的な型です。

【作図】

【適応寸法】

メンズLサイズ相当

着丈 71cm(NP〜裾)
肩幅 45cm(BNを通らない直線寸法)
身幅 55cm
袖丈 20cm
袖幅 24cm
袖口幅 18cm
外天幅 20cm
後天下がり 3.5cm
前天下がり 10.5cm
AH直線寸法 25cm(SP〜鎌底)
衿布丈 2cm
肩傾斜 前後合計32°
(肩傾斜は少しゆるめです。もう少し強めても良いですが38°くらいまでが良いでしょう。)

【作図説明】

<身頃>

基点〜L 着丈 71cm
基点〜BN 後天下がり 3.5cm
基点〜NP 外天幅1/2 10cm
BN〜NP 後ろ衿ぐりを引く。
基点〜S 肩幅1/2 22.5cm
               Sから直下線を引いておきます。
NP〜SP NPを基点に肩傾斜16°を測り、Sから直下線との交点をSPとする。
L〜BT 身幅1/2 27.5cm
            BTから直上線を50cm程度引いておきます。
SP〜D SPを基点としてAH直線寸法25cmをBTからの直上線上にとる。
L〜S D BT〜Dと同寸。
C 基点〜SDの中点。
C〜W 肩幅1/2-1.5cm=21cm W=AHの最深点
SP〜W〜D アームホールを引く。

<袖>

SP〜SL 袖丈 20cm
SP〜SD 袖山 10.5cm(この作図は前後AHの35%-8.5cm)
               SD〜D方向に直角線を引いておく。(袖幅線)
SP〜D 実際のアームホール-0.7cmを袖幅線上に求め、 Dとする。※1
SP〜D 図のような基礎線を引き、目安として袖山線を引く。
SL〜CW SLから直角に18cm
CW〜D 袖下を引く

※1
アームホールに対して、袖山側を0.5cmほど短くする。(袖を伸ばしてつける)
袖山 or 袖幅を増減して袖付け寸法の調整をして下さい。

<衿>

  1. 衿ぐりに対して衿布丈2cmの平行線を引き、上がり寸法を割り出す。

  2. BN〜NP 青線と同寸(伸ばし分量は身頃に響く可能性があるので20%まで良いでしょう)

  3. NP~FN 赤線のと同寸(又はダレ防止でさらに2〜3%伸ばし分量を多くする)

  4. ⚫️分(1.2cm〜2.5cm)ハギ目を移動する。左後ろにハギ目がくるようにする。縫い代の重なり防止。

【カーブ定規の使い方図】

前回紹介した定規の使い方を図にしました。
衿ぐり・アームホール・袖山はこの図を参考に引いてみて下さい。

また、実寸の縫い代付きデータも用意しましたので参考して下さい。(A0サイズPDFデータ)

様々な数値を提示して説明しましたが、これらは定寸ではないので色々と試行錯誤していただければと思います。

以上、Tシャツの作図方法をご紹介しました。次回は、この基本的な作図をベースにして、個性を出すためのバリエーションをご提案したいと思います。

今後も、より充実した情報をお届けできるように努めますので、引き続きご愛読いただければ幸いです。


PDF型紙について

縫製仕様の説明はありません。
袖口・裾は2ッ折り2本針裏面飾り、その他は2本針ロック縫い合わせでよく見るTシャツの縫製仕様です。

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