缶の中で炭酸水が パチパチと音を立てている グラスの中では気泡が 打ち上げ花火みたいに上がる スターマインみたいな この気持ちをどうしよう 君は気づいているのかな 気づかれているのかな この気持ちは 夏はまだ来ないのに 胸のなかが焦がれてしまう この恋に、速度をつけて

ばらばらの場所で それぞれの生活が 君の場所では朝日がのぼり あなたの場所では昼ごはん わたしの場所では夕焼け 世界時計に目をやると ちょうど数字がひとつ進んだ 動いている 君も、あなたも、わたしも 代わり映えしない日かもしれない それでも、動いているんだ　と。

自分というものを手がかりにして 世界を見ているけれど その自分を信じられない そんな夜が、ある 昔の流行歌を なにかに重ねて その時代をぼんやり見てる 過去賛美ではなく 未来讃歌でもなく 今がほしいのです 信じるに耐えうる 今がほしいのです

ろうそくの炎の先に何を見る？ 永遠に解かれない謎か 見破れなかった嘘か。 ふと後ろを振り返れば 悔いることなど山ほどある 「あのときは戻っては来ないけれど その意味づけを変えることは可能なんだよ」 そう言って あなたは笑う　わたしは頷く 謎も嘘も　なんてことないんだ

降る雪の強さ故郷の思い出を色濃く映す白きスクリーン

　こんにちは。小川葵です。 　３月になりましたね。来年度にむけて４月はじまりの手帳を買いました。 　新年度、新学期……真新しい季節が待っています。なにもかもが光を放って、なにもかもが生きていることを主張する春という季節のたくましさ。 　それに反するように雪国では、まだまだ雪とともにある生活です。なので、雪の短歌三首をお届けします。 　みなさんのお住いに地域はいかがでしょうか？冬優勢？春の兆し？もうすっかり春？ 　 　どうぞお気をつけて。季節の移り変わりを豊かに感じられ

革のバッグには 買ったときから傷がある たずねると 天然のものなので無傷と いうのはむずかしいらしい なんだか似ている 天然を生きているのは わたしも同じ どうしようもない傷をおって 歩いてきた 許す許さない 忘れる忘れられない 薄くなり濃くなり 時計の針はすすむのに

信じていたい ひとのこころの やさしさを 残酷な現実 悲惨なニュース 何度も下を向く 何度も諦めたくなる だけれど 信じていたい ひとのこころには 色とりどりの やさしい気持ちが 咲くことを 信じていたい 泣いて笑って 笑って泣いて ねぇ　わたし 信じていていいよね

歩いたね少し汗ばむ夕暮れに春は近しと空を見上げる

こんにちは。小川葵です。 いつも鳥籠のようにマンションの一室にこもっているのですが、今日は久々外出。気分転換になりました。 鳥籠は居心地がいいけど、たまには外に出ないと。街の空気感を忘れてしまうからね。

心の鼓動が動くほうへ 羽ばたき　羽を休め そして　また飛んでゆく 小鳥のような　心細さと 大空を飛び回れる　自由を ポケットにしまい ぽんぽんとたたいて確認する きっと　そんなに怖がらなくていい 明日も、明後日も わたしは　わたしの味方でいよう

立春のまな板の上生姜切るトントントンと包丁は楽器

おはようございます。小川葵です。 今日は立春なんですって。 ２月の寒さの中、春を待ちます。 ほんの一瞬、些細なこと……それを切り取る写真のように、毎日に短歌というカメラを向け続けたいなぁ。 好い日曜日をお過ごしください。

空を見て明日のことを想うのはその向こうに未来があるから

こんにちは。小川葵です。 短歌‐三首　今週もいってみましょう。 二月はじまりましたね。 毎日の気温差が激しい。調子を崩し気味です。 椎間板ヘルニアが再発してしまったようで腰に痛みを感じています。湿布を貼って様子を見ています。 金曜日ですが、夫の仕事が休みなので土曜日と錯覚してしまいます。のほほんとお茶など飲みながら、語らっていました。 溜まっていた洗濯物をやっつけたので、誇らしい気持ちです。 少しお昼寝しようかな。

一月も終わり近づき夕刻に言葉並べて書く自由帳

こんばんは。小川葵です。 今回も三首できました。 　テーマがあるようでなく、本当にただの日常をよんでみました。 　いや、「ただの日常」とは書きましたが、わたしのなかでは「日常」こそがすばらしく、かけがえのないものです。 　なんでもない日を、慈しんで過ごしていけたらいいなと思います。 　どうか、穏やかで平安な週末となりますように。