見出し画像

10代目ピーターパンから“シン”吉柳咲良へ!満島ひかりのアドバイスを胸に「ありのままを」

現在放送中のテレビ朝日系連続ドラマ『星降る夜に』(毎週火曜午後9:00)へのレギュラー出演で2023年をスタートさせたのが、吉柳咲良。「周りから『雰囲気変わったね』とか『大人になったね』と言われることが増えました」。それにはそれだけの理由がある。中学1年生からミュージカル『ピーターパン』で10代目ピーターパンを務め、昨年2022年に地上に舞い降りた。吉柳が変化したのは、6年間務めた大役を卒業して一区切りついたのもそうだが、『未来への10カウント』(2022年)で共演した女優・満島ひかりとの出会いも大きい。自他ともに認める“シン”吉柳咲良を、ここに紹介する。

■話題の連ドラ『星降る夜に』レギュラー出演中

『星降る夜に』は産婦人科医・雪宮鈴(吉高由里子)と音のない世界を生きる遺品整理士・柊一星(北村匠海)の運命的出会いを描くラブストーリー。吉柳は、一星(北村)が勤務する遺品整理会社社長の娘・桜を演じている。「今回のドラマでは手話を駆使しながら演技をする必要があるので普段のお芝居とは違った難しさがあります。手の動きと気持ちが一致しなくて頭がパンクしそうになったりして」と奮闘中だ。
 
そんな中でも、桜の性格と脚本家・大石静のリアルなセリフに助けられているという。「桜は女子高生ですが、いわゆるキャピキャピ系ではありません。物事を客観的に捉えていて貫禄すらある。私自身もキャピキャピするようなタイプではないし、物事を冷静に捉えて見るところもあるので、桜は私の性格に近いです。セリフも言葉のニュアンスがリアルで、言い回しも私っぽい。色々なところで私に似ていると実感しています」と共感を寄せている。

■気持ちのストッパーとは?

地元・栃木で活動を応援してくれている家族は大の連続ドラマ好き。吉柳は「出演が決まったことをお母さんに報告したら『誰が出るの!?』とミーハー感丸出しの反応が(笑)。吉高由里子さんや北村匠海さんの名前を告げると『いいなあ…。早く見たいわ』と羨ましがっていました」と思い出し笑いだが、そんな家族のリアクションが仕事をする上でのガソリンになっている。
 
「家族は『あなたが作品に出ることが私たち家族の励み』と言ってくれるし、おばあちゃんは私が出演したドラマやテレビ番組を録画して何度も観返しています。それは私にとってもありがたいことで、みんなの期待を裏切ることはできないと思わせてくれます。仕事で悩んだりつまずいたりしたときの気持ちのストッパーというか、家族はへこんだ気持ちを正してくれる存在。一番の味方であり、心の大きな支え。いつだって信頼しています」と襟を正す。

■満島ひかりの金言を胸に

吉高、北村のほか、ディーン・フジカオ、千葉雄大、水野美紀、光石研らビッグネームが顔をそろえる座組に参加中。「私は緊張すると顔だけが赤くなるタイプで…。撮影初日も皆さんから『真っ赤だね!』と指摘されました」と照れるも、撮影現場では飾ることなく素の自分を出すことができているという。これまではそうではなかった。普段の自分とは違うキャラクターを作って、過剰に気を配ったりしていたらしい。
 
「事前にどのようなタイプで撮影の輪の中に入ろうかと考えたりして、周囲の様子を伺いながら自分の立ち位置を探していました。自分よりも年上が多い現場だったら、子供のままでもいいのかなと自分のキャラクターを作ったりして。でも俳優の方はこちらのそういう空気を察知しがちというか、休憩中に会話をしていてもお互いにお芝居をしているかのような変な空気になっていました」と振り返る。
 
その姿勢を変えるきっかけをくれたのが、『未来への10カウント』(2022年)で共演した女優・満島ひかりだ。「ある時に満島さんから『咲良は咲良。自然体でいればいい』と言われたことがありました。『洋服一つにしても、自分の好きな服を着ることでそれを個性だと思って面白がってくれる人が現場に必ずいるし、ありのままを見てもらってそれを面白がってもらった方が絶対にいい』と」。

■シン・吉柳咲良宣言!

満島のアドバイスを胸に、今では立ち振る舞いもファッションも含めて、自分らしくいることを意識している。するととても楽な気持ちで撮影期間を過ごせるようになった。「謙虚な姿勢はもちろん大切にしていますが、年下だからと言って“会話をしなければ!”とか“空気を読まなきゃ”などと変に気を遣い過ぎることをやめました。そうすると本当の自分と相手がイメージする像にギャップが生まれなくなって、以前よりも疲れなくなりました。撮影が終わっても余力があるというか。そもそも変に作った自分を好きになってもらうより、素の自分でいる私を褒めてもらう方が嬉しいですから」。
 
意識をガラッと変えてから、吉柳は「周りから『雰囲気変わったね』とか『大人になったね』と言われることが増えました」と変化を明かすが、リスペクトする先輩女優からのアドバイスをすぐに実践する吸収力&実践力の早さは長所と言えそうだ。「自分を偽らずに現場に臨めるようになって、お芝居もガチガチになることがなくなりました。気持ちが楽になったのは満島さんのお陰。2023年は全身を自分の好きなもので埋め尽くして『私はこういう人間だ!』とアピールしていきたいです。私服や性格も含めて、今まで出さなかったものを前面に出していきたいです」と宣言している。

【リーズンルッカ’s EYE】吉柳咲良を深く知るためのQ&A

Q.セリフ覚えのルーティンはありますか?

寝る前に台本を開いてセリフを朗読して、ある程度覚えたら台本を枕の下に入れて眠ります。朝起きたら昨晩覚えたセリフを復唱しながら洗面所へ。撮影現場では段取りやテストで共演者の方の空気感を掴んで、どのパターンで演じるかを決めていきます。台本を枕の下に入れるのは『ドラえもん』でいうところの、アンキパン的な願掛けです。枕の下に入れるようになってからは記憶力も上がっているような気がします(笑)

Q.性格面で幼少期から変わっていないところはありますか?

昔から私は楽しいことが好き。自分が好きだと思うことは誰に何を言われようとも好きを貫きます。洋服もカッコいい系が好きで、万人受けはしないかもしれないけれど、自分が好きならそれでいいという考え方です。好きなものがはっきりしているというか、流行には流されないタイプかもしれません。

<編集後記>

偶然にも著者と地元が近いということで、インタビュー開始前から地元の有名スポットトークでアイドリング。そんなこちらの雑談にも気さくに応じてくれたりして、インタビュー中の言葉にもあるように、吉柳さんは終始自然体。2023年は「ありのまま」に加えて「幸せ」の年にしたいそうで「ありがとう、という感謝を伝える年にしたい」とも。人としての基本の“キ”に改めて立ち返った吉柳さんにとって、今年は新たなる1歩の始まりになるのではないかと感じました。

<マネージャー談>

ピーターパン役として青春時代を走り続けてきた彼女だからこその魅力は、そばで見ているマネージャーの私たちが一番に感じています。子どものように無邪気かと思えば、大人っぽい表情を見せたりもして、成長期真っ只中!とういうかんじで毎日一緒にいると変化が見えて楽しいです。彼女だけ大人の私たちより何倍も速い時間でかけ進んでいくようなそんな錯覚に陥るくらい、もの凄いエネルギーをもっています。
現役JKの吉柳に若者用語や流行っているものを日々教わったりもしてます(笑)
「星降る夜に」第6話では、桜の見た目も内面もガラリと変わる展開が待っています。是非注目してください!

【プロフィール】
吉柳咲良(きりゅう さくら)
2004年4月22日生まれ、栃木県出身。第41回ホリプロタレントスカウトキャラバン PURE GIRL 2016でグランプリを受賞。2017年ミュージカル「ピーターパン」で10代目ピーターパンを演じて主演デビュー。2019年アニメ映画「天気の子」に、ヒロイン・天野陽菜の弟・凪役で出演。同年9月公開の「初恋ロスタイム」でスクリーンデビュー。関西テレビ・フジテレビ「青のSP-学校内警察・嶋田隆平-」、NHK「ここは今から倫理です。」、EX「未来への10カウント」に出演。現在公開中のアニメ映画「かがみの孤城」でもアキ役を熱演。
Instagram
Twitter

取材・文/石井隼人
写真/まくらあさみ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?