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目指せ、女性版ジャッキー・チェン!?ダンス、歌唱…吉柳咲良が得意分野の先に見つめるもの

「ずっとやりたいと思っていたことが、ここにきて表に出せる」。ダンス歴は幼稚園の年長さん時代までにさかのぼる吉柳咲良が、フジテレビ系連続ドラマ『リズム』とNHK夜ドラ『褒めるひと褒められるひと』で特技を遺憾なく発揮する。10代目ピーターパンとして長年ステージ上で歌って踊ってきた吉柳だが、映像作品で持ち前の歌唱力やダンス力をお茶の間に届けるのは初めてだという。今回放送される2作品で吉柳が広げた新たな可能性の先に待ち受けるものとは…女性版ジャッキー・チェン!?さっそく話を聞いてみた。

■妄想力がダンスにプラス

ダンスへの出会いは今も覚えている。「幼稚園の年長さん時代にダンスを習っている友達にランニングマンを教えてもらったのがきっかけです。上手くできたのが楽しくて、ダンススクールに通ったら先生から『ダンスの素質がある』と褒められたのも嬉しかった。ダンスは自分から初めて親にやってみたいとお願いした習い事です。それまではインドア人間だったけれど、ダンスをきっかけに外に出るようにもなりました」と振り返る。
 
幼少期から強かった妄想癖もダンスではプラスに。「想像の中でアニメの主人公になったり、神様に認められた人間になったり、そんな妄想ばかりを考える子供でした。ダンスは妄想して高揚した気持ちを表現できるもので、音楽にのって踊るとまるで自分が主人公になれたような気分になる。自分の中にある表現を外に向かって爆発的に放出できるのがダンスの魅力です」と実感を込める。

■注目のシンガーから褒められる

長年ダンスに魅了されてきた吉柳に届いたのが、フジテレビ系連続ドラマ『リズム』とNHK夜ドラ『褒めるひと褒められるひと』への出演の切符。『リズム』ではダンス、『褒める~』では歌がキーワードの役どころを演じる。
 
「ダンスできるの?歌えるの?と。今まで自分が長年やってきて好きだと言い続けてきたことが仕事として繋がったことが嬉しかった。ダンスによって表現の幅が広がり、私だからこその役をいただけるのはありがたいこと」としみじみ。両作品とも撮影はすでに終了しているが「得意分野だけに楽しくて仕方がなかった」と充実した表情を浮かべる。
 
『リズム』では、トップレベルのダンスの実力を持つ女子高生・立花めぐみ役としてレギュラー出演。「芝居の思い出以上にダンスの思い出があります。当初は3曲程度踊る予定でしたが、振付師の方に『こいつできるな…』と思っていただけたようで、6曲に増えました。振付の難易度も上げてもらい、ダンスという特技を思い切り発揮できて心底楽しかったです」と手応え十分。
 
『褒める~』では、歌手への夢を再燃させる柴田弥生役でゲスト出演。“とにかく褒めてくれる”上司の坂東さんを演じるのは、これが連ドラ初出演の歌手・川崎鷹也。吉柳の母は川崎の大ファンだそうで「お母さんは川崎さんのアルバム『ぬくもり』を買っているくらいのファン。共演することを伝えたら『今までで一番嬉しい!』と喜んでくれました」。劇中ではその川崎との歌唱シーンもあるが、吉柳は「毎日カラオケに行きたい」くらい歌うのが好きゆえに「レコーディングでは川崎さんから『ピッチの取り方がうまい。歌手をやったほうがいい』と褒めていただきました。歌うのは好きだったけれど、本業の方から褒められるとは思わず…」と恐縮しきりだが、新たな可能性も引き出されたようだ。

■目標は“イケメン”

今年3月に高校を卒業し、女優一本に絞る覚悟もできた。それと同時にSNSへの投稿も意識的に変化させたという。「自分は周囲からどんなことを求められているのか、それを明確にしようと思って、SNSでは仕事のことだけではなくプライベートのこともありのままに発信することにしました。ありのままをさらけ出すことで、意外なところに興味を持ってくれるファンの方がいたりして、飾らない素の自分を認めてもらえるようで私としてもやりやすい。手の届かないあこがれの存在もいいかもしれないけれど、私は一生一般人感が抜けないタイプの人間なので、ファンにとって身近な存在でいたいと思っています。SNSの方向性を変えてから、普段の自分と表に出る自分にギャップを感じなくなりました」と等身大でSNSと向き合っている。
 
そのSNSでは「目指せイケメン」ブームになっているというつぶやきが見られたが…。「私は性別に関係なくカッコいいと思う人に惹かれて、自分もそうなりたいと思っています。気持ち的にさっぱりしたくなるのか、夏になると短髪願望が芽生えます。どちらかというと私は昔から女の子っぽくない。ピーターパン的な少年の部分が消えないので、イケメンへの憧れも強いのかもしれません」と真意を解説する。

■何度も観てしまうアクション映画とは?

イケメンを目指している吉柳が長年カッコいいと思っている人物は、世界的アクションスターのジャッキー・チェン。「お父さんの影響でアクションものを一緒に観ていくうちに、気づいたらみんなを置いてきぼりにするくらいジャッキー・チェンにドはまり。一番のお気に入りはジャッキーがお師匠様になった『ベスト・キッド』です。全然ダメだった子が這い上がり立ち上がる姿が好きで、暇さえあれば何度も観直しています」とその愛は筋金入りだ。
 
ダンス、歌ときて、ならば次はアクション系への挑戦も?「アクションに挑戦したい気持ちはありますが、やるのであれば中途半端なものにはしたくない。スタントも自分でやってみたいし、当てるふりではなく本気でパンチを当てに来てほしい。本気でボコボコにしてもらっても構いません。それくらい全身全霊で、本気でやってみたいです」とダンスで鍛えられた身体能力で新たな挑戦へ立ち向かう構えだ。

【リーズンルッカ’s EYE】吉柳咲良を深く知るためのQ&A

Q.19歳の吉柳さんが今ハマっているものとは何ですか?

A.今現在はまっているのは、昔と変わらずカラオケです。一人でも行くし、友達とも行く。一人でカラオケに行くときは平気で6時間コース(笑)。音の調節や自分の声のコンディションを確かめるために最適な曲は『ドライフラワー』で、キーを3つくらい上げて女性の音程で歌ったりします。私は本当に歌うことが好きなので、それを今後仕事で出来たら嬉しいです。

<編集後記>

ダンスを得たことでインドア派からアクティブなアウトドア派になったという吉柳さん。外に向けて放つというマインドはコミュニケーション能力にもプラスになっているようで、1つの質問に対して10で返してくるくらい饒舌。そのサービス精神と明るさに加えて、得意のダンスと歌を武器に、これからもどんどん可能性と新しい道を自分の手で切り拓いてもらいたいものです。

<マネージャー談>

編集後記にもあるように、本当にお喋りです!(笑)放っていたらずっと喋っています。こちらが相槌を打たなくても話は続いていきます(笑)
そんな人懐っこさを最近では撮影現場でもどんどん出せるようになりました。今までは常に緊張して、現場の隅っこでガチガチになっていましたが、共演者やスタッフの皆さんにも自分からコミュニケーションを取りにいく姿をよく見るようになりました。
吉柳の人間らしさをファンの皆さんにこれからもっともっと知ってもらえたら嬉しいです。 

プロフィール
吉柳咲良(きりゅう さくら)
2004年4月22日生まれ、栃木県出身。第41回ホリプロタレントスカウトキャラバン PURE GIRL 2016でグランプリを受賞。2017年ミュージカル「ピーターパン」で10代目ピーターパンを演じて主演デビュー。2019年アニメ映画「天気の子」に、ヒロイン・天野陽菜の弟・凪役で出演。同年9月公開の「初恋ロスタイム」でスクリーンデビュー。関西テレビ・フジテレビ「青のSP-学校内警察・嶋田隆平-」、NHK「ここは今から倫理です。」、EX「未来への10カウント」、「星降る夜に」、アニメ映画「かがみの孤城」ではアキ役を熱演。
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取材・文/石井隼人
写真/村松巨規


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