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非常に難しい判断を迫られる時【3最終回】

数々の危機をくぐり抜けてきた。
そりゃそうだ。産まれて既に半世紀が経つ。

ふと鏡を見れば、揉み上げの辺りを中心に
白いものがちらほら混じる。

それも人生の勲章だ。

そしてそのまま視線を生え際の辺りに移せば・・・

おでこと髪の毛の境界は、20代と比して5cmは上昇したであろう。

そんな勲章は要らない・・・
別途AGA治療のブログを書いている。
是非ご参照いただきたい。

https://note.mu/lesview_shinobin/m/ma2d93d2cbaaf

毎日の洗顔時の鏡の中の自分確認活動
お疲れ様です!

「身嗜みを重視するサラリーマンオヤジギタリスト」の"しのびん"です!

昨日、一昨日の続きになります。

通勤電車の中、いつもの通り座って寝ていると強烈な腹痛に襲われて目を覚ましたしのびん。

電車は三ノ輪駅と入谷駅の中間点であった。

腹痛の原因はすぐに判った。
排泄の時が近づいている。しかもそれは固くない・・・。

前々回書いたように入谷駅下車は見送った。

さあどうする。
判断を間違えればサラリーマン人生が終わる。

知りうる限りの情報はインプットした。
あとは・・・勘。

電車が上野駅に進入する。

直感的に・・・・

降りた。

さあ、ここが大切だ。残り少ない時間配分を考えなければならない。

いつもであれば、自分なりのポリシーがある。

『考えながら走れ』だ。

だが今回は違う。走れば最悪の事態も想定される。
(『考えながら走れ』はそういう意味ではないと思うが・・・)

落ち着いて駅の案内表示を確認する。
後方改札が近い。

そして
改札外に目的地はあった!!

冷静に一歩づつ歩みを進める。
なるべくならば下半身への振動は最小限に抑えたい。

改札を出た。肛門が様々なサインを送ってくる。
そう。限界が近づいているのだ。

案内表示に目が行く。
🚻55m

油断はするな。ここでの油断で負けた勝負がかつてあったではないか!

🚻まで550mはある!と思い込ませる。

見えた!通路右側だ!

右折する!!
そしてさらに左が目的地・・・・だ・・・・

・・・・終わった・・・・

全ての努力が水の泡になる時が来たようだ。

そこには4人のプレイヤーが自分の出番を待っていた。

諦めるしかないのか。

いや待てよ?
大きな駅にはかなりの確率で
『誰でもトイレ』がある!

再び通路に出る。右だ!!

あった!!『誰でもトイレ』の看板だ!!
やはり同じように通路右側にあった。

右折をする!順番待ちのプレイヤーはいない!
しかし現在プレイ中ではある。

そこは仕方がない!そんなに恵まれた人生を期待してはいない!

既に肛門が悲鳴を上げているが、精神力であと1分は行ける。

「使用中」のランプを見つめる。

・・・・・・・・

ランプが消えた。
スーツ姿のサラリーマンがプレイを終えて満足そうにフィールドを後にした。

勝った・・・・・・。
私は勝ったのだ。

それからの事は何も覚えていない。
気がつくと再び日比谷線の車内にいた。

入谷駅手前で目を覚ましてからここに至るまで、その間わずかに15分。

短くも過酷な戦いが終わった。

ありがとう。『誰でもトイレ』
ありがとう。『トイレの神様』

1人のサラリーマンオヤジギタリストが
感謝の言葉と共に人形町駅の改札を出て
都営浅草線方面に向かって行った。

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