STAX SR-X9000試聴

 STAX SR-X9000の試聴をしてきました

 前にもツィッターでアンケート等を取らせていただいたりしたこともあり、利用目的はROCK/POP's鑑賞用です

 視聴時間は極々限られており納得するまで何時までもというわけいにもいきません

ポイントを絞って聞き込む必要があるわけです

 既にSR-X9000を所有している方も多くいらっしゃるのでユーザーさんのレビューには敵いません。所詮数十分聞いた程度ですので、素人の戯言と思って斜め読みして下されば、と、思います

■その前にSTAXと音楽ジャンルについて

 そもそもROCK好きでSTAXに興味を持つなんて、どういった経緯でそうなったのか?と、興味を持たれる方も多いと思います

 持論になりますがクラシックやJazzを鳴らせるヘッドホンならROCKを簡単に鳴らせないと矛盾していると考えています

 理由はROCKは音数が極めて少ないジャンルです

 せいぜい頑張って増やしても20パート位だと思います

 対してクラシック、特にオーケストラは、音数が極めて多い、同じ楽器の数が多い、ダイナミックレンジが全ての音楽ジャンルの中で最も広い、楽曲にもよりますが音圧も全てのジャンルの中で最も高いです。

 理由は聞く必要ありませんよね?例えば第九を思い出して下さい。あらゆる種類の楽器を複数揃え同時に慣らします

 クラシックを上手に奏でることが出来るヘッドホンがあるならば、その数十分の一にも満たない楽器構成、低いダイナミックレンジ、音圧も低いROCKを易々と鳴らせない理由が見当たりません。

 Jazzにしてもしかり、クラシックと同様の理由です

 つまりクラシックやJazzを上手に鳴らせるなら、余裕でROCKを鳴らせなければ能力的に矛盾しているということです

 そこでクラシックに強い、Jazzにも強い、アーキティクチャ的に最も高い解像度を持つ静電型の最高峰STAXに興味を持たない理由が見当たりません。

 特定の楽器パートだけが好きなんじゃなくて、ROCKバンドが好きで聞き込んでいけば、ザックリ分けて、ギター、ベース、ドラム、キーボード、ボーカルの5パートがそれぞれ潰れず潰されず全てを余すことなく聴き込みたいと渇望するようになるのは時間の問題です

 というか必ずそういう気持ちになるでしょう?ならないとおかしくないですか?だって特定パートが好きなんじゃなくて、ROCK/ROCKバンドが好きなんですから

■トランジスタと真空管について

 私は真空化が好きだと言ったことあります

 楽曲を真空管で聴きたいのではなく、ギターやベースを真空管アンプで鳴らした音が好きだからです

 ボーカル・ドラム・キーボードを含む楽曲全体を真空管を通して聞きたいと思っていません

 ボーカルは生音が最高と思ってます、ドラムもキーボードも真空管で歪ませるより歪ませないで聞いた方が遥かに魅力的だと思っています

■試聴に使った楽曲のアーティスト
 BAND-MAID、Mardelas、DESTROSE、MISIA、安室奈美恵

■SR-X9000のインプレッション※ROCK/POP'sの楽曲に限定しています
 高音域~低音域まで過不足なく鳴らしてくる
 巷で良く聞く低音が足りないということは全くなかった。十分太い低音域が出ている
 もし、これで低音が足りないと感じてるなら、そう感じる人と自分とは感覚がめちゃめちゃ違う、というか、そう感じる人ってドンシャリ好きなだけでは? 

 ◆特筆すべき点
  音楽は中音域が最も重要を体現しているヘッドホン。とにかく中音域の表現力が凄まじく、非常にボーカルにフォーカスし易く、尚且つ、他の楽器もしっかり認識できる

  逆にいうと楽器隊がボーカルを潰さず、ほぼ全部、聞き取れる、この感覚は味わったことが無いです

  ナント例えたらいいか言葉が見つからないんですが、、、これが普通でしょ?当たり前でしょ?と言わんばかりの非常識なレベルの高解像度感なんですよ

 ◆改善して欲しい点
  ヘッドバンドの側圧がとてもソフトでちょっとした動作でズレてしまう
  家でノリノリ状態になって軽くヘドバンしようものならソッコーで70万円の超高級ヘッドホンがスッポ抜けて床に落として死ぬほど後悔するのが容易く想像出来るくらい側圧がソフトに感じましたw
  これは何とかしてもらいたい、怖くてROCK的な通常運用ができないです(笑)

  パッドの厚みがギリギリ過ぎて若干耳に当たる感じがする
  もうほんの少しだけでもいいのでパッドを厚くして欲しい

 ◆T8000とSRM-700S
  上記2つのアンプで試聴しましたがROCKを聞くなら、私の好みでいえば圧倒的にSRM-700Sが良かった。

  トランジスタアンプのダイレクト感がROCKバンドの各パートをこれでもかと正確に描写して気持ち良過ぎる♪

  対してT8000は本当にソフト悪く言えばベールが1枚掛かったかのようなソフトな感覚で私の持ち込んだ楽曲には合っていない感じがしました

  たぶんSR-X9000はアンプの特徴を物凄く素直に出すヘッドホンだと思う極端なくらい両者アンプで音が全く異なって聞こえました

  なのでSR-X9000に合うアンプがどうとかではなくて、「SR-X9000で聴きたいジャンル/楽曲毎にマッチするアンプが異なる」と認識したほうが適切と感じた

  たぶんSR-X9000はどんなアップでも合う、というか、そのアンプの特徴を素直に描き出すが正しい解釈なのではと感じました

  つまりアンプより更に上流もしかりで、DAC/プレイヤー/音楽ソースの質、そういったファクターを鋭敏に反映してくるヘッドホンと感じた

■SR-X9000の開発(音の調整について)
 STAXのスタッフさんに幾つか質問をさせていただきました。

 ◆質問1
  SR-X9000の開発(音の調整)は、具体的にはどんなDACで行ったのでしょうか、答えられる範囲でお願いします。

 ◆回答 ※回答の内容をザックリまとめました
 弊社のブースには古いLUXMANのCDプレイヤーやDACがありますがそれを使って行いましたとのこと
 DACはチップの性能よりはアナログ部分が音に大きく影響しますとのこと

 ◆感想
  STAXの営業さん。さすがです。数多の「あたおか」な、お客様を裁いてきてだけあるなぁと

 「DACはチップの性能よりはアナログ部分が音に大きく影響します」は、自分の少ない経験でも非常に納得感がありました。

  ただ、私の想定ですが、古いLUXMANのCDプレイヤーやDACのみでSR-X9000の調整をしているのは、そんなはずないと思いました、エンジニアサイドや品質管理部門、更には営業サイドも加わって、もっと突き詰めて数多くの機器を用いてSR-X9000を限界まで試してるはずと思っています。この辺を具体的、且つ、詳細にどこの誰が聴いているかわからない場所でペラペラと情報開示するわけにはいかないでしょうから(*´ω`*)~♪

  色々とDACやアンプについて会話させていただき、何を重要視して音作りの調整をしているのか、自分自身で答えを得ることができました。

  STAXを理解するうえで、かなりの収穫でした。ご対応下さったSTAXスタッフ様。有難う御座いました。


 ◆質問2
  SR-X9000は、T8000とセットで使うのが適切か?

 ◆回答  ※回答の内容を若干端折ってます
  そんなことはない。各自の好みのアンプで良い。
  ※自社のアンプの範囲でのみ回答をしていただきました。

 ◆質問3
  海外のみでの販売品やセットアップがありますが、何故日本での販売をされないのでしょうか?

 ◆回答 ※抜粋です。
  海外販売の要求にあわせて取り揃えています
  日本でも要望があれば別の形でラインナップを揃えていきたいと考えています

 ◆感想
  実は、かなり衝撃的な回答をいただいたのですが公の場で公開は出来ません

  貴方がオーオタを自負するのなら、オーオタの常識で想定してみて下さい

  それがどんな内容だったのか、必ず到達出来るハズです

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