春が来て(1) #シロクマ文芸部
変わる時、を待っている。まるでそれが一瞬の出来事になるかのように目を凝らして。でもまさかそんなわけないんだと気づく時は、もう変わり始めている。
「新山くんって脈アリだと思う?」
隣の席に座る美玖がにじり寄ってきた。美玖は恋愛体質で、ひっきりなしに恋をしている。その度に、あれやこれや、若葉に話してくる。そんな彼女のことを若葉は可愛いなと思いながらも、ちょっと面倒になっていた。
それもそのはず、授業は始まったばかり。大学の講義は90分、これが延々に続くのだから。そもそも「脈アリってなんじゃろ、脈なかったら生きてられないし」と思う。だって私たち、看護学生だもの、とも。
でもそんなこと面倒だから言わないでおく。駆け引きとか脈アリとか、正直いってなんじゃそりゃと思っていることだって胸にしまっておく。
気が進まなかったのに、美玖に誘われてお花見に行ったのは先週のこと。そこには美玖の同級生の佐久間くんと、その友達の新山くんがいた。ちらちらと目の端で美玖のことを気にしている佐久間くんの気持ちは手に取るようにわかったけれど、当の美玖は新山くんしか見えていないようだった。
(来週へ続く)
☁️
小牧部長、今週もよろしくお願いします。
今月は余裕が全然ないので、少しづつ書いていくことにしました。
次回この話がどうなるかはさっぱりわかりません。
こういうのも面白そうなのでやってみますね。
日本の暖かさにびっくりしています。イギリスは寒かったなあ。
この天気だったら間違いなく、イギリスの人たちはノースリーブになると思います!
いただいたサポートは毎年娘の誕生日前後に行っている、こどもたちのための非営利機関へのドネーションの一部とさせていただく予定です。私の気持ちとあなたのやさしさをミックスしていっしょにドネーションいたします。