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花吹雪の中でにっこりと笑う美玖みくの横顔を見た瞬間、目から鱗が落ちた。それはもう盛大に。言っておくがコンタクトではない。高校に入学したばかりの頃だった。

俺らはいわゆる幼馴染だ。元々は同じ社宅に住んでいた。簡単にいうと生まれた時からしょっちゅう顔を合わせていたし、何度も何度も家族一緒に花見だってしてきた。でも一度だって恋心を抱いたことなんてなかったんだ。小学校を卒業するとき、お互いの家族が家を建て、引っ越したけれど、中学は一緒だった。正直言って何から何まで知っている仲なんだ。

なのに、青天の霹靂だった。高校に入学して、前を歩いていた美玖が隣を歩く友達に笑顔で話しかけているのを見た瞬間、何かが起こった。春風のイタズラなのか、いや、どうかしちゃったのか、悩んだ結果、それはもう紛れもないアレだった。

オレ　15歳の春　一生の不覚

あれから三年、惚れっぽい美玖があっちへひらひらこっちへひらひらする度に肝を冷やしてきた。看護大学に行く、と言われた時に、猛勉強して医大に入った。医者になって、美玖にわるい虫が付くのを防ぐしかない。これで準備は整った。今夜こそ告白する。夜桜を見上げて、友達の若葉と楽しそうにする美玖の横顔は相変わらず眩しい。

オレ　18歳の春　いざゆかん

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小牧部長、今週もよろしくお願いします。
続き物というよりも、それぞれの春、という感じになっています。
最後は美玖ちゃんが主人公です。