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馬券の種類

今回は馬券の種類についての紹介です。
初めて競馬をやる方々向けに基本的なことを書きますが、馬券というのは「知っている」ことと「使いこなす」ことは別物です。そして、大半の人が知っていても、使いこなせていません。
競馬をやったことがある人にとっては魅力のない記事に見えるかもしれませんが、やっているけど回収率がよくない、当たらないという方にはぜひ読んでみてください。
馬券の紹介で使用する図はJRAHPのものを拝借しています。

控除率

まずはじめに、控除率の話をしようと思います。
馬券の話をするんじゃないかと突っ込む方もいるかもしれませんが、馬券の話です。この控除率というのは、競馬をする上で非常に重要なものです。
控除率とは、掛け金に対して取られる手数料等の率です。もっとわかりやすく言うと、JRAや国庫に納付(税金)される金額のことです。基本的にギャンブルは多くの人からお金を集めて、的中した(勝った)人でその集めたお金を分配する仕組みになっています。ただ、そうするとJRAで働く人の給料や競馬場の運営費などを回収できません。また、競馬は掛け金の10%程度を国庫納付金として国に納めています。そういったもの集めた掛け金から引いて、残った分を的中した人に分配しています。
つまり、掛け金全てが還元されているわけではないのです。

上図が各馬券の払戻率(1-控除率)となっています。
馬券の詳細は後程書きますが、70%~80%で設定されている、つまり20~30%は掛け金総額から引かれてしまうことを意味しています。
ちなみにそのほかのギャンブル等の控除率は宝くじが55%、パチンコ・スロットが10~15%、カジノ系が1~15%程度なので、競馬はかなり高い部類です。
掛け金に対して配当総額が減るということは、普通に賭け続けるだけでは控除率分は収支マイナスになるということです。なので、回収率(払戻金額÷賭金)を100%にする(賭けた金額より払戻金額の方を大きくする)には、相当な努力が必要になります。
控除率が20%(払戻率が80%)の場合、回収率90%でもプラスではないものの、悪くない成績と言えてしまうからです。
これは決まっていることなので、私たちがどうにかできる問題ではありませんが、控除率が大変やっかいなものであることだけ頭に入れておいてください。

それでは、馬券の種類について紹介していきます。

単勝

払戻率80%で一番高い馬券の一つです。そして、基本となる馬券です。説明も至極簡単で、1着の馬を当てればよいというもの。単純な馬券で、出走頭数の関係から最大でも18通りしか発生しないため、オッズはほかの複雑な馬券に比べるとそこまで高くありませんが、人気がない馬は高いオッズがつく場合もあります。
単純で配当も高くない分、軽視されやすい馬券でもありますが、個人的にはオススメです。払戻率も高い点、そして何より競馬あるあるの「1着は当てたのにヒモ(2着以降の馬)を外した」パターンでも確実に的中することができるからです。本命を当てたのに払い戻しが0円は笑えない話ですよね。単勝が2倍を切るオッズなら割り切れますが、それなりについているのであれば、元返し(賭け金がそのまま返ってくること)の保険としてでも活用した方がいいと思います。
もちろん、初心者の方にも強くオススメできます。1着を当てて払戻金を受け取る、単純かつ一番競馬を楽しめる方法だと思います。
ちなみに、当てるのは簡単ではありません。。。

複勝

単勝と同じく払戻率80%と一番高い馬券です。これは単勝よりも当てやすい馬券で、3着以内に入る馬を1頭当てればよいというもの。ただし、出走頭数が7頭以下の場合は2着以内に入る馬を当てなければならない点は注意してください。1着の取りこぼしや1着は厳しいけど3着以内に入る可能性が高いときに使えます。ただ、的中の着順に幅が持たされている分、オッズもかなり下がります。特に人気馬の場合は2倍を切ることも多いので個人的にはあまりオススメしません。穴馬(人気がないけど上位が狙えそうな馬)であれば複勝を握る価値があると思いますが、人気馬の複勝はうまみが少ないです。
ただ、初めての競馬ということであれば話は変わります。複勝は競馬の馬券の中で1番当てやすい馬券です。とりあえず当ててみたい、競馬を楽しみたいといったときにはもってこいの馬券です。回収率への貢献は望めませんが、的中率(当たった数÷賭けた回数)は向上します。

枠連

枠連は1着と2着となる馬の枠の組み合わせを当てる馬券です。控除率は77.5%と単勝・複勝に比べると落ちます。枠連は馬番ではなく枠番で購入する必要があることから、少々複雑な馬券となっています。また、枠は8つしかないため、36通りしかなく、オッズもそこまでつきません。あまり魅力のない馬券ではありますが、いくつか購入パターンはあります。
1つ目は人気馬が同じ枠に入った場合です。人気馬2頭のどちらかと別枠のもう1頭で決まると考えた場合、下記に記載する馬連では2通りになりますが、枠連では1通りになります。
2つ目は人気馬と穴馬が同じ枠の場合。穴馬を信じたいが、人気馬も捨てきれないといった場合に有効な馬券になります。
そして3つ目が馬連に比べて枠連の方がオッズが高い場合です。これは枠連が軽視されていることで発生する現象で、馬連が一般的に買われる分、枠連で同じ組み合わせを買った方が高い配当が出るというものです。珍しい現象ではなく、よく起こります。実例を探しに行きましたがすぐに見つかりました。

2024年4月27日(土曜)京都10R

同枠決着ということもありましたが、払戻が枠連2210円>馬連2100円となっています。今回は同枠分点数はわかりませんが、これが別枠での決着で頭数が多ければ2頭-2頭の枠を買って馬連の4通りに相当する買い方をしたのに、馬連1通りを買うより払戻が多いといったことが起こりえます。
この手法は投票をオッズが確定する直前に行う必要があるため、PCに張りついておく必要がありますが、価値のある手法です。
初心者の方に枠連は少し理解のしがたいものだと思います。意味がよくわからなければ、スルーして自分のわかる馬券を購入して何ら問題はありません。

馬連

払戻率は77.5%です。単勝に続くオーソドックスな馬券で、1着と2着になる馬の番号の組み合わせを当てる馬券になっています。組み合わせなので順番は関係ありません。例えば①番、⑩番の順番にゴールすると考えて①-⑩の馬連を買って実際は⑩番、①番の順番にゴールしても的中扱いとなります。難易度的にも簡単すぎず、難しすぎずで配当もそこそこ、何より「競馬をやっている感」が一番でる馬券で、好んで購入する人も多いと思います。のちに3着まで当てる必要がでてくる馬券を紹介しますが、競走馬の中には「1,2着は難しくても3着なら」と思わせる馬がたくさんいます。そういった意味で馬連は2着までしか当てる必要がない、かつ順不同なので、候補、点数を絞りやすい馬券と言えます。簡単な馬券ではないですが、予想という意味でも今まで紹介した馬券の中でも頭を使う、そして何より当たった時の快感も大きいので、競馬に慣れていない方は、単勝や複勝に飽きてきたらお遊び程度に少し買ってみるといいかもしれません。

馬単

払戻率75.0%とだんだん厳しくなってきました。馬券の難易度も上がります。馬単は1着と2着の馬の順番を当てる馬券です。馬連と決定的に違うのは、「順番まであてなければならない」ことです。先ほどの例を使うと①番、⑩番の順番にゴールすると考えて、実際は⑩番、①番の順にゴールしたら外れてしまうということです。払戻率は下がっていますが順番を当てる必要がある以上、組み合わせ数も大幅に増えるので当たった時の配当は大きいものになります。
個人的に買うパターは3パターンあると思っています。
1つ目は1着に絶対的な自信があるかつ単勝オッズがつかないときです。1頭強い馬がいて単勝は当たると思うが、単勝オッズが1.5倍だと買いたいとは思いませんよね。その場合、単勝その人気馬を1着に固定して2着にくる馬を探し、馬単を購入するというものです。ただ、圧倒的な人気馬がいる場合、その馬を1着とした馬単の売れ方もすごいので、実は馬連とほとんど配当が変わらなかったりします。その場合は、2着になるリスクも考慮して馬連で抑えるのも手です。
2つ目は1つ目と逆の発想で、圧倒的人気馬を負かす可能性がある人気薄の馬が存在している場合です。1.5倍の1番人気①番と15倍の5番人気⑩番の馬がいたとします。①-⑩の馬連だとリスクは減らせますが、組み合わせとしては4番目くらいの人気(1人気-2人気が1番人気、1人気-3人気が2番人気…のイメージ)なので、たいして配当は尽きません。ただし、⑩番が1着で①番が2着の馬単となれば話は変わります。大勢が1着は①番と予想しているので、⑩番が1着だと2着に①番が入ったとしても配当が大きくはなることが予想されます。このパターンの場合、2着に人気馬が入らなかった時を考えて、人気薄の馬の単勝を買っておく、保険で馬連も買っておくなどほかの馬券と組み合わせてもいいと思います。
最後3つ目は、馬連を買うより馬単の裏表(①→⑩と⑩→①の2通り)を買う方がお得な場合です。所持金1000円で馬連①-⑩が15倍だとします。すると的中時の払戻金は15000円です。一方馬単が①→⑩が25倍、⑩→①が60倍だとします。この場合①→⑩に700円、⑩→①に300円かけると、前者は的中時17500円の払戻、後者は18000円の払戻を受けられます。掛け金は一緒、買い方は違えど、当たるパターンは一緒でも払戻額に差が出るということです。
このやり方を試すには、オッズを見極める必要があるので、締め切り直前に買う場合に限りますが、回収率を高めるという意味では非常に有効です。
以上が購入パターンですが、初めて競馬をする方に馬単はお勧めしません。多少の夢はありますが、まずは先に紹介した馬券、そして次に紹介するワイドなどで、払戻金よりも的中率を上げて競馬を楽しんでほしいと思っています。

ワイド

払戻率77.5%で枠連、馬連と同じです。ワイドは3着以内に入る馬を2頭当てるという馬券です。馬連と複勝を組み合わせたようなイメージを持っていただいて問題ありません。配当についてもまさに馬連と複勝を組み合わせたようなもので、高くはないが、低すぎることもあまりありません。
ワイドは非常に便利な馬券です。競馬ではよく予期せぬ馬に割られる(1,2着の馬連が当たりそうだったのに、最後に後ろから買っていない馬が差してきて1,3着になってしまったのような現象)といったことがよく起きます。ワイドは、1,2着でも2,3着でも1,3着でも、とにかく指定した2頭が3着以内に入ればあたりです。特に1着がいなくても当たりという馬券は、ワイドと複勝しかありません。馬連の保険や人気馬と穴馬、穴馬2頭などのセットで買ってみるといいと思います。
ワイドは初めて競馬をする方にもおすすめの馬券です。2頭以上選ぶ必要がある馬券の中では最も的中率が高いので、単勝、複勝に慣れて、レベルアップしたいのであれば、馬連よりも先にワイドを買ってみるといいと思います。

3連複

払戻率は75%です。3連複は1~3着に入る馬を順不同で全て当てる馬券です。上位3頭を当てる馬券は3連複と次に紹介する3連単のみですが、いわずもがな、馬券の中ではトップクラスに難易度が高いです。配当は魅力のある場合もあるのですが、1,2着を当てることができない、ワイドを当てることができない中で3連複に手を出すと痛い目にあうことが多いです。
3頭当てるとなれば馬券の組み合わせもかなり増えます。それによって購入する点数も増えてしまう影響で、高めの払戻があっても賭け金も多く、あまり儲かっていないといったことが多々あります。
購入パターンとしては、3着以内に入りそうな1頭または2頭は予想できるが、残り1頭がどれになるかわからない(複数頭候補がいる)といった場合です。確実に入りそうな1頭または2頭を固定して(これを1頭軸、2頭軸といいます)、3頭目を複数選ぶ馬券を購入します。せっかく3頭当てても、1,2,3番人気の決着では配当はわずかです。1~2頭人気薄が絡みそうなレースで買ってみるといいと思います。
買い方次第では有効な馬券ですが、初めての方にオススメできる馬券ではありません。

3連単

1レースに対する馬券としては最後の紹介です。払戻率は72.5%と今までで最も低くなっています。3連単は1,2,3着に入る馬を順番まで全て当てるというものです。今までの紹介を読んでくださった方には難易度がよくわかると思います。察しの通り、一番当てることが難しい馬券です。払戻率も悪く、難易度も高いですが、その分破壊力は満点です。万馬券になることは珍しくなく、10万馬券、時には100万馬券となることもあります。もちろん、それが当てられるような組み合わせかと言われるとYESとは答えられませんが…。
夢はありますが、完全に玄人向けの馬券です。初めての方にはオススメしませんし、この記事は初めての方向けに書いていることもあるので、詳細な説明は省略します。

番外編:WIN5

WIN5という馬券があります。払戻率は70%です。今まで1レースに関する馬券の種類を紹介してきましたが、この馬券は1レースでは完結しません。JRAが指定する5つのレースの1着馬を全て当てるというものです。わかりやすく言えば、自分でレースを選ぶこともできない中で、単勝を5回連続で的中させなければならないことになります。一見簡単そうに見えるかもしれませんが、始める前に単勝を5連続で的中させられるか自分の好きなレースでやってみるといいと思います。難易度が配当にも表れており、対象レースで人気薄が複数回1着となった場合には100万円~最大6億円の配当金が得られます。夢はありますが、5レースの組み合わせと予想が必要な以上、運でどうにかなるレベルではなく、資金と実力がものをいうところがあるのである程度競馬への理解が深まってからの参戦をオススメします。

結局、第2回の今回も6000字となってしまった。。。
以上、馬券の紹介でした。

りあん

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