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企業経営理論

経営戦略

【ポーターの5フォースモデル】

今日は、問9を間違えたのでここを集中的に。ポーターって頻出論点ではあるのだけれど、少し後回しというか、『こういう事でしょ』的に、サラッと読んでおしまいにしているので、結果習熟度が低かった。なので、今日はしっかりと!

ポーターによる5つの競争要因
業界構造の分析(5フォースモデル)とは、5つの要素が業界の収益性や自社の収益性に影響を与えるとするものである。

【1.既存業者間の敵対関係】
ある業界のにすでに参入している企業通しの競争関係であり、企業の競争行動が激しいほど、競争状態も熾烈になる。敵対関係が激化する(その結果、価格競争になる)主な要因は、以下の通り。
①業業者が多い
②同程度の規模の会社がひしめいている
③市場規模の成長速度が遅い
④固定コストまたは在庫コストが高い
⑤製品を差別化するポイントがない
⑥キャパシティ(生産能力)を小刻みに増やせない
⑦業界から撤退しにくい(撤退障壁が高い)

【2.新規参入企業の脅威】
ある業界に新しく参入しようとする企業が存在し、その業界への参入障壁が低い場合には、競争状態も激しくなる。

【3.代替品の脅威】
代替品とは、ある製品と同じ機能を持つ製品であり、保有する事によって従来の製品が不必要になる製品である。このような代替品の登場により、既存の製品との競争が激しくなる。

【4.売り手の交渉力】
売り手とは、ある業界(の企業)に対し、製品を生産するための部品や原材料を提供する供給業者である。例えば、供給業者のもつ部品などが差別化されたもの(特許取得など)であったり、供給業者が少なかったりする場合には、その供給業者の持つ交渉力は業界にとって脅威になる。

【5.買い手の交渉力】
買い手とは、ある業界が製品を販売する顧客の事である。たとえば、この顧客が大規模な流通チェーンを保有し、購買力が非常に大きい場合には、その顧客のもつ交渉力は、業界にとって脅威となる。

『3つの基本戦略』へつづく・・・。

成長戦略

【VRIO分析】

VRIO、VRIO、ブリオ…とよく聞くけれど、頭に入っているようで、入っていない現実があります。ケイパビリティとコアコンピンタンスなども絡めた、リソースベースドビューなどの企業観?ということで、今日こそしっかりとVRIOをまとめ上げていく。

VRIO分析とは、4つの点から自社の経営資源を分析する手法である。
①資源の価値(Value)
その資源・能力があれば、事業機会を逃さず脅威にうまく対応できるのか。

②資源の希少性(Rarity)
競争相手のうち何社が、その価値ある資源・能力をすでに保有しているのか。

③資源の模倣困難性(Inimitability)
その資源を持っていない企業がその資源を獲得・開発しようとすると、コスト面で不利が生じるか。

※模倣困難性の規定要因には、次のが4つある。
1)独自の歴史的条件
『当該経営資源がその企業独自の歴史的過程の結果、形成されたものかどうか』ということである。関連する用語として経路依存性がある。経路依存性が意味するのは、企業が現時点で競争優位を獲得できるのは、それ以前の段階で獲得したり、開発したりした経営資源のおかげであるということである。経路依存性が高い経営資源は、他の企業がその経営資源が形成されるに至る一連の過程をそのまま辿ることはもはや不可能であるため、模倣困難性が高くなる。

2)因果関係の不明性
『当該経営資源と競争優位との因果関係が不明である程度のこと』である。

3)社会的複雑性
『当該経営資源が非物理的で社会的な要因によるものかどうか』ということである。社内コミュニケーションや文化、対外的評判などといったものが該当する。

4)特許
『当該資源が特許等の知的財産権として確立されているかどうか』ということである。知的財産権として法的な保護対象となっているものであっても、模倣されるリスクがなくなるわけではない点には留意する必要がある。

④組織(Organization)
資源・能力の潜在力を十分に引き出し、活用するように企業は組織されているか。

※VRIO分析の要約
・『希少性が低い』とは現時点で他社が保有している経営資源、『模倣困難性が低い』とは、現時点で他社は保有していないが、近い未来保有することが可能な経営資源。
・VRIO分析の要素のうち、Vだけでは『競争優位の源泉とはならない』、VRを満たせば『一時的な競争優位の源泉となる』、VRIを満たせば『持続的な経営資源となる』。そしてOも満たすことで、実際に持続的な競争優位を築ける。
※事前に予測することが困難な環境の変化は、経営資源が持続的な競争優位の源泉であることを困難にする。

【ケイパビリティとコアコンピタンス】

この違いはなんだ?と考えてしまうことが多いのだが、ざっくり言うと『独自性を生み出す組織能力』といった無形の経営資源のこととして用いられ、『模倣困難性が高い』という点でも共通している。厳密には識者によって認識が異なるが、基本的にはほぼ同じととらえて差し支えがない。そうだが、気になるその違い。

【アンゾフの成長ベクトル(製品=成長マトリックス)】

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①市場浸透戦略
既存市場に既存製品を投入する戦略 ⇒ 広告宣伝や価格などのマーケティング要素を有効活用して市場シェアを拡大し、経営目標達成を目指す。

②新市場開拓戦略
新規市場に既存製品を投入する戦略。既存製品を未開拓であった市場に展開して売上向上させる。海外進出や女性用製品を多少アレンジして男性用に販売することなど。

③新製品開発戦略
既存市場に新製品を投入する戦略。新しい機能を付け加えて、今までとは異なる品質の製品を創造する、大きさや色などが異なる追加機能を開発するなどの方法。具体例は、自動車や携帯電話などの新機種、デザイン変更などのモデルチェンジ政策。

④多角化戦略
新規市場に新製品を投入する戦略である。※ここでの多角化戦略は次で説明する無関連多角化を意味する。

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