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今後10年で大学界隈が荒れそうです

理工農系「250学部の新設・転換」目指し支援、文科省が10年計画

文科省が文系が多い私立大学に理系の学部を増やせと言い出しました。
「増やす」とは、新しく学部を作る、または、既存の文系学部を潰して理系に作り直すということみたいです。

ちょっと乱暴ですよね。
新しい学部を作るのはまだ理解できるとしても(底辺大学やFラン大による学生の奪い合いがますます激化してしまいますが)、文系学部を理系に転換するのはどうなんでしょう。

潰される文系学部の教員は、いったどこに行くのでしょうか。
もし、大学に文系の学部が他にあれば、そちらに移籍というのがありえるパターンです。でも、移籍先では、教育も研究もこれまで通りとはいかず、居心地悪いでしょうね。でも、まだマシな方でしょう。
既存の他学部に移れないとなると、新設される理系学部に移ることになります。まったく分野違いの学部でいったい何を教えるのでしょうか。おそらく一般教養のような科目を担当するのかもしれませんが、一般教養科目を担当する教員はそれほど多く必要にはなりません。
かといって、専門分野を文系から理系にシフトするのは、あまりに分野が離れすぎて現実的ではないでしょう。

もし、経営赤字の大学が目先の補助金に目がくらんで、定員割れの文系学部を理系に転換すると決めた場合、いったい何が起きるのだろうか、考えただけでも恐ろしいです。
任期付きの雇用であれば、バッサリ切られ、そうでなければ、うまくいけば他学部や一般教養担当の教員に配置換え、最悪の場合、人員整理の対象でしょうか。
どの場合でも、もう研究どころではないですね。

今はざっくりした方針が決まっているだけで、細かいことはまだ議論の段階で、今年度中にいろいろと決まるようです。
とにかくもうちょっとマイルドなやり方をお願いしたいですね。
ただ、私学助成について、「理系学部での教員や学生1人あたりにかかる経費は文系学部と同額で算定されていたが、理系学部の経費を高めに設定する。」との点については大いに賛成します。次年度よりさっそく実施していただきたいです。


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