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【活版】レタープレスレターズ木工隊長、日々大活躍の話

いまではうちの主力商品である」365 Find Your Dayカードを作ったとき、一番困ったのが店頭での展開方法だった。 
なんせ366枚のカードにプラスして、在庫分を加えると全部で732枚ものカードをどうやってお店におけばいいいんだろう。
最初は月毎の小さな紙箱に入れてみたけれど、それでも12箱となるとそれなりの大きさで、ただでも場所がない雑貨店や書店さんで、毎回バイヤーにうーんっと首をかしげられてばかりだった。
そんなとき、パリの本屋さんで偶然見かけた手作りのカード什器が、素晴らしく優れもので、これなら732枚のカードも小さな場所で置けるぞっと、日本に戻って同じものを作ることになった。

同じものをつくるといっても、私が携帯でとった写真だけがヒントで、設計図があるわけじゃない。

ちょうどそのころ、N君がレタープレスレターズをお手伝いに来てくれることになった。N君は美術大学でグラフィックデザインを専攻していた男の子だ。そしてなんと驚くことに、N君は下手くそな私の写真を手がかりに、見事木製のカード回転什器を再現してくれたのだ。こうして、1ヶ月ごとに12箇所のカードホルダーがあって、全部で732枚のカードがきれいに収納できるのに、なんと30cm四方のスペースがあれば設置可能という、奇跡のようなオリジナルカード什器が誕生した。


完成した回転什器。手作りには見えない!

このカード什器は小売店さんでも好評で、いまや50台以上が、日本中いろいろな店舗で設置されれいる。 お店の方も、まさかこれが、回転軸のベアリングはカインズホームで購入している、100%手作りのオリジナル什器だとは思わないだろうな。


おしゃれなお店にもぴったりフィット

こうしてN君は、レタープレスレターズにとって、なくてはならない隊員たった1名の「木工隊」隊長となったのだ。 

わが木工隊隊長の活躍は什器だけではない。

製品制作の印刷で使う紙は大抵まとめて購入する。どれも大きなサイズで、しかも印刷することを考えると、平らな状態で保管しなくてはならないのでずっと収納場所がなくて困っていた。
マップケースといわれるオフィス家具を購入してもいいけれど、かっこいいデザインのものとなると5段のものでも25万円はくだらない。

そこで、木工隊長の出番となる。
なんといってもオーダーメイドだから、スタジオのサイズ、紙のサイズに合わせてぴったりな大きさの紙収納が完成した。

スタジオで働くN君
完成した紙収納

古い家具の修理も木工隊にお願いする。 ネットで購入した古い活字収納家具。
購入したとき、なぜだか半分くらい引き出しがない状態だった。 そんなとき、我が木工隊長は新しく引き出しを作ってくれる。 そもそもの家具の枠組みが古くて歪んでるので、引き出しもサイズを揃えてもきれいには入らない。そこを調整しながら制作してくれた。
なので、入れる順番を間違えると、きれいに入らないという、なかなか繊細な家具なのだ。

引き出しの取手が金属になっているのが、木工隊制作の作ってくれた引き出し。 
それ以外がもともとあった引き出し。

こちらは、活字の組版でつかうツールを収納する棚。
細かなツールをサイズ別に収納するため、細かく棚が分かれてないといけない。 こんな特殊な棚は規格品では絶対に見つからない。

パーツを切り出しでペンキを塗る。
完成品


この棚のおかげて、これまで組版するたびに「あれーサイズのあったスペースがない!!」っといって5分おきに右往左往していたのが嘘のように、サクサクと組版がすすむようになった。

家具だけじゃない。 要望があれば、内装も手がけるのが、木工隊長のすごいところだ。
カフェの2階部分の壁をきれいに塗装して。

下地塗り

位置をきめて。

棚設置
完成!

あっという間に、なにもなかった壁面にペーパーステーショナリーの展示スペースが出来上がった。

リソグラフの印刷スペースには、天井近くに棚を制作する。

制作中の木工隊長
完成!

置き場所にこまっていた、リソグラフのインクも、このとおり。

木工隊長の素晴らしいところは、木工技術だけにとどまらない。
なんと、難しい写真撮影もこなすのだ。

今年の2月、主力製品である365 Find Your Dayカードのデザインリニューアルを行った。そのため、製品カタログやオンラインショップなどで、新デザインの製品写真が必要となる。 
このカードの撮影の大変なところは、1枚だけでなく、1ヶ月分のカード30枚近くを一挙に並べて撮影しなくてはいけないことだ。 

何が大変かって? 子供のころ、神経衰弱をするためにトランプを机に並べた経験を思い出して欲しい。 きれいに並べたつもりでも、列も行もくにゃくにゃに曲がってちょっと残念だった。

それと同じで、何も印がないところに、手作業で30枚近いカードを上下左右ぴったりと、きれいに並べるのは難作業なのだ。
かといって、写真に映り込んでしまうから、バックに印を書くこともできない。さあ、どうする?
そこで木工隊長は、カッターで目印の切れ目をいれた大きな撮影台紙を作ってくれた。
こんな感じ↓

カードを並べる目印

こうして、ピチッときれいに整列した製品写真を撮ることができたのだった。

目印に合わせてカードを並べる


いざ、撮影


完成!

N君、ことわが木工隊長の文字通り八面六臂の大活躍は、これからもまだまだ続く。

本当にありがとう! 感謝です。










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