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アニメ映画『すずめの戸締まり Suzume』(英語吹替え鑑賞)

「君の名は。」の新海誠監督の2022年の映画です。

あらすじ

日本各地に扉が現れ、その扉を開くと災いがやってきていた。17歳の鈴芽(すずめ)が、扉を探していた青年とともに、「戸締まりの旅」に出発する。
災いが地震で、阪神淡路大震災や東日本大震災を意識した作品です。

予告動画

2時間のファンタジーアニメ映画で、Netflixなどで見れます。テレビの金曜ロードショーで見た人も多いと思います。

感想

英語吹替え+英語字幕で見ました。
新海誠作品らしい映画ですが、「君の名は。」や「天気の子」のような音楽とともに進む感じではなく、会話で進む作品です。

「行ってきます」と「おかえり」

この作品のメインテーマと言っても良いフレーズです。日常では、「行ってきます」と「おかえり」がセットですが、ひとたび災害が起こるとそれが崩れます。「だだいま」「おかえり」が言えなくなります。

I'll see you. (行ってきます)

英語には、行ってきますと全く同じ表現がないです。
See you soon. などが使われますが、willが入ることで、未来にまた合うことの意味も含めて訳語を選んだのだと思います。

また、日本語の「行ってきます」には、必ずしも帰って来れないケースもあります。戦時中の特攻隊や、現代でも危険な任務の「行ってきます」もあります。
こちらは、意思と別れの意図があります。

最後のシーンで、過去のすずめのいる扉を戸締まりした時の現在のすずめの「行ってきます」は、亡くなった母への「行ってきます」と過去のすずめへの「大きくなってまた会おうね」という2つの意味だと思いますが、I'll see you. だけで理解できない部分だと思います。

Welcome back.(おかえり)

日本語のおかえりのような毎日使われるものではなく、長期不在だった場合などで使われる表現です。
こちらは、最後の最後の締めで、ピッタリはまる訳語でした。作品としてしっかり腑に落ちました。

現在のすずめが、亡くなった母を探す過去のすずめに声をかけたセリフも良いのですが、書き過ぎると見た時に感じるものが少なくなってしまうので、実際に見てください。

新海誠ワールドのファンタジー作風の中で、震災を題材に扱うのは早いという意見もありますが、見てよかった作品です。

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