『可憐な恋の不作法』
全く自然にお互いの唇が吸い寄せられていった。
まだ、浴室からのシャワー音は聞こえていた。
千尋の舌がしゅるっと伸びて、カケルの口の中へと入りこんできた。
互いの身体中の体液が、口の中の粘膜を通じて混ざり合っていくような感覚だった。
彼女の体液は熱く、カケルの首元から肩へ、
胸から下腹部へと流れて行って、全身がしびれるようだった。
どのくらい、そうしていただろうか、
部屋は窓を開けていたが、初夏の暑さがあって、
二人はむき出しの腕に汗をべったりとかいて、
それすらも擦り合うよう