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【Leap in TOKYO "Overture":イタリア映画祭2023+α】開拓と追求


こんにちは。ギルドです。
2023年も4ヶ月が経ち、そろそろゴールデンウィークに突入します。

今回もゴールデンウィークに東京に行きます。この期間に開催されるイタリア映画祭、映画館で鑑賞予定の作品について簡単にまとめます。

■概要「Leap in TOKYO」

東京は個人的に思い出深い場所の一つです。
昨年は様々なイベントで東京に行く事が多いので、ちょっとしたお祭り感をつけて盛り上げて行く場所ごとに記憶を植え付ける冒険みたいなことをやっていました。

■去年やったやつ


今年は「Leap in "TOKYO"」という名目で開拓したり深堀りを目指していこうというコンセプトで行きます!

Leap in TOKYO "Overture" :2023/5/1〜2023/5/5←今回
(イタリア映画祭2023、映画館の注目作品)

Leap in TOKYO "Finale":2023/10/28〜2023/11/3(仮)
(第36回東京国際映画祭、第24回東京フィルメックス +α)

映画祭の概要、映画の概要をざっくりまとめよう、というのが今回の趣旨になります。

■イタリア映画祭2023

2001年に始まり、毎年春の恒例のイベントだったイタリア映画祭は今年で23回目を迎えます。2020年以降は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、春の開催が中止になったり、会場の変更を余儀なくされたりしました。今年は、東京会場は4年ぶりとなる有楽町朝日ホール、大阪会場は例年通りのABCホールでの2会場での開催となります。この映画祭での上映が日本初のお披露目となるフレッシュでバラエティーに富んだ14作品をご紹介します。是非お楽しみください。

https://www.asahi.com/italia/2023/

有楽町朝日ホールにて5/2〜5/7にかけて上映される映画祭です。
主に日本未公開のイタリア映画新作で構成されており、京都ドーナッツクラブの野村雅夫氏(@pondemasao)のご紹介で気になっている映画祭の一つです。

今回は4作品をチョイスしてみました。

◆遺灰は語る

1936年、ノーベル文学賞受賞作家のピランデッロが死去。
ムッソリーニは、その遺灰をローマから手放さなかった。戦後、ようやく遺灰は故郷シチリアに帰ることになるが、次々にトラブルに見舞われる…。

タヴィアーニ兄弟の弟パオロが、兄ヴィットリオ亡き後、初めて発表し、ベルリン映画祭国際批評家連盟賞に輝いた。エピローグとしてピランデッロの遺作「釘」から脚色された一編も描かれる。6/23ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館他全国順次公開。

https://www.asahi.com/italia/2023/works.html

◆キアラ

ヒロインの映画を作り続けてきたS・ニッキャレッリ監督(『ミス・マルクス』)の5作目は、女性の修道会のための独自の会則を書いた最初の修道女、聖キアラの物語。アッシジ、1211年。結婚させられそうになった18歳のキアラは家を飛び出し、貧しい人々や病気の人々を助け、神に仕えるフランチェスコの活動に加わる。カリスマ的なキアラは、自分自身のみならず、女性たちや自由という夢のために闘い始める。ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門出品。

https://www.asahi.com/italia/2023/works.html

◆旅するローマ教皇

ドキュメンタリーの名匠ジャンフランコ・ロージ監督最新作では、ローマ教皇の真の姿に迫る。2013年から9年間、37回の旅、53か国を訪れた教皇の旅の膨大な記録映像と、これまで圧倒的な映像美により世界を切り取ってきた監督による撮りおろし映像を交えながら紡いだ新たなドキュメンタリーの傑作が誕生した。貧困、紛争などさまざまな問題を抱える世界の片隅で生活する市井の人々の姿が教皇の旅を通して描き出される。2023年秋全国順次公開予定。

https://www.asahi.com/italia/2023/works.html

◆蟻の王

1960年代末、同性愛に対する差別がはびこる中、教え子の青年と恋に落ち、教唆罪で投獄された実在の詩人で劇作家アルド・ブライバンティの人生にインスパイアされた物語。裁判で偏見にさらされるアルドと、家族によって矯正施設送りとなる青年エットレ。二人の愛の行方は…。監督は名匠ジャンニ・アメリオ。「今も存在する“違う人”に対する憎悪に、立ち向かう勇気を与えたい」と制作の動機を語る、ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門出品作。2023年秋全国順次公開予定。

https://www.asahi.com/italia/2023/works.html

■映画館 注目作品

東京滞在中に映画館を巡りながら注目作品を追います。
今回は4作品をチョイスしました。

◇エルミタージュ幻想

あらすじ(仏訳)
17世紀初頭のサンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館に、他人の目には見えない映像作家が魔法にかかった。彼は、19世紀のフランス人外交官と出会う。彼らは、ロシアの激動の過去から現代に至るまで、時を超えた特別な旅の共犯者となる。
ピョートル大帝が将軍に鞭打つ姿、エカテリーナ大帝が自分の劇のリハーサル中に小走りになる姿、最後の皇帝の家族が革命の危機を知らずに静かに食事をする姿など、侯爵と映画監督は宮殿の廊下や豪華なホールを歩きながら、ツァーリ帝国の息を飲む光景を目撃する。また、1913年最後の大舞踏会では、数百人のダンサーが登場し、その様子を目撃する。

https://www.festival-cannes.com/f/russian-ark/

○個人的な見どころ

アレクサンドル・ソクーロフの「独裁者たちのとき」公開記念に特集される「歴史をみつめるソクーロフ」より。

アレクサンドル・ソクーロフはアンドレイ・タルコフスキーに高く評価され、レンフィルム映画スタジオへの推薦を受けたロシアの巨匠らしい。

これまでのフィルモグラフィーの中では「独裁者たちのとき」を鑑賞し、その世紀末な世界観の現出に度肝を抜かれたのを覚えています。

「エルミタージュ幻想」はソクーロフ作品の代表作の1つでもあり、世界遺産のエルミタージュ美術館で、第一級の美術品が陳列されたままの内部を使ってロシア近代史を表現した作品である。
また90分ワンカットの手法で描いた映画で、当時は話題になっていた作品でもある。

◇私、オルガ・ヘプナロヴァー

“ 彼女の唯一の逃げ道は、自殺か復讐か ── ”
自分が受けた苦しみと、自分が置かれた絶望の代償。

凍りついた実家を象徴する、永遠に続くかのように多くのドアが閉ざされた裸の廊下。無口で内向的な彼女は、ベッドに横たわっている。
オルガは気分が乗らないという理由だけで学校に行きたがらない。オルガはつねに不機嫌で、自分の殻に閉じこもり、本を読み日記をつけている。
13歳のときから深い鬱病に悩まされていたオルガは、精神安定剤メプロバメートを過剰摂取し、自殺を図る。
未遂に終わったオルガは、精神科の病院に入る。そこで初めて同性同士のカップリングや未成年者の喫煙に直面する。
病院でも異質な存在として見られるオルガは、シャワー室で集団リンチを受けるのだった。
退院後、オルガは家族から距離を置くようになる。誕生日の願いは家族から離れること。

煩わしい親元を離れ、一人で暮らす森の中の質素な家具しかない小屋は、彼女の孤独の象徴となる。
世間への反抗の証にとばかりに髪をボーイッシュなボブに切り、目立たないように頭を下げ、タバコを吸いながら、ガレージでのトラック運転手として働く。
職場で出会った美しいイトカに自分と同じような匂いを感じ取ったオルガは、自分の性癖を発見する。
だがイトカには別の恋人がおり、オルガとの蜜月の日々は長く続かなかった。イトカに捨てられたオルガは、孤独のどん底に突き落とされる。灰皿は吸い殻で溢れるようになり、以前にも増して自暴自棄となるのだった。

何度も母親に相談するが、結局、処方箋を無言で渡されるだけ。
精神科クリニックもオルガを突き放す。
そんな中でも、オルガに声を掛けてきた奇特な酒好きの中年男ミラと一時、心の安寧を得る。
それでも満たされることのないオルガに残るのはタバコと薬、日記や手紙を書くことだけ。
オルガの内なる怒りが時間をかけて蓄積され、とうとう最後の行動に出る…。

https://olga.crepuscule-films.com/

○個人的な見どころ

チェコの実在した女性死刑囚を題材にした作品。
犯罪映画であるもののいじめ、復讐、闘争、他者との繋がり、受け入れられる必要性について描いた実直な作品であり「悪」「悲劇」が誤解の中で生まれてしまう事への問いかける所に注目している作品です。

また、この映画の配給会社「クレプスキュール」は過去に
WANDA/ワンダ
November

を上映していて、2作品共に好きな映画だったので本作も楽しみな作品です。

◇食人族 4Kリマスター無修正完全版

(中略)
男女4人のアメリカ人ドキュメンタリー撮影隊がグリーン・インフェルノと呼ばれる南米アマゾン奥地を探索中に消息を絶った。
救助隊が結成され、現地に向かうが、未開のジャングルの奥地で食人族の村に辿りつき、無残にも白骨化した遺体を発見する。
一体、その村で何が起こったのか?捜索隊が持ち帰った撮影済フィルムを現像し上映すると、そこには想像を絶するおぞましき光景が記録されていた。

https://syokujin4k.com/

○個人的な見どころ

カニバリズムに関する映画で抜きん出る程に有名な作品でもあり、
ブレア・ウィッチ・プロジェクト
クローバーフィールド/HAKAISHA
グレイヴ・エンカウンターズ

のファウンド・フッテージの元祖とも言える作品。

イタリア映画祭と奇しくもタイミングが被った作品であり、イタリア映画ってジャッロ、ホラー、スリラーなど…暴力映画がなんだかんだ光っている作品だなーという印象です。

その暴力映画において、暴力のインフレ突破したような作品を観てみよう…という半分興味本位で、半分度胸試しで観に行く。そんな映画です。

◇EO イーオー

愁いを帯びた瞳とあふれる好奇心を持つ灰色のロバ、EO。
心優しきパフォーマー、カサンドラのパートナーとしてサーカス団で生活していたが、ある日サーカス団から連れ出されてしまう。
予期せぬ放浪の旅のさなか、善人にも悪人にも出会い、運を災いに、絶望を思わぬ幸福に変えてしまう運命の歯車に耐えている。しかし、一瞬たりとも無邪気さを失うことはない。

https://eo-movie.com/

○個人的な見どころ

ポーランド映画祭2022でも話題に上がった作品で
・第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で審査員賞を受賞
・第95回アカデミー国際長編映画賞でもポーランド作品
でノミネートされた作品である。

動物の目線で人間社会を俯瞰的に捉える作品だと
犬は歌わない」

GUNDA/グンダ
が挙げられる。

動物への愛から生まれた映画であり、人間と動物への暴力的な暗黙のルールに一石を投じた作品らしい。(参考)

今回の東京で観る作品で最も注目している作品であり、どのような展開を迎えるか?が非常に楽しみな作品です。

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