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Vol.27 RAMONES

パンクロックの導火線

70年代後半のパンクロック・ムーブメントはロックシーンの分水嶺でした。
50年代のエルビス・プレスリーによるロックンロールの創生、60年代ビートルズによるバンド革命、69年のウッドストックフェスティバルを経て70年代にはロックは多様化と複雑化の道を進んでいました。
そして77年セックス・ピストルズとクラッシュがデビュー、「ロンドン・パンク」が世界中のロックシーンに革命をもたらすことになります。
40年以上経った現代でもパンクは形を変えながらも続いていますし、その様式と美学はこの70年代UKパンクのスタイルが基本になています。

ただこのロンドンパンク(あるいはUKパンク)発生の少し前にニューヨークでもラモーンズがデビューしていて、彼らのサウンドスタイルがUKパンクという爆弾の導火線になっていました。

ロックのミニマリスト

ピストルズほどではないですが、ラモーンズもしっかりしたコンセプトを持つバンドでした。
シンプルな編成、単純明快でドライブ感のあるサウンド、3つの(ときには4つの)パワーコードだけで成り立つ2分台のショートチューン。ライダースジャケットとダメージジーンズをユニフォームとしながらもマッチョ感が全くないビジュアル。
ワンパターンとすら言えるシンプルさながら非常に完成されたスタイルであり、パンクファッションのデファクトスタンダードと言ってよいと思います。
彼らのファンの多くはすでに当時を知らない世代になっていますが、この時代を超えたクールさは不滅のようです。

ラモーンズの曲は簡単で誰でも出来るというように思われがちですが、バンドのプレイとしてまとめるのはとても難しいです。
タイム感の正確さやリズム解釈の一致など、グルーヴ感を出すためには練習(というか場数)を重ねることが必要です。
一人ひとりの演奏技術の高さというよりバンドプレイの一体感がキモなんだと思います。
そういった部分がマネのできないOne and Onlyな魅力につながっていくわけですね。

ワンツースリーフォッ!ダーン!でラモーンズワールドへ一気に突入。
文句なしにカッコいいです。

ふつうはカウントってテンポを決めるためでもあるんですが、彼らのカウントはそんなの関係ないです。

細けえこたぁいいんだよ。ピース。


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