【思考整理】参議院の存在意義
日本の参議院、存在意義が薄いと言われています。
日本の上院は解散がない、一部地域が中選挙区制てあり、全国比例と非拘束名簿方式が採用されている位で、他国の様に下院と比べなにか大きな性格上、意義上の違いがある訳ではありません。
国政政党では維新の公約に一院制や首長との兼任等の素案が書かれていますが、私は日本の上院は本当に下院のカーボンコピーでしかないと思います。議員の性質が衆議院と参議院では異なるとは思えません。
衆議院のカーボンコピーとなっている今、自民党が声高に主張する合区解消とかも含め、選出方法とその立ち位置、性格を見直したほうが良いんじゃないかと私は思っています。
●各国の例
以下、各国の例です。(議院内閣制以外も含む)
「地方の代表型」
ドイツ
上院は日本や米国、イタリアとは異なり、議員は選挙で国民から選ばれない。各州政府が人口に応じて決められた議席数の代表者を送り出す。
アメリカ
上院は地域の代表として各州から小選挙区制で2名ずつ選出。一票の格差云々は無視。予算案含め全ての法律が成立するには上下両院での可決が必要。下院の優越は無し。
「各身分の代表型」
イギリス
下院(庶民院)は国民から直接選挙。上院(貴族院)は選挙制ではなく、任命制で貴族身分から世襲制、終身制で選出。また、有識者や功労者から構成された「一代限りの貴族」も任命されている。下院の権限が大きい。
「その他」
フランス
上院議員は国民議会議員,県会議員,市町村会議員の代表者からなる選挙人団による間接選挙で選ばれる。
●私自身の提案
「地方代表型に」
参議院の性格を「地方代表型」にする。
ドイツやアメリカの様に、各都道府県から例えば絶対数として2人選出する。
衆議院は一票の格差を是正する為にも土地ではなく人口で選挙区が決まります。 これを改め、一票の格差が生まれたとしても人口では無く土地ベースに考える。
実際、ドイツやアメリカは上院の一票の格差を無視しています。国民が平等に選出する議会は下院がありますから。
わざわざ同じ性格を持った議会を2つも設けていません。
この場合、選挙制度としては小選挙区制がシンプルなのではないでしょうか。
なお、この案では憲法改正が必要という意見もwikipediaによればあるみたいです。合区解消の為の改憲を目指す自民にこの案を提案したく思います。
地方代表型にするメリットとしては、端的に言えば一極集中が加速する中、地方の声を確保するという点、それによる地方への権限移譲の推進に繋がるといった点があると思います。
※あり得ない雑な案としては、各世代の意見を反映させる為に世代ごとに同数の議席を割り振るという考え方も出来そうですね。こちらも一票の格差にこだわる必要はありません。
●一院制について
議院内閣制ではニュージーランドが一院制を採用しているみたいですが、個人的には立法権と行政権の区別が曖昧な議院内閣制では一院制は危ういんじゃないかと思いますね。与党が過半数を握ってしまえば何でも出来ます。ここらへん、どうなんでしょうか。
●上下院の権限について
いずれの改革をするにしても、参議院の選出方法が衆院と変われば変わるほど議会がねじれますから、ある程度参議院の権限の見直しも必要になるのではないかとも思います。
法案再可決の衆院2/3ルールを考えれば現在事実上、衆院の優越は予算案ぐらいなのかなと思うのですが例えばイギリスの様に予算案に関連した法律への否決は行わない等の慣行を設けたりする必要はありますね。
アメリカを除けば日本はかなり上院の権限が強いそうです。
●維新の案
議会の抜本的な改革を掲げている国政政党はおそらく維新だけでしょうか。
その維新案では地方首長との兼職が掲げていられていますが、どうなんでしょう。個人的には首長には本職に集中して貰いたく思うのですが…
少なくともそれならばフランスやドイツの様に地方議会や首長が候補に投票するのもアリだと思います。
一票の格差を考慮して「全国11ブロック大選挙区+比例代表」というのも道州制を見据えればアリだとは思いますがこれでは各州平等な訳でもなく議会の性格までは変わらないのかなと思います。全国区の議員がいますから。
●過去に散々言われてきた参院改革 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%82%E8%AD%B0%E9%99%A2%E6%94%B9%E9%9D%A9%E8%AB%96
↑過去に散々いろんな案が出されています。結局抜本的な改革はされていません。
●おわりに
法律は素人なので私も勉強が必要なのですが、皆さんは参議院制度についてどう思われますか?
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