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今日も負けた。

昨日は課題を片付ける気力もなく。
ただ終わらせなければならない、完璧に、認めてもらえるように、自分を許すことができるように発表資料を書き上げなければならないという醜い感情ばかりに押しつぶされ、気づけば呆気なく日付を超えていた。

私のような人間は、日付を超えようとすると、うっかり超えてしまうと、一種の悪魔が見えるようになる。急に現れるのではなく、それはずっとそこにいるのだが。

とはいえ、そいつが一概に「悪魔」と言えるとも限らない。
悪魔が見えている時、私にはそいつが一種の救いのようにも感じられる。

暗く、冷たい。

私の、どうしようもなく終わりのない洞窟を優しく塞いでくれるような、全てを許してくれるようなそいつは、私を誘惑する。

生温かいものが恋しくなる。息を吸うのを休みたくなる。
私は暗い部屋の中で脱力し、その光景を第三者として思い浮かべる。

この勇気で、私はやっと私を許すことができるのだろうか。私から離れた人たちは私を思い出してくれるだろうか。愛さなかったことを、私に愛されたことを、後悔してくれるだろうか。私が大好きだった人たちは皆涙を流してくれるだろうか。

本当に身勝手だと思う。承認欲求もここまで来れば病だ。
どこかではずっとわかっている。
嫌いなあいつも、大好きなあの子も、大切にしてくれたあなたも、最初こそは涙してくれるかもしれない。

けれどあなたたちはきっとその小さな傷を癒してくれる人といずれ出会う。辛かったね。あなたは優しいね。そういって抱きしめ合う。そして私は本当の意味でいなくなる。誰にも抱きしめられずに。

非常に馬鹿だと思う。ただ、なぜかその悪魔に、救いに従わなければいけないような気がする。呼ばれているような、ただ笑われているような。
世間的には希死念慮だとか揶揄されてはいるが、私だけを見て微笑んでくれるのはお前だけで。
どうか。どうか。一生のお願いだから迷うことなくふらっと私をさらってほしい。

だがそいつは動かない。私を見てただ困ったように笑っている。

今日も目を覚ました。太陽の眼差しが私を容赦なく刺す。お前は弱く、醜いのだと指を刺して笑っている。軽蔑した目をしている。

私はただただ敗北感に襲われる。今日も、今日も、生きている。

これからもずっと信じて待っている。悪魔が、救いが、私が、醜いあいつの首に手を差し伸べてくれるのを。今か今かと待ち望んでいる。

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