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世界にひとつだけの強い力:『風とロック』サンボマスター×乃木坂46!

 さいたまスーパーアリーナで行われたロックフェス、『風とロック さいしょでさいごのスーパーアリーナ』の、3/30 昼の部に参加しました。この昼の部は、乃木坂46とサンボマスターの、いわゆる『対バン』でした。


・迷い

 当初チケットを確保した時は、この時期なら推しの金川さんが復帰しているかも、という目論見だったのですが、活動復帰はしたもののバスラに続き、このライブも不参加。
 体調を最優先にして欲しいのでその判断自体には何の文句もないのですが、行くかどうかは正直、かなり迷っていました。バースデーライブ2日目に現地参戦したもののやや消化不良だったのは、金川さんの不在が響いた、という認識だったからです。

 また、サンボマスターについては詳しくなく、『世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』『できっこないをやらなくちゃ』ぐらいしか知っている曲がありません。サンボマスターの曲の乗り方も、対バンやロックフェスの作法もロクに分からない。周りのロックフェス常連、サンボマスターガチ勢に白い目で見られるのでは、なんて恐れもありました。
 ちょっとしたきっかけがあったら、行くのをやめていたと思います。結局、天気の良さや暖かさにも助けられて、足を運びました。


・会場の様子

 実際に行ってみると、乃木坂ファンが大多数。他の方のツイートを見ても、九割ぐらいは乃木坂ファンだったと思われます。私はアリーナの立ち見ゾーンでしたが、自分の周囲はもちろん、スタンド席を見渡してもサイリウムだらけ。乃木坂のライブ会場と大差無いように見えました。
 私はこの時点で、かなり安心しました。

 乃木坂46のライブパートは、『ガールズルール』で幕開け。盛り上がる曲を、と梅澤さんが語っていましたが、『キスの手裏剣』『トキトキメキメキ』のような可愛らしい期別曲もふんだんに盛り込んだ、3,4期生でのライブに相応しい、充実した曲目でした。
 私自身は、感動的なので大好きな『シンクロニシティ』『僕が手を叩く方へ』が聞けたのが嬉しかったです。
 そしてロックフェスという舞台に相応しい盛り上がりを見せる『ジャンピングジョーカーフラッシュ』『好きというのはロックだぜ!』も、相変わらず最高でした。
 好きロックでは、金川さんが不在ではありましたが、イマリアルのタオルを全力で振り回しました。

 そして、もう一つ。山下さんを直接見られる最後かも知れない機会、ということもありました(現状私は、山下さん卒コンチケットは全落選)。
 実際は距離的、背の高さ的に肉眼ではっきり認識するのは難しく、モニターが主でしたが、それでも見られて良かったと思っています。


・サンボマスター、凄ぇ!

 乃木坂パートが終わった後、サンボマスターが登場するまで、セッティングのために30分ぐらい掛かりました。立ち見だったので既に結構疲れていましたが、
「乃木坂ファンの民度はやっぱり低い」
 と言われたくないがために、じっと耐えました

 実際は、サッサと帰ってるクソもいたようですが、「最初から来るなボケ」と言いたいです。
 
 やっと始まったサンボマスターのライブパートですが、サンボマスターに対する作法、ロックフェスでの作法を知らず、どう反応したら良いかが最初は全く分からなかったのが、私を含めたほとんどの乃木坂ファンだったと思います。
 ボーカルの山口さんも「これ、ライブですよね?お通夜なのか?」などと言っていました。

 私は、近くにいたサンボマスターファン(兼乃木坂ファン)の若者の見様見真似で対応。私だけでなく、多くの人が急速に対応して行きました。
 そこはサンボマスターの真骨頂でもありました。山口さんの畳み掛ける煽りや、ドラムの木内さんのクラップ等のリードが、大きくモノを言ったと思います。
 曲としては知っている曲の方が少なかったですが、山口さんの煽りはとにかくパワフル!演奏中に発せられるため、曲の勢いも加わって、とんでもないパワーでした。

 私は最初は正直、
「対バン相手に失礼のないように、ちゃんとノリに合わせなきゃ」
 という言わば義務感で臨んでいたのですが、ライブ序盤でそんな義務感は吹き飛んで、シンプルに楽しんで、腕を振り上げ、体を揺らし、声を上げていました
 周りの人の心中までは分かりませんが、そうした人は多数いたと思います。そうでなければ、会場全体があれほど声を上げ、腕を振り回すはずがないです。

 山口さんはライブ中、「皆あったかいな、ありがとう!」といったことを言っていましたし、ツイッターでも「最高のお客さん」と言っていました。もちろんリップサービスも含まれていると思いますが、全くの嘘っぱちでもないと思います。

 サンボマスターのフェス等での場数は、恐らく物凄い数になると思います。そこにいたのは、必ずしもサンボマスターのファンばかりではなかったはず。アウェイとは言わないまでも、ホームとは到底言えない、ぐらいの雰囲気には、十二分に慣れていたことでしょう。
「伝説のライブにするぞ!」
 と叫んでいて、私の中ではベストライブではありましたが、恐らく彼らにとっては、このぐらいでは伝説のライブとは言えないでしょう。もっと凄いライブを、何度も作り上げて来ただろうと思います。
 そのぐらい、サンボマスターは凄かった。分野を問わず、長期間プロとして活動しているのは、凄い人達しかいない。そのことを、まざまざと見せつけられた気がします。


・次はミセス

 乃木坂46は5月21日に、Mrs. GREEN APPLEとの対バンライブを行うことが発表されています。この主催は乃木坂ではなく、Mrs. GREEN APPLEです。
 となると、『風とロック』のように乃木坂ファンだらけの状況には絶対になりません。
 ミセスファンの若い女性の中には、
「ただでさえチケット取れないのに、アイドルオタなんか入れてんじゃねぇよ!」
 なんてブチ切れている人もいるでしょう(偏見かもしれませんが)。

 今や誰もが認めるトップアーティストであるMrs.GREEN APPLEが、何故乃木坂46と舞台を共にしようと思ったのか。真意はもちろん分かりませんが、自分達のファンを増やそう(乃木坂ファンを取り込もう)という意図もあるのは間違いないでしょう。
 逆に、極めて高い技量を有するミセスを応援しているファン達が、乃木坂46のライブパフォーマンスにどれだけの価値を感じてくれるのかは、乃木坂ファンの私としても、万全の自身は持てません。ある程度暖かく接してくれるとは思いたいですが…

 とは言え、サンボマスターも乃木坂46もどちらも好きなファンが恐らく現場にもいたように、ミセスも乃木坂も好きなファンがいたとしても全くおかしくありません。私だって、サンボマスターよりはミセスの方が馴染みがあります。
 そして今はもう、対バン相手を下に見てふんぞり返るような奴らが長く一線を張れる時代ではありません、恐らく。
 それはファンも同じです。他グループに敬意を払えないファンだらけのグループ、アーティストは、大きな場には呼ばれなくなるはずです。もちろん、乃木坂ファンの中にもクソがいるように、ミセスのファンの中にも他に対してマウントをとる人もいるとは思いますが、あくまで少数だと思います。


・音楽の力

 終演後の私の感想ツイートに、いいねをくれたサンボマスターファンの方がいました。

 その方のツイートを振り返ると、乃木坂ファンだらけの状況にビビっていたのが、多くの乃木坂ファンが帰らずにサンボマスターのライブで盛り上がり、リスペクトに満ちた感想ツイートをしている状況に、感激している様子がうかがえました。
 私は正直、
「日本トップのロックバンド・サンボマスターのファンでも、そんな風な心配して、一喜一憂するんだ」
 と思いました。

 となれば、私のような乃木坂46ファンの小心者のオッサンが不安になるのも、無理はないでしょう。
 増して、こんなオッサンがMrs. GREEN APPLEの現場に行って良いものかどうか、という躊躇いももちろんあります。ですが、今回のサンボマスターとのステージを経験していなかったら、躊躇いすらせずスルーしていたでしょう。

 今のところ、申し込んではみるつもりです。今回のように素晴らしい経験になるかは分かりませんが、音楽の力は、世界に一つだけの強い力、と言っても過言ではないはず。そこに期待したい気持ちに、今はなっています。
 まあ、まだ当選してないんですが…

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