勇気は左の胸に:乃木坂46 33rdアンダーライブを見て②
乃木坂46 33rdアンダーライブの記事、2本目です。ライブ全体についてはこちらで。
リピート配信およびアフター配信を見届けましたので、29th以来の一人ずつの振り返りをしたいと思います。
座長の松尾さんについては1本目で書いたので、他のメンバーについてを。
・小川彩
贔屓メンバーとして挙げていた、小川彩さん。ジコチューコーナーでは歌とダンスの両面を、期待通りに見事に見せてくれました。『悲しみの忘れ方』は非常に心にしみましたし、まさか『スカウトマン』をライブで聞く機会があるとは!配信の方が細かい所までよく見えて、カッコ良さがより際立った気がします。
今まで小川さんを見て来た人なら、そのパフォーマンスの見事さはそれほど意外ではなかったはず。しかし、何となく『最年少の赤ちゃん』ぐらいのイメージだった人には、しっかりとアピール出来たのではないでしょうか。
他には、大好きな『狼に口笛を』のセンターをやってくれたことも嬉しかったです。これも配信で見た時に、飛鳥さんに凄く似ていると思いました。
そしてライブ全体での、ダンス。贔屓して注目しているから、という面も当然あったでしょうが、そのダンスの綺麗さはかなり目立っていたように思います。
素人目ながら思ったのは、今までのアンダーメンバーに多かったであろう『大きく見せる』ことを目指してはいなさそう、ということです。
技術や体のキレが追い付かなくて大きく見せることが出来ない、ということではもちろんない。激しさや勢いは制御出来る範囲に留めて、どのような形を見せるか、表現をするか、ということに集中しているような印象を受けました。
それは、小柄な体格だからこそあえてそうしているのか、元々持つダンス技術がそうさせているのか。そしてそれが、乃木坂46の一員としてパフォーマンスする上でベストの選択なのか。私には分かりませんが、目を引くものを持っていることは確かです。これからの道もきっと、楽しいことばかりではないでしょうが、時には仲間の支えを得ながら、歩んで行って欲しいです。
・中西アルノ
今更言うまでもないのですが、歌い出した瞬間の自分の世界への引き込み方が凄いです。『Actually…』を経て、「アルノの歌い出し」を期待する空気が出来上がっている気がします。
『Route246』は、最初何の曲か分からなかったですし、『Domybestじゃ意味はない』『命は美しい』の2曲とも、完全に自分の世界でした。
余談ですが、『命は美しい』では曲が始まってすぐ、私の近くの人がコールを始めましたが、誰も乗らずに自然消滅しました。アレンジが中西さんの歌を聞かせるためのものなのは明らかでしたし、何より中西さんの歌を、皆が聞きたかったのだと思います。スター誕生ライブならともかく、アンダーライブでもそれだけの空気を作れるのが凄い。
そして、のべつ幕なしに「アルノ節」で染めるわけでもなく、必要に応じて背景に回ることも出来る。これは大きな強みです。
ダンスに関してはまだ発展途上な感はありますが、それを補って余りある表情の力が、中西さんにはあります。次の選抜に入る可能性は非常に高いですし、そこでもしっかりと力を発揮してくれることでしょう。
・黒見明香
29thアンダーライブの時に黒見さんについて、歌声は強いけれど一本調子、と評したことがあります。当時は実際にその通りだったと思いますが、今回のジコチューコーナーでの歌は隔世の感があり、表現としての歌にしっかりなって来たと思いました。こうした姿を見られるのが、アンダーライブの醍醐味です。
『黒見会』が組織されたかどうかはよく分かりませんが、五期生に対する潤滑油としての役割を果たしてくれており、その存在はグループにとって大きくなって来ているのではないでしょうか。
・佐藤璃果
可愛いことは、今や特に主張するまででもない璃果さん。だからこそ本人が言うように、プロデュース企画ではカッコいい系の曲をやることが多かったのでしょう。まだ知られていない魅力を発掘する、というコンセプトになることが多いからです。
しかし今回のジコチューコーナーでは、開き直ったかのようにゴリゴリに可愛い系を2曲。人気を伸ばすために、今ある長所を更に伸ばすか、新たな長所を作る(見せる)か、は難しい問題ですが、もはやそんなことはどうでも良い、ということなのかも知れません。
可愛い系にはそれほど心が動かない私ではありますが、喜ぶ人もたくさんいたはず。変に悩むより、一芸で突き進むのも、それはそれでアリでしょう。もちろん、そんな軽い考えで決めているはずはないのですが…
・向井葉月
ダンスについて、
「以前から見てる人は、私はダンスが苦手だというイメージがあるかも知れないけど」
と自虐気味に発言していましたが、あの会場にいたファンは、今やそんなことはないと知っていたはずです。
歌に関しても、安心して聞けます。また、パフォーマンス中の表情もとても豊かで、曲や気持ちをよく表現していると思います。
このライブでもいくつかのセンターを務めていましたが、『Against』や『Under's Love』はやはり、生駒さんや和田さんと縁が深い三期生がやってこそ、ということもあったのではないかと思います。
今やアンダーライブの要とも言える存在である向井さん。今後も要の役割を果たし続けてくれることでしょう。
・阪口珠美
ジコチューコーナーの1曲目がいきなり、私の大好きな『サヨナラStay with me』。これのカッコ良さは素晴らしかったです。特に、私がいた場所に近いサブステージで披露していたので、尚更しびれました。
ダンスに関してはもう全てが極まっているとも思える阪口さんですので、ジコチューコーナーに限らずライブ全体で、それを遺憾なく発揮してくれました。
「アンダーライブに出るということは、選抜に入れなかったということだから、すごく悔しい」
とブログに綴っていた阪口さん。そうした悔しさをアンダーライブにぶつけている、という面では、佐藤楓さんと阪口さんが双璧と言えます。
あまりに選抜に拘り、熱くなり過ぎるのも、苦しみの素になりかねません。しかしもう彼女達は、思うまま(無責任に、という意味ではありません)に活動するのが許される時期を迎えています。悔いなく、というのは難しいかも知れませんが、少しでも後悔が少なくなるように、突き進んで欲しいです。
・吉田綾乃クリスティー
『17分間』がとにかく楽しそうで、本当に可愛いのが好きなんだな、と思います。歌の面での重要性はあるものの、このライブではあまり表に出ることなく、支えてくれていたと思います。実際は、舞台で忙しいという問題もあったかも知れませんが。
しかし最近のアンダーライブでは、最後のMCでの締めは吉田さんに一任、という感じで、彼女の経験と落ち着きは大きいです。まだまだ最年長として、見守ってくれると嬉しいです。
・清宮レイ
配信中での進行補助的な発言やライブ中のMC等、このアンダーライブではしっかり者としての一面が目立った清宮さん。パフォーマンスそのものは、元気いっぱいさが目立つ感じでした。
ジコチューコーナーでは、『そんなバカな…』では元気さを活かした楽しいステージになったものの、『アナスターシャ』では自身で納得が行かず、大泣きする結果となってしまいました。
私はリピート配信で初めて見たものの、ブログでは『0点の出来』と書いていましたし、猫舌で
「あれで、良かったと言われちゃうんだ…」
とも言っていました。
しかし、そこまで酷いものでは全くなかったと、『アナスターシャ』大好き人間の私が断言します。
とは言え、本人が納得が行かなかったと言うのであれば、こちらは一旦飲み込みましょう。次の機会は必ずあるでしょうから、その時を期待しています。
・冨里奈央
小川さんに次ぐ年少メンバーですが、背の高さもあってあまりそうは見られない冨里さん。その状況に対しての、自分なりの突破口を狙ったのでしょう、あざとセリフ的なことをやっていました。
私としては、長足の進歩を見せているダンスや、歌よりも力強さが際立つ喋り(アオりの勢いは素晴らしいです)なんかを活かした企画が見たかったですが、その辺りは人それぞれ。喜ぶ人もたくさんいるでしょう。
5期生曲のセンターも務め、次作での選抜入りの可能性も十分にある冨里さん。悩みつつも努力を重ねていますので、それが形として報われて欲しいと、ファンの端くれとしては思っています。
・奥田いろは
奥田さんと言えば強みは歌。弾き語りの冒頭で、一気に引き込まれました。中西さんよりも声や歌い方にクセはないですが、引き込む力は似通ったものがあります。選曲もまた良かったです。
ダンスもこれまたクセのないダンスで、これは小川さんと共通したものがあるように感じました。
パフォーマンス面では大いに光っている奥田さん。ミーグリに関しては苦戦は否めませんが、あまり気にせずにパフォーマンスを磨き続けて欲しいです。彼女の在籍中に、ミーグリ偏重の基準が変わって行く可能性もありますので(と言うより、それを見越して奥田さんに加入させたと私は勝手に思っています)。
・佐藤楓
31stでアンダーに戻って来た時から、ダンスのキレと言うかバキバキ具合が高まって来た感のある楓さん。
しかしジコチューコーナーの『釣り堀』ではしなやかなダンスも見せてくれました。分かっていたことですが、敢えてバキバキにやっているだけで、しなやかに踊れと言われれば当然出来る。積み重ねたものの大きさを実感しました。
ちなみに3日目のアンコール、珍しく『帰り道は遠回りしたくなる』をやりましたが、これは、西野七瀬さんリスペクトの楓さん選曲だったのでは、と勝手に思っています。まあそれの当否はさておき、久しぶりに聞けて嬉しかった。
工事中では間抜けな失敗を、ラジオでは素っ頓狂な発言を連発している楓さん。色々な面を見せてくれていますので、まだまだ乃木坂にいて欲しいです。
・矢久保美緒
個人的に、32ndの時からダンスの成長を感じていた矢久保さん。実際、ダンスを褒められることも増えたようです。
『醜い私』では、各期のちびっ子トリオで披露していましたが、ダンス巧者の小川さん、経験を積み上げて来た向井さんとも全くヒケをとっていなかったです。
積み上げて来た努力は嘘をつかない、のは本当ですが、その成果にスポットが当たるかは分かりません。ゆっくりした成長はどうしてもインパクトには欠けて、ミーグリ人気に反映される可能性は低くなりがちです。
8月の誕生日のブログでは、選抜への想いを改めて宣言していた矢久保さん。その姿勢はもちろん尊重しますが、頑張り過ぎには気を付けて欲しいです。
・まとめ
という訳で、大満足となった33rdアンダーライブ。次のシングルも、必ず参加(当たれば)します!
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