オンラインサロンはどのプラットフォームで運営すればいいのか


 相次ぎ立ち上がるオンラインサロン。今回の記事は運営側のものです。ちょっと縁があり、いろいろな運営用プラットフォームを調べたので備忘録的に。こちらも、サロンの性格、集まる人、コストで選ぶことが必要そうです。


■サロン運営に必要なもの 情報配信・課金

 そもそもサロン運営のプラットフォームに必要な機能はなにか。それは、情報配信と課金のシステムです。どちらもサロンを継続させるために不可欠かつ、運営側としてはなるべく手間やコストを抑えたいもの。

 特に情報配信は、サロンをサロン外に紹介すると同時に、サロン内で今何が起きているのかをメンバーに紹介するという役割もあります。

 ※この点、サロンメンバーが気軽にチャットなどで交流できるサービスを組み合わせると最強です。

 さらに課金は運営を持続的なものにするには必要です。しかも管理などの手間を抑えればそれだけ運営に費用を回せます。

 こう考えると、「もちろんフェイスブックグループ+銀行振り込み」で運営してもいいのですが、専用プラットフォームを使うと利便性は高そうです。フェイスブックグループは、過去の情報検索がしにくいという欠点もあります。

 ※キングコングの西野亮廣さんのサロン「西野亮廣エンタメ研究所」は、facebookログイン・クレジットカード決済・facebookページを組み合わせているようです。これで月額1000円(税込み)はお得かもしれません。

 これ以外にも、メルマガ配信サービス(=有料課金が可能なもの)とコミュニケーションサービス(クローズのfacebookグループ、slack)の組み合わせというのも考えられます。


■専用サービス DMMオンライン、campfireファンクラブ、note定期購読マガジン 

 以下に現在国内で利用できるオンライサロン・コミュニティ運営に便利なプラットフォームをまとめてみました。

 専用サービスを使うメリットは、

   ・プラットフォームそのものがサロンの情報をウェブサイトに載せてくれる

 ・プラットフォームのサイトに活動履歴を残せる

 ・個人情報の管理を任せられる

 ・決済手段が提供される

などがあります。

一方デメリットは、

 ・活動履歴を残すサイトが使いにくい

 ・サロンの開設費用や決済手数料がかかることがある

などです。一長一短を自分で考え、組み合わせが求められます。


◆DMMオンライン
https://lounge.dmm.com/

 ウェブサービスのDMMと、もともとコミュニティー運営サービスを手がけていたシナプスが合併したもの。自社のサロンの活動を紹介するオウンドメディア「CANARY」を持ち、うまくいけば取材がくるかも。サロンやサロン内の企画を表彰するアワードも開催しています。

 堀江貴文さんの「堀江貴文イノベーション大学校」や落合陽一さんの「落合陽一塾」など著名人がサロンを開設していることでも知られています。ユニークなところでは、テレビ朝日が、「CREATOR’S BASE」をオープンしました。

 各サロンごとに独自のページがあり、オープンイベントなど活動履歴を残すことが出来ます。

 開設費用はゼロ円。オフ会を開くときは、DMMの場所を割安で借りることができます。月額会員制で、会員料金は条件ごとに複数設定できます。サロンメンバーに、メルマガを配信したりデジタルコンテンツを販売したりすることも可能。ただし、申し込みのあと内容の審査があるので必ず解説できるわけではありません。

 手数料は非公表ですが、解説した人のブログ記事などによると2割程度とのこと。サロンの規模などによって変わるようです。


◆campfireファンクラブ
https://camp-fire.jp/fanclub


 クラウドファンディングサービスを手がける「campfire」のコミュニティ運営サービスです。もともとクラウドファンディングでは期間限定でしか支援が募集できなかったところ、継続的な活動費の支援を得られるシステムとして作られたようです。

 評論家・宇野常寛さんのサロン、「PLANETS CLUB」や編集者・箕輪厚介さんの「箕輪編集室」が利用しています。

 各プロジェクトごとにサイトがあり、主催者からのメッセージを掲載することができます。月額料金を設定するタイプで、通常のクラウドファンディングと同様、特典としてリターンを設定でき、リターンごとに価格を設定できます。開設費用や掲載更新料などはかかりません。

 ただ、手数料は集めた金額の10%です。DMMオンラインと同様、開設前に審査があります。

◆note定期購読マガジンサービス

 この記事を書いているプラットフォームサービス「note」の中でマガジン機能を使い、定期的な課金を促せるサービスです。

 具体的には、アメリカや日本の上場ネット企業を中心に、決算情報から読みとれることを書く「決算が読めるようになるマガジン」などがあります。

 直接コミュニティを作るサービスではありませんが、通常のnote同様、情報発信や書き込みができるため、コミュニティを作り上げることができます。 購読者数=会員数と考えられそう。

 もちろん独自サイトあり。マガジン設定は無料ですが、プラットフォーム利用料として売上高の20%がかかります。事務局の審査があるうえ、月1回以上のnoteの更新が求められます。


◆pixivfanbox


 イラスト投稿サイト「pixiv」が手がけるファンコミュニティ運営サイト。もともとpixivなどでイラストを発表しているクリエイターを、ファンになる事で継続的に支援できるようにするためのシステム。クローズドなイラストやテキストの発信ができるため、コミュニティ運営に使えます。

 月額料金は複数の設定が可能で、各料金ごとにリターンを決められます。2019年以降、サービス使用料を決済手数料あわせて支払総額の10%をpixiv側が受け取ります。

 特徴的なのは「fanカード」。月額課金をしている人だけがサービス上で表示できるカードで、例えばリアルの場所やイベントに来てもらったときに会員カードのように使えます。

 ※もともとは、同人誌即売会などでサポーターであることを示すために作られたようですが。

 主なQ&Aはこちら


 また、独自のプラットフォームを作りたい方は、それ用のサービス提供企業もあるみたいです。

 たとえば「OSIRO」。知人の方のいるサロン「コルクラボ」はどのシステムなのかと調べていたところ、ドメインが独自のものだったので「自社構築かな」と考えたら、コルクの佐渡島さんが参画されている「OSIRO」を見つけました。「クリエイターの世界観でオウンドプラットフォームシステム&サービスを提供する事業」とのこと。面白そうです。


2018/11/5夕方 追記

 「継続的な課金によるコミュニティ維持・運営費用の確保」というのは、「クリエイターへのパトロン支援」に非常に近いと思います。

 参照『芸術のパトロンたち』(高階 秀爾氏)。大学のときに読みましたが今の私の考え方を形成した書籍のひとつです。

 前述のpixixfanboxもそのひとつです。

 ではこれ以外に日本で使えるパトロンサービスは何があるのか。以下メモ代わりです。



追記

Appsでもファンクラブが作れるものが出てきました。BY Rinacita

その名も「chip」





 


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