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『リスクを極限まで減らし、利益を最大化する』~ポジション管理術~

執筆者:Twitter(@XXX_Trading)

ポジションを取る=リスクを背負う事

当たり前の事ですがトレードを始めるにはポジションを取らなくてはいけません。トレードにおいてポジションを取る行為はそれだけでリスクがあり、そのリスクを背負うことになります。不確定要素の大きな相場において精神的な負担上、エントリーしてポジション取った後はS/LとT/Pをセットし、ポジションの事は忘れて完全に放置したくなる人は多いのではないでしょうか?人によってはそうする事で精神衛生上、良いトレードを行えるという方もいるでしょう。

しかしポジション管理を行う事で得られる様々なメリットも存在します。それを知った上で自分の性格と照らし合わせ、あえてポジションを取った後は放置すると割り切るのと、何となくめんどくさいからという理由で特に考えずに放置するのでは全く意味が変わってきます。

なので今回はエントリー後の、ポジションとの様々な向き合い方を解説していきます。

ポジション管理って何?何故するの?

ポジション管理とは言葉のままで、エントリーした後に自分が保有する事になったポジションに気を配り、その都度値動きに最善の対応が出来るようポジション管理する事です。ポジションを取って『はい、おわり!放置!』ではないという事です。

ポジション管理するメリットを一言で言うと
  『リスクを極限まで減らし、利益を最大化出来る』です。

ポジション管理といっても一概に一言でこれ!とまとめるのは難しく様々な方法があります。種類別に解説していきます。


損切りラインを建値に動かす

これは今日から使えるほど簡単で、最もポピュラーなポジション管理術と言ってもいいと思います。そのくらい単純で簡単な方法ですが甘く見てはいけません。上手く使う事が出来れば事実上負けないトレードが可能になり 『±0のトントン』爆益の二択にポジションを持ち込むことが出来ます。負けないトレード?怪しいな。と感じた方は少し待ってください。しっかりとその意味を説明していくので安心してください。まずやり方としてはある程度ポジションに利益が乗ってきて含み益になったら損切りラインを建値に動かすだけです。建値とは簡単に言えば自分がエントリーした価格の事です。しかし注意点があります。それは、含み益になった瞬間に建値に動かすというわけではないという事です。それだとすぐに建値に値動きが戻ってきてしまいポジションが決済され機会損失になってしまいます。建値に動かすタイミングに正解は無いですが、一つの手として理にかなっているのはボラティリティを参考にする方法です。ここでは「ATR(Average True Range)」という相場のボラティリティ平均を表示するテクニカル指標を使った例を説明します。
例えばドル円の1時間足のATRが25なら、1時間の間に動くのはだいたい25pips。という事は25pips以上動く可能性は低い。じゃあ少し余裕をもって考え、建値に戻ってくる確率が低い30pipsの含み益が出たら損切りラインを建値に動かそう。と建値に動かすタイミングのシナリオを立てる事が出来ます。

こういったひと工夫をポジションに対して行うだけで、せっかく大きな含み益になっていたのに値が戻って損切りされてしまった。。。という事態を大幅に無くす事が出来ます。こういった事から、建値に損切りラインを動かす事で『±0のトントン』爆益の二択にポジションを持ち込められ、損失を抱えるリスク&受けるリスクは無くなり事実上負けないトレードを行う事が出来るという事です。

トレール

次に解説するのは、簡単にまとめると、先ほど解説した『損切りラインを建値に動かす』ポジション管理術の進化版です。
うまく使う事が出来れば『±0のトントン』か『爆益』の二択ではなく、さらに利益待遇の良い『微益』『爆益』の二択にポジションを持ち込めます。

「トレール」とは“追いかける”という意味で、相場の値動きに応じて、値動きを追いかけるように損切りライン(逆指値)を動かし、ポジションに対するリスクを軽減しながら、可能な限り利益を伸ばせる事が出来るポジション管理術です。利益が伸びている間はいくらでも伸ばすことができ、トレール幅の設定にかかるまで相場の天井や底を追い続ける事が出来ます。

また、兼業トレーダーの方や、どうしてもチャートを見れない時は、自分がチャートを見張っていなくても、相場の動きに合わせて24時間ストップを自動調整してくれるので、常に画面に張り付いている必要がありません。

注意点としては、トレール注文は基本的にボラティリティの高いトレンド相場で力を発揮し、トレンドに逆らったポジションやレンジ相場では上手く機能しないという事です。
トレール幅は狭すぎると、すぐに値動きの上振れ下振れに引っ掛かってしまい、大きなトレンドでの利益を無駄にする事になります。また広すぎるとすぐに値動きの上振れ下振れに引っ掛かる可能性は低くなりますが、その分トレンド相場で得られる利益も大幅に減ってしまいます。

ちょうど良いくらいのトレール幅はどのように決めるのが良いのでしょうか?


【ATRから算出された数値を参考に、トレール幅を設定する方法】

一つの手としてはトレールの設定値は、その相場のボラティリティに合わせるのが理にかなっていると思います。先ほども解説した相場のボラティリティ平均を表示する「ATR(Average True Range)」というテクニカル指標から算出された数値を参考にトレール幅を設定します。ATRの数値をトレール設定値の目安にすることで、今の相場の平均ボラティリティにあった設定が可能なので、トレール幅が狭すぎず、広すぎないトレール幅を決める事が出来ます。

例えばドル円の1時間足のATRが25なら、1時間の間に動くのはだいたい25pipsだから、トレンドの押し目or戻り目は大体大きくても25pip程度だろうと予測できます。そこで少し余裕を与え30pipsをトレール幅に設定し、自動でリスクを軽減しながら天井や底を追い続ける事が出来るようになります。

【手動でトレールを動かしていく方法】

手動で行う事で多少手間がかかる面がありますが、ATRよりも的確なポイントにトレールを動かす事が出来るというメリットがあります。この方法は移動平均線、一目均衡表、ボリンジャーバンド、などのインジケーターを参考にする人。ローソク足を見て自分の感覚と経験を頼りに裁量でトレールを動かす人。など人の数だけやり方があり正解は無いと思います。なので今回はこれだけが正解というわけでは決してありませんが、理にかなった方法の1つを解説します。

・SH(スイングハイ)、SL(スイングロー)を使う

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上記画像の様にSH(スイングハイ)、SL(スイングロー)にトレールの位置を動かしていく方法です。SH(スイングハイ)、SL(スイングロー)とは簡単に言えば直近の高値、安値の事です。何も難しくありません。スイングを認識する方法としては初心者の方は『Zig Zag』という自動でスイングを描画してくれるインジケーターがお勧めです。物凄く有名で主要なインジケーターなのでTrading ViewやMT4など他にも多くのチャートソフトでデフォルトで使用する事が出来ます。慣れてきたら自分でスイングを認識出来るようになり、SH(スイングハイ)、SL(スイングロー)にトレールを動かせるようになり、リスクを軽減しながら天井や底を追い続ける事が出来るようになります。


まとめ

ポジション管理は奥が深く他にも様々なやり方があります。今回記事で解説した方法は、様々な理にかなったやり方がある中での1つに過ぎませんし、正解でもありません。そして正解はネット上には落ちてないと思います。最も重要なのは学んだ事を自分の頭で吸収をするだけではなく、吸収した情報を自分で取捨選択して、自分が納得できる方法を編み出し自分なりの正解を導き出し、それを実際のトレードで使う事です。それが今回の記事で一番伝えたかった事です。少しでも読んだ人が、今後のトレードで役立つ部分があれば幸いです。



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