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自分の日常を読んでもらおうなんて あなたもわたしも恐ろしいことをしている



また同じ景色だ。

毎日珈琲ばかり飲んでいるせいか、最近は少し身体が気持ち悪い。暑さから身体の水分が不足しているのだろうか。珈琲では脱水は防げないとどこかで聞いたことがある。わたしは水をわざわざ買うことなどない。細かい味の違いなどわからないわたしは、水道水を勢いよく飲み干した。ただ、この水が簡単に蛇口から出てくること、当たり前ではない。何気無く使っている家の水に、わたしは間違いなくお金を払っているわけで、それが止まった時の生活を想像出来ないわたしの日常はやはりつまらないものだった。

自炊をそろそろまたしようかと思うが、散らかったキッチンをみて数秒でそれに挫折する。掃除をしているわけでもないのに、いつまでも綺麗なわたしの家の水回りは、どこか悲しそうな表情をしていた。
煙草に火をつける。換気扇の下でいつまでもたむろするわたしは、本当は誰かに注意されるべきだった。


冷房をつけずとも窓を開けただけで涼しい風は入ってくる。日当たりの悪い部屋がわたしはそれなりに好きだった。
その日はごはんとインスタントの味噌汁、水道水というフルコースを準備し、何も面白くないテレビを流しながらまたわたしは好きだった人のことを考えたりした。
この世とあの世を行き来していたら、わたしは水の入ったコップを手に取り損ね、それを溢す。
溢れた水を眺めたまま身体が動かなくなる。すると涙が突然止まらなくなった。傍から見たらわたしは水を溢したことに涙を流していると思われるかもしれない。ただその時は、なぜか過去の数え切れないほどの自分の人生の失敗を思い出して目が熱くなった。自分で溢したものを自分で拭き取る。自分のケツは自分で拭けとよく聞くが、わたしは大人になってからの方が誰かに拭いてもらうことの方が多くなっていると思う。


朝起きて夜寝るまでの間、変わったことなど何も起きない。高齢者が乗った車にはねられることもないし、人に拳銃で撃たれることもない。変わった経験も無ければ、変わった知識もない。人との約束もないし仕事はそれなりだ。他人に興味がないと言いつつも、いつも他人の一言一言に傷つき続けるわたしは、そろそろ人間としてどうにかならなければいけないのだと思う。




有益な消耗


変わっている。読んでいるあなたの話だ。

ここまでの文章、およそ1000字。あなたの時間をどれほど無駄にしてしまっただろう。わたしのことなど、どこの誰かも知らないのにその気力はどこに眠っていたのだろうか。わたしの文章を読んで学べること、自分で言うのも悔しいけれど何もない。SNSに溢れる情報は大抵無くても生きていけるものばかりだ。有益そうな文章ほど頭に入ってこないわたしは、もう一度黒板のある部屋に行くべきなのだろう。


わたしは毎日こうしてnoteを書いている。大体ひとつのnoteを1時間ほどかけて書く。そのあとはわたしはひたすら他の人のnoteを読み漁っている、ほとんどが無益なnoteばかりだ。誰にでも書けそうなnoteと、誰でも出来そうな経験、誰でも考えつきそうな表現、言葉。ただそんなありふれたものがわたしは好きだったりする。

傷だらけの身体に、良い薬は沁みすぎてしまうから。唾をかけるくらいで丁度いい。別にそれで傷を治そうなんて更々思っていない。
気休めでいいのだ。高望みなどしない。そう自分に言い聞かせている。




約束と賭け事


会いに行きたい人がいる。

ただ、会いに行きたい人ほどもう会うことの出来ない人だったりする。会えないことがわかっているから"会いに行きたい人"だったりするのかもしれない。そんな話もきっとあなたは聞き飽きているだろう。けれど、もし自分の会いに行きたい人がどこかに言葉を落としてくれていたら、思わず拾ってしまうものだと思う。少なくともわたしはそうだ。ずっとわたしは好きな人と文通がしたかった。手書きの文章がわたしは好きだ。このnoteも手書きでおこしてみたいとすら思う。明朝体とかゴシック体とかどうでもいい。あなたの素の部分が見れればそれで良かったのだ。


わたしはきっと会いに行きたい人に、自分の文章を読んでもらいたいのだと思う。でもそれはおおよそ叶うことはないだろう。それにそれを確かめる方法などどこにもない。それでも宝くじは買わなければ当たらないように、文章だって書かなければ誰も読むことは出来ないでしょう。夢を見させてくれるだけ、ここの場所はわたしに生きる糸口を与えてくれている。



質素、それは褒め言葉だ。

ごはんとインスタントの味噌汁でわたしは十分満足できる。むしろわたしに豪華な食事はきっと向いていない。

同じ景色しか見れなくても、感動出来る心がわたしはほしい。本質を突くのはお互いに疲れてしまうから、生きていることを確認してもらうためにわたしはまたnoteを書く。だからわたしもあなたが生きていることを確認したいからまた読みにきてほしいし、また文章を書いてほしい。言葉であなたに会いに行きたい。

やりたいこと見つかるといいね、お互いにだよ。


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また来てね。スキ…
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いちとせしをり

この文章は女の子が書いてると思ってすべて許してほしい。性と日記。言葉で会いに行く、エッセイで詩に至る。11月24日 文学フリマ東京[ト-19]【毎日更新255日目】Twitter : https://twitter.com/liegirl_1chan

コメント16件

jasmine.さん
ありがとうございます。あなたの言葉も待っていますね。
最近ちょうど、役に立たないこと、無益なことの価値について考えていました。

それを役に立たないというのは外側の世界であって、内側ではそれなしにはありえないくらいに大事なものなんだよなあ本当に。
私は昔(きっと今もまだ)役立たないとならない刷り込みが強かったからか、心に響きました。こちらにも文字でもまた会いに来ます。
原口あゆみさん
無益でもいいものを作っていきたいですね。言葉でわたしはいつも待っています。
イイね!😊
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