100粒も撒いたのにいっこうに発芽せず日々が過ぎていくばかり。最終的には2粒発芽してくれたのですが、その途中には色々不安になってしまって、やはりタネの鮮度や信頼できるところから取り寄せるのが本当に大事なんだなとひしひしと実感。次のタネをどこから買えばいいのか、なんとかマダガスカルから現地採取のタネを直接取り寄せる方法はないものか、と思案していたところで思わぬ出会いがありました。

インスタでDMを送ってくるカタコトの外国人たち

発芽の記録をアーカイブしておきたいなと思い、Instagramアカウントを取っていまして、将来どんな姿になるのかな〜といろいろなショップや趣味家さんのアカウントをフォローしていました。

そんな中でオススメで出てくる海外のアカウントや、現地の写真をアップしているっぽい方々もフォローしていたんです。そうするとだいたい

みたいな感じで「ウチの植物買わない？」とDMを送ってくれます。
なるほど〜最近はECサイトとかじゃなくてインスタで直接ワールドワイドの商売ができちゃうもんだしな〜と興味を持って、DMやりとりをしてました。

まだ発根管理とかの経験がないので、大きな現地球を買うのはリスク高すぎるし…と思っていたので、「植物本体を買う気はないんだけど、新鮮なタネがあったら買いたいよ」と返事をしていたんですよね。

ちなみに台湾、タイ、インドネシアあたりの方が多かったです。ヨーロッパとかアメリカ方面はよくわからないのですが、アジア圏は園芸が人気なんですね。塊根植物も日本・香港・台湾あたりで人気だと聞いたことがあります。

マダガスカル在住のタネを売ってくれる人を発見

だいたい「タネなら買うよ」とメッセージを送ると、その後音信不通になってしまうのですが、そんな中でタネも扱っているので売ってあげるよという親切な方がいました。

とこんな感じの画像がポンポン送られてきまして、こんなにタネあるなんて夢のよう！と舞い上がってしまいました笑

50粒55ドルだよとのこと。
この画像のタネ全部売ってもらうとしたらいくら？と冗談で聞いたのですが、1200ドルということでした。もうこの時点で相当怪しいのですがこの画像見て浮ついてしまっていたなあと、今となっては気付けるんですけどね..。

DMやりとりのあらすじ

私：日本国内で55ドルより全然安く買えるから、わざわざ海外から高く買う気はないよ

詐：じゃ、50粒25ドルでいいよ

私：(いきなり半額以下かよ、あやしすぎか笑) いや、いらないよ

(と言いつつも、けっこう欲しい気持ちが押さえきれずでした)

私：サンプルのタネを送ってくれて、発芽率とかチェックして、きちんと発芽するようならけっこう大量に買ってもいいよ

詐：サンプルのタネ、送るよ！マダガスカルに農園があるからね。タネも新鮮だよ

私：パキポディウムの農園持ってるとか、夢だわ〜

詐：うちのタネを買ってあなたの農園を初めたらいいじゃない？

私：そうするわ笑　最初にお試し30ドルだったら出すけどどう？種類はおまかせでいいんだけどグラキリスとパキプスを入れてほしい

詐：25粒ずつ入れるよ。EMS・FedEx・DHLどれにする？

私：emsがいいな

詐：OK。住所とメールアドレスと電話番号を教えて。あと支払いはアマゾンギフトカードでよろしく。5200円分、このgmail宛に送ってくれたら発送するよ

(30ドルが5200円になってるとか怪しすぎか笑　と思ってしばらく放置。この間に音声通話がガンガンかかってきてましたが無視しました。)

私：(音声通話のチェイシングがちょっと面倒になったので購入しそうな素振りを見せてみます) 国際送金の銀行振込するので口座教えてよ。アマゾンギフトカードは詐欺が多いので使わないよ。あと30ドルは3800円くらいだから、5200円とか言ってきたやつは信用できないわ

詐：3000円では銀行振込が使えないです

私：(引き続き怪しいなあ) アマゾンギフトカード以外の支払い方法はないの？

詐：アマゾンギフトカードが一番早いのでアマゾンギフトカードにしてくれないか

(ここでまた音声通話がガンガンかかってきます。私は英語を話せないのもありずっと無視)

詐：住所、メールアドレス、電話番号をお待ちしてます

(引き続き怪しいとは思っていたのですが、送金前にいくつか証拠の画像とかを送ってもらい確認できないかなと、ためしに住所等を送ってみました。海外にいるので自宅に突撃とかはされないだろうし)

私：送金前にあなたが送ってくれる種の写真を撮って送ってもらえる？あと宛先を記載した封筒の写真も。そうしたらお金払います。で、この写真が送られてきまして、アホな私はまた舞い上がってしまいました..。

詐：封筒の写真は支払いがあったら送ります。

私：いや、依頼した写真を送ってくれないなら支払えないよ

詐：発送会社が写真を送るので、私は送れないんです

私：あとグラキリスの写真もないじゃん、ついでに言うとブレビカウレも欲しいわ

詐：グラキリス・ブレビカウレ・パキプスの50粒ずつ、全部で150粒送るよ

(さらに舞い上がってしまう脳内お花畑の私)

私：いや、指定の写真を送ってくれないなら支払わないよ

詐：封筒の写真は後で必ず送ります。発送会社がその作業をやるので私は写真を送れないんです。

(ここで交渉も面倒になり、ダメ元で3000円くらいならいいかと思い始めます)

私：じゃあアマゾンギフトカード送るよ。

詐：受け取りが確認できたら30分以内に連絡します

私：種を蒔くのになにかアドバイスとかある？

詐：マニュアルをつけるので安心して

私：あなたの農園はどこにあるの？google earthとかで見てみたいんだけど

詐：Google farmは持ってません

(意味わからんので放置してしまいました。そして翌日)

詐：送料は55ドルです。支払いが確認できたら発送手続きを進めますね

(なんと30ドル送ったのにさらに55ドル送れと言われています。この後またガンガン音声通話がかかってきてます。まだここでは、は？ふざけんな？と思っているだけで、詐欺られたと気づいてませんでした笑)

私：30ドルしか払わないって最初に言ったので追加の費用は支払えないよ。

詐：55ドルは送料とPhytosanitary certificateの費用なので必要です

私：いや、もう支払う気はないよ。

詐：へい友よ、お前はタネを発送するのにPhytosanitary certificateや送料が必要ってことを知らないのか？

私：それはお前の責任だし、こちらは追加の費用は払わないよ

詐：あなたは海外から植物を輸入するルールを知らないのか？すぐに払わないと発送しないよ

私：いや送料やPhytosanitary certificateくらいは知ってるよ。けど30ドルしか払わないと最初に言ったんだからあとはお前の責任だわ

詐：55ドルは送料とPhytosanitary certificateの費用で、私の利益ではないので、これを払ってくれないと発送できないです

私：では、やはり30ドルをアマゾンギフトカードで返してくれよ。またはPhytosanitary certificateと送料はあなた持ちでやれば？

詐：すみません、55ドルはどうしても必要です。あと今発送業者に来ていて今日すぐに送金してもらえないと発送ができなくなります。ブレビカウレのタネをおまけで付けますから払ってもらえませんか？

私：おい、ブレビカウレはもともと送る約束だろ？

詐：では何がいいですか？デンシフローラムもあります。私が25ドル受け持ちますから、55ドルではなく30ドルだけ払ってもらえますか？今すぐ発送しないと発送業者が受け付けてくれないんです

(ここでまた音声通話がかかってきます。仕事中に何度もかかってくるのでイライラしてしまい、もう30ドルならいいか…と面倒になって交渉あきらめモードになりつつありました)

私：いや、やっぱり何度も支払いを要求してくるやつは信じられないわ。また明日は別の理由をつけて追加費用くれとか言うんだろ？どうやってお前を信じろと？

詐：これ以上請求することは絶対ないので安心してください。この後は発送業者がきちんと対応します。

私：わかった、じゃあ30ドル払うわ。こちらでタネを無事受け取れたら払うので先にお前が建て替えておいて

(ここで何故かまた金額が変わります)

詐：では40ドル先にあなたが払ってください。そうしたら私が発送業者に15ドル補填して発送料を支払います

(このやり取り無限に続くなあと思い、面倒になってしまって40ドル払ってしまいました。ああ…)

私：アマゾンギフトカード送ったよ、タネが届くのを楽しみにしています。あとこのタネってどれくらい新鮮なの？あと古いのが混ざっていたりするの？

詐：種は全て新鮮です

(曖昧だなあ…クオリティは期待できなさそうだな、とか思ってました。そして翌日)

詐：発送業者に持っていったんだけど、タネだけだと発送できないと言われてしまいました。何か生きている植物を入れないとダメそうです

(ここでようやく詐欺だと確信。遅かったです…。これ以降の対応はあきらめモードでやってました)

私：そうなんだ、では何か植物入れておいて

詐：なにか注文してもらわないとなりません

私：どうせまた金をせびるんだろと昨日確認したけど、もう支払いはありませんと言ったよね？

詐：これは発送業者の手続きなので私にはどうにもできないんです

私：適当にそのへんの枝でも入れておいて

詐：検疫に引っかかるのでゴミは入れられないです

私：じゃ、お金返すか一番小さい植物を入れておいてね

(追加で買う気はなかったのですが、チャンス！と勘違いされたのか画像がバンバン送られてきました)

詐：植物を買ってくれないと発送しませんよ

私：いや、もういいわ。アマゾンギフトカード送り返すか、一番小さいのを入れて送ってくれ。ちゃんと植物が入ってたら後から追加で支払うよ。

詐：もうすでに私が15ドル建て替えているので、追加で植物を買ってくれないと困ります

私：いやお前のせいだろ、関係ないわ。本当に植物入りで送られてきたら後から払ってやるよ。

詐：すみません、日本に発送するのは初めてだったので知らなかったんです。植物の代金を受け取る前に発送するのは、私のボスが許可してくれません。

私：そっちで勝手に解決してよ。こちらの責任ではないし。お金返すか品物を送るか、お前にはどちらかしか選択肢はないよ

詐：あなたは今まで植物を輸入したことあるんですか？

私：あるよ、2回くらい

詐：どこから？

私：いや、お前に関係ないだろ

詐：私のエージェンシーに見せるので、輸入したときの書類のコピーを送ってください

私：いいよ、送ってあげるけど、その前にお前が15ドル建て替えた証拠を出しなよ

詐：現金で払ったので写真とかがありません

私：建て替えてないことはわかっているし、証拠は出せないよな

詐：これが発送業者に持っていったときのパッケージです

私：すごいね、種を送るのにそんなにバカでかい箱がいるんだね

詐：私達が種を送るときはいつもこのパッケージなんです

私：あとDHLで頼んでないよね笑　詐欺師さん

詐：私が詐欺師ですか！そんな事言われて相当がっかりしました

私：箱の送り状のところを拡大して写真送ってよ

詐：空港で写真を撮ったのでもう手元にありません。

私：そうするともう発送したんだ？

詐：発送業者のところにあるのでもう私の手を離れています

私：まあもうどうでもいいや。タネも植物もいらないからお金返してね。返さないとインスタの投稿全部にあなたが詐欺師だと書くね

詐：なぜ私がお金を返さないとならないのかわかりません。あなたは追加で植物を買わなくてはならず、そうしないと発送もされません。

私：お金返すか荷物を発送するか、どちらかで対応しておいて。

詐：なぜ私がそんなことをしないとならないんですか？これ以上発送手続きは進められません。

私：言ってる意味がわからないけど詐欺師じゃないなら約束通り品物を送るかお金を返すかしないとね。

この後何度も音声通話がかかってきていましたが無視してまして、(一度出てみようかなと思ったんですが、やりとりしても意味なさそうだなと辞めました)
あとまだチャンスが有るのかと思っているらしく、たまにメッセージが来るのですが、botのように「早く品物を送って」と同じメッセージを返しています。

以上、長文になってしまいましたが、こんなしょうもないやりとりを追いかけていただきありがとうございました。

こんなアカウントに気をつけてください

思えばパキプスとグラキリスの種の写真を送られて舞い上がってしまったのが始まりで、色々と怪しいポイントがありつつも、脳内お花畑になってしまうとそういう怪しいポイントもきちんと受け止められなくなるというか、都合よく解釈してしまっていたりしますね。
また途中で交渉がめんどくさくなってしまうというのもポイントのような気がして、もうこのやり取りが延々続くなら払ってしまったほうがラクかも、というのも彼ら詐欺師たちをつけあがらせる原因のような気がしました。

その後モヤモヤとしながら彼の投稿やメッセージを見返していたのですが、いくつか詐欺を見分けるポイントがありますね。

• 支払い方法が怪しい
  →私の場合はアマゾンギフトカードでやられましたが、銀行振り込み・クレジットカード・PayPalなど、第三者を介して相手の情報が特定できたり、商品を受け取れない場合に補償が受けられる支払い方法を選んだほうが良いと思います。それ以外を指定してくるやつは全部詐欺だと思っておかないと危険です。
  

• 写真が怪しい
  →詐欺師の過去の投稿やDMで送られてきた写真を観察していたら、もう明らかにネットで拾い集めた画像なんですよね。それも舞い上がってしまうと気づけなくて。。うわーこんなにたくさんグラキリスあるんだ、いいなあとか思ってました笑
  ショップや農場を持っているというなら同じ背景の写真があるはずだし、アフリカの農場なら日本のプレステラが写っているのは変だし、鉢も用土も全部バラバラだし、写り込んでいる手が全部別の人だし、とよくよく観察してみると分かることは多いです。
  「この株を買いたいけど状態を確認したいから、今日の新聞と一緒に写真撮って送って」とかとか、なんらかその商品を現在も所持している証拠となる写真を送ってね、とお願いしてみるのは効果的かと思います
  →投稿された写真も中身が無いものが多いです。植物詳しくないからこの株のここがオススメ、とか書けないんだと思います。ハッシュタグ付けているだけとか。投稿数もそんなに多くなくて、怪しまれないように期間を空けて数10件投稿している程度。過去画像をざっと見てみると、なんとなく詐欺用にアカウント作ってるな感が透けて見えると思います。
  

• 支払いが複数回
  →彼らは最初に商品単体でお金を支払わせて、その後にあれこれ理由をつけて追加の費用を取ろうとします。スマホゲームでガチャが当たらなくてさらに課金してガチャを回してしまうとか、ギャンブルでスッてしまいあと1回やったら勝てるだろうとか、そういう「このまま止めると今までの分が損になってしまう！」という気持ちを煽って、さらにお金を出ささせる手口を取ります。見積もりを出させてみるとか、過去の取引実績とか、なにか発送を確認できる情報をもらうとか、色々交渉してみてください。出せないようなら「まあそんなこともあるかあ」とお金を払ってしまわずに、詐欺だと判断してその商品をきちんと諦める勇気が必要です。
  (こちらは欲しいと思っているから、その気持ちが正常な判断を鈍らせるんですよね。自分は絶対大丈夫だろうと思っている人ほど危険な気がします。私のように笑　アマゾンギフトカード詐欺とか誰が引っかかるんだよ、とか思ってました)
  

• 住所や氏名を確認する
  →基本彼らは捨てアカを使っているので、住所や氏名、フリーのメールアドレスを使っていないかどうか、電話番号がつながるかどうか、会社名を聞くとか、個人を特定できる情報を聞いてみてください。絶対出さないはずなので。そのあたりほじくってみるとボロを出すと思いますので、それで詐欺師判別もできるかと思います。

まとめ

私は1万円弱くらいの被害で済んだので、まあネタというか勉強代として割り切れるんですが(それでもこの長文を書いちゃうくらいには悔しい)、パキプス何10株とか高級アガベとかでこれやられちゃってる方もきっといるんですよね。キツイ。。。
この記事を見て1人でも被害にあう方が減りますように。

そうだ「で、その詐欺師はどこのどいつなの？」と気になる方いらっしゃると思うので、、、
→私が詐欺られたアカウントは@cau○ex_mini さんです。インスタ運営に詐欺報告は入れているんですが削除はされないようで、引き続きフォローを増やして活動しているようですね。お気をつけください。

※詐欺師アカウントから送られてきた画像をこちらのnoteに掲載していますが、おそらくネット上からパクってきている画像なんだと思います。元の持ち主さんがいらっしゃると思うので、この画像アップされると迷惑だよとか、これは○○さんの株の写真だよとか、ご存知の方がいらしたら画像を下げますのでコメント頂けますと幸いです。

おまけ その1

その後様子を見たくてフォローを外さないでいたのですが、詐欺師がしれっと新しい画像を投稿していたので、

こんなコメントを入れてみたところ、ブチギレDMが来ました。お前はイカれてんのか？とか、いったいいくら送ったんだ？とか、ファッ○ユーを連投してくるとか。あと今までで一番たくさん音声通話を鳴らされまくりました笑
また、「いまオレは日本人と一緒にいるぞ」「お前の同胞はウチから植物を買おうとしているぞ」「一緒にいる日本人がお前のところにカチこむぞ」とか吠えてました。脅し方が微妙ですね。その後ブロックされてしまい、追加エピソードはもらえなさそうで残念です。

またネットで植物関連の詐欺情報を調べていたところ、大変な目に合われた方がいらして

パキプス5株やられてしまったそうで、金額も大きくて…。私もさらに悔しい気持ちになってしまった。記事の最後の方に

私がやられたマダガスカルのシガンってやつも、やたらokayって使ってました！DMやりとり中に、「このいちいちokayって付けてくるのウザいなあ」とずっと思ってたんですよね。。

こんな感じです。ぜんぜんこっちはokayな気分ではないので、非常にイライラするんですよね。ひょっとしたらこいつがカメルーン詐欺師と同一人物なのか、この詐欺師たちの国特有の英語の言い回しなのか。

その後もう1人釣れましたので詐欺師予防ノウハウが増えました。ご参考までにご笑覧ください。