GOOD LIE 〜人生をかけた嘘〜

前回投稿からかなりの月日が経ちました…仕事に支配され、日本社会に埋もれ余裕を失っていました。。。

昨夜久しぶりにケーブルTVで映画を観たのですが、これがまた衝撃とともに感動するもので、自分がいかに未熟な人間であるかを、改めて思い知らされました。

自身の経験も踏まえながら、共感した部分を書いていきたいと思います。

『グッド・ライ〜いちばん優しい嘘〜』

この映画は過去に見た映画の中で一番と言っていいほど勉強になる内容でした。

アフリカにある国スーダンの内戦に巻き込まれたとある村の子供たちが、両親や兄弟、仲間を失いながらも1000km以上も離れた難民キャンプへと徒歩で辿り着き、そこからアメリカ行きへの切符を手にし、過去のトラウマや祖国と現実とのギャップに翻弄されながらも、たくましく生き抜いていく物語なのですが、最後に主人公のつく嘘が兄弟愛に満ちていて、また彼らの現実も知ることができます。

しかもこれ、実話らしいのです。。。

2年前に日本に帰国してから、『人間らしさ』というものをすっかり忘れていました。
日本にいると、良い意味でも悪い意味でも、「恵まれ過ぎている」と感じます。ただ、知らない内に失っているものも多いと感じるのも正直な感想です。

仲間を思いやり、時には感情をぶつけたり、泣いたりわらったり、何か(誰か)の為に一生懸命になったり…気づいてみれば、今やロボットのように働き、体を壊し、そしてまた働き、ただただ日々の生活の為に1日をこなしていく。感情も薄くなってきました。

そんな人も結構多いのではないでしょうか?

グッド・ライ(良い嘘)とは何か?

映画の中で主人公が、良い嘘とは何かを学ぶ場面があります。

正直な人であれば嘘に良い悪いもないと思うかも知れません。私もそんな考えを持っています。

確かに良くも悪くも『嘘』であることには変わりありません。

ただ、『嘘を真実にすることができたら』、それは嘘ではなくなるのでは?

映画の終盤で、主人公は兄に大きな嘘をつきます。

兄は難民キャンプへの道中、兵隊に殺されそうになった主人公(マメール)を助けるため、身代わりとなりました。

マメールはそのことがトラウマとなっており、17年経った後も消えることはありませんでした。そんなある日、兄が生きていることがわかり、彼をアメリカに呼ぶため再び難民キャンプへ戻り、ビザの手続きをしようとします。(この時9.11のテロ事件が原因で難民キャンプからの移民手続きは保留になってます。)結果はNO。。。ところが、マメールは兄にアメリカへのビザが降りたと嘘をつきます。

その後出国審査直前に、兄はそれが嘘だったことを知らされ、行くことはできないと言うが、マメールは、命の恩人である兄を助けたい強い思いから、自身のフリをして行けと後押しし(見た目もそっくりです)、見事アメリカへ送ることに成功します。

「嘘」が「本当」になった瞬間でした。

世界には難民キャンプで苦しい生活をしている人が何百万人といます。この嘘だって一歩間違えれば人生を棒に振り、さらなる仕打ちが訪れる可能性だってあります。

そんなリスクを背負ってまで、仲間や兄弟の為に嘘をつけるというのは、我々日本人には考えられない感覚なのかも知れませんね。
でも、人生がかかっているとしたら…ただ死を待つしかない生活だとしたら…

私達は、目の前で家族や友人、仲間が殺されたり、餓死したりする瞬間を目撃したらどうなってしまうのでしょう?

それらが日常茶飯事となる国や地域がたくさんあります。

私がフィリピンで生活をしていた時、町で足を失った子供や、餓死寸前の子供が物乞いをしているのを数多く見ました。当時私はどうするべきかわからず、現地の友人の言うとおりにして何もしないでいましたが、その後彼らはどれだけ生きれられたのかを思うと、世界はなんて不公平なんだと思ってしまいます。

日本の中でさえかなりの格差があるのに、世界レベルとなると桁違いの差が生じてしまう。『人類みな平等』とはよく言ったものです。

自分の人生は自分で切り開くのは大事ですが、そのスタートラインに立つことすらできない人が多いと考えると、自分はなんて恵まれて、またなんて弱い人間なんだと、反省しか覚えません。
こういった苦難をくぐり抜けて来た人には頭が上がりません。そして敵いません。

恵まれているからこそ、怠けてはいけない、そんなことでは必死に生きている人に申し訳ないと思わさせてくれる映画でした。

人権が守れて生活ができるってこんな素晴らしいことはないですね。だからこそ、この人生無駄に使うのは辞めようと思いました。

人間、便利な生活に慣れすぎると、堕落していく人が多いと思います。また些細なことでも苛立ちを覚えたり、ストレスを感じたり、違った意味でマイナス要素が生まれてきたりもします。

人の不幸を喜ぶ人、些細な事でクレームをつける人、混雑した電車の中で喧嘩腰になる人々、これから日本はどうなってしまうのか…

少し前、職場でパキスタン人のお客様とひょんなことから30分以上(良い意味での)議論をすることになったのですが、『日本はこんなに恵まれているのに、なぜ幸福度が低いんだ?』という言葉を聞き、ハッとさせられたのを思い出しました。高度成長期から今までに何かを失ってしまったのでしょうか…

まぁ、そんなことを考えていても仕方がないので、私はこれから、未来の可能性を信じ、また動きだしていこうと思います。

私のモットーは『有限実行』です。
たとえその時点では嘘になってしまったとしても、それが真実になるように、全力を尽くしたいと思います。(←興奮した状態で思うがままに書いてるので若干変なテンションです。ご容赦下さい。)

あ、ちなみにこの映画で話されている英語…すごく聞きやすいので英語の勉強にももってこいです!

長文お読みいただき誠にありがとうございます!

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