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あとがきと余韻

「カフェなんて別にやりたくなかった」

カフェなんて別にやりたくなかった。
コーヒーを特別好きでもなかったし、自分で飲食店の経営をするだなんてこと、
これっぽっちも考えていなかった。

大体、お店をやるってことはとっても不自由だ。
始めてしまったらおいそれとはやめられないし、ちょいと引越しなんて訳にもいかない。

そのくせちっとも儲からないし、ネットには好き放題書かれたりもする。
あーあ、なんでこんなこと始めちゃったんだろう・・・。
オープン当初はそんなことをよく考えていた。

それが今、僕は、自分はカフェをやるために生まれてきたんじゃないかと思っている。

ー「ゆっくり、いそげ」あとがきより抜粋ー


とても温かみがあり、人間性が伝わってくるような文章で書かれる本書のあとがきの冒頭。一瞬「えっ?」と思う出だしで、「それが今、僕は・・・」と続く文章を見てホッとする。

もちろん、この文章だけでなく、全体としてとても印象的なあとがきだった。端々から様々な方への感謝が伝わってくる語り口は自分が何百冊と呼んだ過去あとがきの中でも抜群だったと思う。

今、僕は、そんな余韻の中、この文章を書いている。彼のおわりは僕のはじまりを生み出した。

経歴と中身のギャップ

申し遅れたが、私(荒川)はNPO法人Giftを通じて持続可能な経済と社会を夢見る
活動家よりの思想家だと自負している。

この本を手にしたきっかけは弊社、代表小山が熱いメッセージとともに本書URLを早朝6:44に送ってきたことがきっかけである。いうまでもなく僕は爆睡していた。

朝からどんだけ仕事してんねんと内心突っ込みながら、amazonでポチッとした。

最初、タイトルと表紙のビジュアルからスローライフ的に浮世離れしたカフェオーナーが書いたほっこり、ゆるゆる系の本だと思っていたが

違った。

強調させてほしい。違うのだ。

著者は外資系コンサルティングからベンチャーキャピタルの創業期を支えた経歴を持つバリバリのゴリゴリのガッチガチのビジネス系の人だった。

先入観が先入観を塗り替えたにすぎないのだが、文章の要所要所に知的な香りが感じられる。

その上で、本書は経済的な話だけど、温度感があり、知的に新しい視点を提供しつつも実践的な豊かな本である。

ビーフシチューと本書


そんな影山さんの本をなるほどと思いながら読み進めていた。

しかし、影山さんの著書を読み終えて、最も心に残っているのは影山さんの文章「ではない」。(すいません、影山さん)

本書に掲載されていたブログ記事である。そのブログは川上さんというスタッフがクリスマス特別メニューのビーフシチューを紹介する記事である。

もう、ここだけでも読んでほしい。

ということでネトストばりに検索しまくり、ブログ記事を探し出したのでご興味ある方は読んでいただければと思う。
https://ameblo.jp/kurumed/entry-10417059864.html?frm=theme

きっとこのブログを読み終えたときにあなたは疑問に思うだろう。
「なぜこの文章が最も心に残るのか?」
「確かに温かみがあり、素晴らしいエピソードだが・・・」

実はこのエピソードには
「特定多数経済」
「身体性を伴うコミュニケーション」
「支援する関係性」など
この本のエッセンスが詰まっている。また、読むだけで「健全な負債感」を味わえるのは読みながら体験的に学ぶことができるエピソードでもある。

言い換えるとこの文章を読んだ体験の中に「特定多数経済」などのこの本の知が詰まっており、その知を言語化にしたのが本書である。

と僕は思っている。

3つの謎と1つの問

さて、本書の魅力がたっぷり伝わった。(であろうと祈りつつ)僕の方から3つの謎と1つの問を皆さんに投げかけたい。

これは弊社、NPO法人Giftが6/29に主催するイベント

〜学校では教えてくれないお金の話 vol.1〜 
「ゆっくり、いそげ」から学ぶ新しい経済の在り方

への参加を少しでも楽しめたらいいなという願いからの問いで、
いわば、私、荒川から皆様への招待状としてお送りしたい。
(宣伝ですね。)

謎1:なぜ経済・市場において贈与は難しいか?
謎2:顔が見えないのか?見たくないのか?自動販売機化する社会
謎3:その値段。高いか?安いか?

問1:私たちにとって「ゆっくり、いそぐ」とはどういうことか?

人生は壮大な謎解きだと昔何かで聞いたことがある。

僕もそう考えている。

これらの謎や問に知的好奇心を掻き立てられ、宣伝したイベントに何がそこにあるのか知りたいと思わずにいられない人が集まってくるような時間になるとしたらこの会はきっと胸おどる楽しい時間になるだろうと僕は思っている。

そのために各謎と問に対して僕なりの考えをブログにまとめて行こうと思う。6/29に一緒に知る楽しみと考える楽しみを分かち合えるあなたと出会えることを僕は楽しみにしている。

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この連載シリーズはNPO法人Giftの以下の企画に紐づいた企画です。よかったらチェックしてみてくださいね。

〜学校では教えてくれないお金の話 vol.1〜

 「ゆっくり、いそげ」から学ぶ新しい経済の在り方

【学校では教えてくれないお金の話】は全6回のシリーズとして、お金や経済に関する勉強会・講演会・読書会などを企画していきます。
【大阪開催】
日時:2019年6月29日(土)14:00~17:30
場所:フューチャーファシリテーションカフェ
   大阪市西区西本町1-8-2 902号室
   (エレベーターで8階までお進みください。その後階段で9階へ登ります)
【東京開催】
日時:2019年7月7日(日)14:00~17:30
場所:カフェスタジオmagari
東京都中野区本町6-24-5

参加費:2,000円(もし難しい方は、一度ホストまでご相談ください)
人数:12名
詳しくはこちらから
https://www.facebook.com/events/443734346359903/

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