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なぜ好きになったのか、何にグッときたのか

0.はじめに

9月14日に最終回を迎えたアニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』。
「とても面白かった。」「キャラクターとストーリーが大好き!」と、このアニメの感想を一文程度で述べることはできるけど、それはどうももったいない。
せっかくならば、もう少しちゃんと言葉にしたい。この感想文では、キャラクターをなぜ好きになったのか、ストーリーの何にグッときたのか、その2点を中心に書いていきたいと思います。

*画像はいずれも株式会社ブシロードさんの「感想文用アニメ場面写素材」からダウンロードしたものです。
*偏見も混じっています。加筆修正は繰り返したのですが、無自覚に無茶苦茶なことを言っているかもしれません。申し訳ありません。

1.キャラクターを好きになったのは

アニメのキャラクターといえば、よく喋り、言動がどこかオーバーで、短時間で観る側である私たちに強い印象を残す、そんなイメージを持っていました。「アニメの一話は本編約25分ほどらしいし、その放送時間の中でキャラクターの人となりや心の中を表現するには、それが一番良い方法なんだろう」「でも現実の人間とはちょっと違うよな」そういう風に考えていたんです。

では、『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』はどうでしょう。3話までの一挙放送をリアルタイム視聴していた時、私はこんなことを思いました。

「キャラクターが生きてる」

言葉(セリフ)は少なく、大げさな言動もない。その代わりにわずかな表情の変化やちょっとした仕草、言葉に詰まる時の声まで、細かいところが再現されている。『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』のキャラクターにはそれがありました。

MyGO!!!!!のボーカル 高松燈。
些細な表情の変化や言葉の一つ一つから、繊細さと意志を貫く強さを感じます。


Ave Mujicaのベース 八幡海鈴(画像右の人物です)。セリフは少ないですが、4話以降の立希とのやり取りから、大切な人への真心が垣間見ることができます。


それによって、『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』のキャラクターの内面は、現実の人間らしくなっていたんです。そこに3DCGで外見が立体的になったことで、キャラクター一人一人が、より生身の人間のように見えたんです。
そうなると、キャラクターを身近に感じることができ、同時に彼女たちのことをもっと知りたくなってくる。気が付けば全キャラクターのことが好きになってくる。私が『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』のキャラを好きになったのは、こういう理由があったんだな、と納得しました。

2.誰一人悪者にさせない

次は、このアニメのストーリーのどこを好きになったのかを考えていきたいと思います。『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』には、「腹黒」「したたか」と形容されるキャラクターがいました。その中でも、長崎そよと豊川祥子は、最悪ともとれるような行動をしていたと思います。
ですが、最終回まで見終えて、彼女たちに悪印象を抱いたままの人はどれほどいるでしょうか?

9話前半で過去が明らかになり、長崎そよが「周りから頼られる一方で、自分にとっての心の拠り所がない人」なのだと感じ取った人は少なくないんじゃないでしょうか。

第9話前半、CRYCHIC時代の長崎そよ。心の拠り所を見出していたからか、現在と比べてどこか陽気に見えます。


各話での会話やわずかな描写から、 豊川祥子 が 「自分一人ではどうすることもできないような状況にある」ことを ――  たとえそれが明言されていなくとも ―― 読み取った人は多いはずです。

第1話冒頭より、CRYCHIC脱退を告げるシーンの豊川祥子。第13話まで観た後だと「何かに追い詰められている」とも取れる表情をしています。

私が言いたいのは、アニメの中で最悪ともとれるような行動をとったそよと祥子でも、止むに止まれぬ事情や譲れない思いがあったことが描かれていたということです。それは他のキャラクターにも同じことが言えて、まさにキャラクターのほとんどが「迷子」だったのだと言えるのです。

ここに『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』、引いてはバンドリのアニメからずっと貫き通してきたものがあるんじゃないか、そう思いました。

『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』は、「誰が原因か、誰が悪いのか」という勧善懲悪の物語ではない、「心が挫けた後でどう立ち上がるか」「バラバラになってしまった仲間とどう向き合うのか」など、傷ついてからの立ち直り方に物語がある。だからこそ、誰か一人を悪者にしない、それぞれ抱えているものが違っていて、そこに問題が起こるのは当然で、大事なのはその後でどう立ち直るのかなんだ。

第11話で5人全員で撮った写真。別の方向を向いていたり、ブレていたり、目を閉じていたりと、立ち直った後でも完璧には足並みが揃わないところに、MyGO!!!!!らしさが出ている。


ストーリーからそういう一貫性を読み取った時、作り手の熱意を感じ取れたような気がして、『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』をもっと好きになりました。
個人的には、最終話のラストに手だけ出てきた祥子の父にさえ、「『クソ親父』に成り下がるほどの何かがあったのではないか」と思っています。

3.おわりに

キャラクターとストーリーの2つの面から、私が『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』を好きになった理由について述べてきました。
「大ガールズバンド時代」の流れが未だ止まらない世界の中で、彼女たちは確かに生きている。その生き様を描くことに真摯に向き合った作品が『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』なんだと思います。

だからこそ、この作品を大好きになれた。そしてこれからも大好きでいられる。私はそう確信しています。
長く拙い文章を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

第11話で笑顔を見せた長崎そよ。個人的に一番好きなシーンです。


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