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初華がドロリスに至るまで(『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』‘‘深読み”)

今回は、Sumimiの三角初華ちゃんがなぜAve Mujicaのメンバーになったかを深読みしたいと思います。

※タイトルの通り深読み(特に問題がないことでも、必要以上に考えすぎること)した内容になりました。
ご了承いただけますと幸いです 。



1.すでに着けられていた「仮面」

まず、初華ちゃんがSumimiの活動に限界を感じていたのではないかということに触れたいと思います。

その根拠は2つ。1つ目は「『Sumimiの初華』でいることへの違和感」です。

「クールな佇まいが人気」とありますが、劇中での言動を見れば分かる通り、本来の初華ちゃんは人懐っこく親しみやすい人物ですから「クール」とはかけ離れています
おそらく、初華ちゃんの「クール」キャラは結成当初に事務所からつけられたものではないでしょうか。相棒のまなちゃんと合わせて「天真爛漫とクール」で売れば人気が出る、そう判断してもおかしくありません。
ですがその判断は「『Sumimiの初華』という、顔と名前が同じだけの別人になれ」と初華ちゃんに強制することにつながります。

表舞台では本来の自分を出せず、常に周りが求める「クール」な「Sumimiの初華」でいなければならない。テレビや街中で見かけるのは、自分と同じ顔と名前をした「Sumimiの初華」という別人。
初華ちゃんの中で違和感がめばえ、日に日に増していったならば、耐え難いほどのストレスになったはずです。

また、この違和感は歌手活動にも影響する可能性があります。

「sumimiやAve Mujicaで、コンセプトに合わせて人が望む歌詞を書ける初華に対して、燈は素朴で赤裸々に自分を曝け出す歌詞を生み出す人です。」

上記リンク先の記事から抜粋

「コンセプトに合わせて人が望む歌詞を書ける」という才能があっても、もしコンセプトそのものに初華ちゃんが前向きになれなかったらどうでしょう。
「Sumimiの初華」でいることへの違和感が作詞に影響して、Sumimiの歌詞を書くほどに初華ちゃんの精神がすり減っていったのではないでしょうか。

「詩って伝わる気がするよね。
上手に言えないことも、言葉以上に、気持ちが。」

第10話で燈ちゃんにそう語った初華ちゃん自身には、詩でも伝えられていない気持ちがあったのではないでしょうか。


2.拠り所のない悲しみ

2つ目の根拠、それは「近くに心の拠り所がないこと」です。

この頃の初華ちゃんの周囲には、芸能関係者を含めて自分を芸能人として特別扱いする人間がほとんどだったはずです。
そんな中で、初華ちゃんの一番近くにいる、対等な立場で相談できそうな相手といえば、まなちゃんが挙げられます。同じSumimiのメンバーとして初華ちゃんの悩みをわかってあげられそうです。

しかし、Sumimiの活動を楽しんでいたまなちゃんにそれができたのでしょうか。

まな「楽しかったね〜!ライブもだけど、収録もアガるなぁ〜!ういちゃん!今日の歌、めっちゃ良かった!」
初華「ありがとう。まなちゃんとだから、歌いやすいだけ。」
まな「えへへ!褒められた!」
(まな、椅子から立ち上がる。)
まな「まな、お菓子もらってくる!あ、猫のドーナツあったよ!ういちゃんは?」
初華「あぁ、大丈夫。」
まな「え〜?後でおなか空くって!取ってきてあげる!こっそり2個ずつ!」

第4話「一生だよ!?」より

発言内容やテンションの高さから楽しんでいる様子が伝わりますし、公式サイトの紹介通り「天真爛漫」であることもわかります。

本来の自分とは違うキャラで活動する初華ちゃんに対して、まなちゃんはそこまでのギャップは見られません。おそらく、まなちゃんは初華ちゃんと違って事務所から無理なキャラ付けはされなかったのではないでしょうか。
また、番組サイドがまなちゃんの好物であるドーナツを用意していたことから「まなちゃんが現場の大人たちと良好な人間関係を築けている」と想像できます。

もしそうなら、まなちゃんは初華ちゃんと一番近い立場にありながら、メンタルの面で最も遠い位置にいることになります。初華ちゃんがまなちゃんに悩みを打ち明けたとしても、その苦しみを理解も共感もできない可能性が高いのです。

言うなれば、この頃の初華ちゃんは完全に孤立無援であり、そのことが不安やストレスに拍車をかけ、Sumimiの活動への限界を感じさせていたのではないでしょうか。

やはり初華ちゃんには祥子ちゃんが不可欠…!!!


そうなると、初華ちゃんがAve Mujicaに加入した理由がより鮮明になってきます。


3.そしてドロリスに至る

初華ちゃんがAve Mujica加入を決めた理由として、まずは「自分を偽らなくて良くなったから」を挙げたいと思います。

Ave Mujicaは「自分とは全く違うキャラクターを演じながらパフォーマンスする」というスタイルのバンドです。
顔と名前が同じ別人にならなければいけなかったSumimiと違って自分を偽る必要がなく、むしろありのままの自分でドロリスと向き合わなければなりません。
それは初華ちゃんにとって、救いになると同時に歌手という表現者としての意欲を掻き立てられるものだったのではないでしょうか。

もう一つの理由として、祥子ちゃんの存在が挙げられます。
幼馴染で、芸能界へ進む自分を勇気づけてくれた存在が、自分のそばにいてくれている、孤立無援だった初華ちゃんにとって唯一の心の拠り所ができたのです(もっとも、祥子ちゃん本人は、初華ちゃんの知っている頃とはだいぶ様子が変わってしまいましたが)。
また、祥子ちゃんは総指揮としてAve Mujicaのコンセプトを出す立場にありますから、「コンセプトに合わせて人が望む歌詞を書ける」初華ちゃんとしては、大切な人のために自分の才能を役立てられる最高のシチュエーションです。俄然やる気になったに違いありません。

舞台パートでの熱演も「祥子ちゃんが作った世界観だから」と考えれば納得です。


自分を偽らなくてよく、歌手として意欲が掻き立てられ、さらには大切な人のために才能を発揮できる、そんな好条件があまりにも揃いすぎたAve Mujicaに、初華ちゃんが加入しない理由などなかったのです。


おわりに

今回は、Sumimiの三角初華ちゃんがなぜAve Mujicaのメンバーになったかを深読みしていきました。

以前、まなちゃんを語る記事で初華ちゃんのことも語ったつもりでいましたが、

まだまだ甘かったです。

本記事を書き始めたのが2024年1月。『BanG Dream! Ave Mujica』の放送を待ちながら、まだ見ぬ作品の魅力を探していきたいと思います!

拙い文をここまで読んでくださり感謝します!
ありがとうございました!





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#バンドリアニメMyGO
#Ave Mujica

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