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すいちゃんと御柱を曳いてきた話【すいちゃんと星詠みが往くみちづれ旅行記】

青年団A「♪しん〜しゅう〜しな〜のの〜
にの〜みや〜の〜」
俺・☄️(&その他大勢)『オイ!』
青年団A「♪ため〜の〜もり〜に〜おこ〜しい〜れ」
『オイ!』
青年団A「♪え〜〜うじ〜こはん〜じょ〜だ〜〜〜」
『エンヤサー!!』
青年団A「よいてーこしょ!!」
『ヨイショ!!』
青年団A「よいてーこしょ!!」
『ヨイショ!!』
パーパッパラーッパパッパッパッパー

「ヨイショ!」『ヨイショ!』「ヨイショ!」『ヨイショ!』
☄️「待ってこれ以上は喉壊すわ。やめとく。」
俺「無理しないでもろて。そもそも7時起きで電車に飛び乗った上に、御柱まで駅から20分歩いて10㌧もある御神木を引いてる訳だから、朝よわよわの俺達は倒れて救急車の世話にならない事を第一にしよう」
☄️「GW明けに収録も入ってるしな〜…ってかそもそもこんな所に連れてきたお前のせいなんだけどなw」
俺「それにしては中々ノリノリだったんじゃない?w」
☄️「いや〜 田舎の祭り舐めてたね。正直舐めてた」
俺「全く同感だよ。白・青・赤・黄色・紫と色とりどりの法被、朝早いってのに300人は平気で居る人の量…あとラッパで音頭を取るってのは意外っていうか新鮮っていうか…」
☄️「さっきの木遣りの一番高い所、すいちゃん出せないのにあの男喉かっぴらいて地声で出しやがった…そんで男も女もガキもジジイも腹から声出してそれに応えて…すいちゃんも一瞬で血が滾っちまったよ。それでラッパに煽られちゃ…ねぇ?w」
俺「地元の人は『木遣りを聞くと血が騒ぐ』って言うけど、これは誰だってアツくなるよ!神への信仰で心をひとつにして熱を昂らせる…これこそ本当に『灼熱にて純情』やな!」
☄️「…」
「ヨイショ!」『ヨイショ!』「ヨイショ!」『ヨイショ!』「ヨイショ!」『ヨイショ!』
俺「無視しないでー!!🥺」「…まぁいいや!俺も信州信濃に生まれ育った人間として、今日はこの小野御柱を全力で楽しんで熱を魂に刻み込んでやる!ヨイショ!ヨイショ!」
☄️「ったく…しょうがねぇな!私も喉に負担かけない程度にアツくなってやるよ!ヨイショ!ヨイショ!」

「ヨイショ!」『ヨイショ!』「ヨイショ!」『ヨイショ!』………

パーパッパラーッパパッパッパッパー
先導者「お疲れ様でした!休憩です!」
☄️「疲れた〜!」
俺「おつかれ。かなり楽しんでくれてて嬉しいよ」
☄️「そりゃ行先を聞かされた時は『あーいつもの渋いのね。どうせ拒否権ないんだよね。知ってたよ』って思ったけどさ。まさかこんなにアツいイベントだとは思わなかったよ!」
俺「実は自分も人生初御柱なんだけど、初が諏訪じゃなくて小野で本当に良かったわ。向こうは人が本当に多いし見物しか出来ないんだけど、こっちは地元の人達の祭りに対する熱が直で感じられるし…何よりビニール紐をしめ縄に引っ掛ければ一緒に引けるしね!」

地元のロリショタ『♪やま〜の〜かみ〜さま〜 ど〜か〜ごぶ〜じで〜 おね〜が〜いだ〜』「オイ!」
俺「休憩中に地元の小学生も木遣りを歌うのか!やっぱ声高いな〜 そんで声の張り方が小学生じゃないって!!もうここで祭りを受け継いでいくってのは英才教育レベルの話なんだな」
☄️「声が高いからその分通ってるってのももちろんあるけど、でも確かに声凄いわ…でも一番違和感なのはショタボにこぶしが効いてる事かなw」
俺「確かにねw まぁ先生がちゃんとこぶしの出し方まで教えてるんだろうね。この環境で20年30年暮らしてるから、青年団もあれだけ凄い木遣りが歌えるんだろうなぁ……ってアレ!?」
🏴‍☠️「あ!すいちゃんと星詠みのヤベェ人!」
俺「なんで船長!?」
☄️「そうですコイツがヤベェ奴ですw」
俺「オイ」
🏴‍☠️「ってかすいちゃん達頑張って引いてくれたから小腹すいたでしょ!」
☄️「いや別に」
🏴‍☠️「…でもめっちゃ声出してたし喉くらい乾いたでしょ!!」
俺「水筒持参してきてr」
🏴‍☠️「つべこべ言わずに食えーー!!!ここでは曳いてくれた人間にはお茶とおにぎりとお菓子を振る舞ってもてなすって相場が決まってんの!!ほら食った食った!!緑茶嫌いならスポドリもあるぞ!!」
俺「あ…ありがと…」
☄️「そういやマリンはなんでここに?」
🏴‍☠️「そりゃもちろん、エクスパンデッド・オンバシラをこの身で体感するためですよ!!」
俺「あー…船長はもう東方界隈の人間になっちゃったから、諏訪の御柱行ったら即身バレしちゃうのか…」
🏴‍☠️「まぁそうゆうことですワ。それじゃマリンはこれで行くから、すいちゃん達も楽しんでね!!」
☄️「マリンありがとう〜!!…ってか無料で貰っちゃったけどいいのかな?」
俺「多分あそこから持ってきたものなんじゃないかな。御柱では沿道の家や町会が『おやすみ処』を開いて、曳いてる人に対して配ってくれるらしい。もちろん義理とか見返りみたいな気持ちは一切ナシ。しかもこの為に5年間貯金してるんだとか。凄いよねぇ…まぁ折角だし座って食べよっか!」
☄️「偉そうな人に聞いたら柱に座っていいって!」
俺「マジカヨ。じゃあ折角だし御神木に座らせてもらうか…」
☄️「めっちゃゴツゴツしてるね〜」
俺「座っても樹皮が捲れも擦れ落ちもしない…ホントご立派な柱だよ。年輪ザッと数えて50以上はあるんじゃないかな。一本の木でここまで感動したのは初めてだよ」
☄️「え!?待って!?猫ちゃんが法被着てる!!え〜かわいい〜!!撮ってきていい!?」
俺「ちゃんと許可は貰ってくるんだよ〜」

俺「…少し腹減ったし船長が持ってきたおにぎり食べるか。いただきます。」「それにしても、この町は本当に『俺達が全員で力を合わせないと祭りは成功しない』『そしてこれを受け継いでいかなければいけない』っていう熱が町中に溢れてるよ…やっぱり田舎が活気に満ちた瞬間は本当に輝くな…良きだ…良すぎる……」
☄️「はぁ〜可愛かった!なんなら拡散してくれって言われたわw」
俺「へぇ〜 そりゃ良かったじゃん。これで国民の三大義務果たせるね(線すくネタ)」
☄️「もう早速上げちゃお〜」

総代「それではそろそろ再開しますので、みなさん準備をお願いします」
☄️「マジで!?すいちゃんまだおにぎり食べてないけど!?」
俺「木遣りの時間があるから食べれるはず。それより俺達の定位置に戻ろう!動き出したら引っ掛けられないしね!」

青年団B「♪やま〜の〜かみ〜さま〜〜おね〜が〜いだ〜〜」
『オイ!』
青年団B「ちか〜らを〜あわ〜せて〜〜おね〜が〜いだ〜」
『エンヤサー!』
青年団B「よいてーこしょ!!」
『ヨイショ!』
青年団B「よいてーこしょ!!」
『ヨイショ!』
パーパッパラーッパパッパッパッパー

「ヨイショ!」『ヨイショ!』「ヨイショ!」『ヨイショ!』……

俺「…それにしても黒ドレス+法被すいちゃん可愛すぎない??青い法被に金色の文字は似合わないわけがないんだが??ねぇやひろ大先生、コレ次の新衣装で実装しない??」
☄️「してたまるか」
俺「メイドエプロン外しの黒衣装ホントにシックな場所でも似合うんだけど、やっぱ次は和風衣装欲しいな〜」
☄️「正月衣装あるやん」
俺「アレも良いんだけどさ〜 やっぱやひろ大先生のギミックモリモリのオシャレなのが欲しくなっちゃうじゃんね〜〜」
☄️「まぁ考えといてやるよ」
🚑「シュババッ!ストーップ!」
俺「あ、大空警察さん!お疲れ様です!」
🚑「ちわーっす!」
☄️「でもなんでストップ?」
🚑「いやあのね?御柱が通る神社までの道は車両通行止めにしてるんだけど、途中に踏切と国道を渡らなくちゃいけなくてさ〜 今こっちで色々調整してんのよ」
カンカンカンカン
☄️「あ、踏切鳴った」
🚑「まずは電車を先に通すッス!」
俺「運転手さん警笛鳴らしてくれるかな〜」

ガタンゴトンガタンゴトン
🚑「来た!!」
プオーーーーーン!!!
俺・☄️・🚑(全力で手を振る)
俺「3秒くらい鳴らしてくれたな…!こんな長いの初めて聞いたよ!運転手さんからの激励めちゃくちゃ嬉しいんだが!!頑張るぞ!!」

〜5分経過〜

☄️「まだ??電車もう行ったけど?」
🚑「まだ確認中ッス!も〜〜ちょッと待ってて!!」
無線(こちら〇〇、消防より小野地区にて救急搬送の要請があったと連絡あり。救急車通過を待って通行止めの体制に入るように)
🚑「こちら大空、了解」
俺「病院に行く道は国道しかないから……」
☄️「これ長くなるやつじゃん!!!」

〜さらに10分後〜

☄️「…」
俺「…」
🚑「2人はスマホで時間潰せるからいいよな〜 スバル職務中だからスマホ使えないんよ!」
俺「やっぱそれが辛いよね〜 でも話題尽きちゃったしどうしようもなくない?」
🚑「そうだけどさ!スバルの事もちょっとは考えてよ〜!!」
無線「こちら〇〇、消防より救急車通過の連絡あり。御柱本隊の進行を許可する。国道封鎖隊は準備体制に入ること。」
🚑「こちら大空、御柱の進行の許可を氏子総代に伝える、了解。」
俺「よっしゃあ!」
☄️「もうちょっと休憩したかったな〜」
🚑「お前散々スマホ弄ってたやろ!本殿まであと100m、ラストスパートだから頑張って!」
俺「アイヨ!」
☄️「頑張るか〜!」

「ヨイショ!」『ヨイショ!』「ヨイショ!」『ヨイショ!』「ヨイショ!」『ヨイショ!』

俺「見えた!本殿だ!」
パーパッパラーッパパッパッパッパー
☄️「このラッパのメロディが元気でるよね!」
俺「境内に入ってラストスパートだ!階段あるから足元気を付けて!転ばないようにね!」

総代「はいお疲れ様でした〜!紐は記念に持って帰って下さいね〜」
俺「すいちゃんお疲れ!」
☄️「お疲れ〜 記念品って言えば聞こえは良いけど、こんなただのビニール紐居るか?」
俺「いるさや!!御神木を曳くために太いしめ縄を柱に括り付けて、それをこの紐で引っ張ったんだからこれも御柱の一部!既に神様が宿った物なんだから!物置の肥やしにするだけでも御守りになるし、持って帰ろ!!」
☄️「そこまで言うなら…」
俺「あらゆる物に神様が宿って、その神様達によって俺達が生かされている。神道の一番基礎的な所は日本人なら忘れちゃいけないね」
☄️「ホントにお前高校生か?」
俺「信州と地歴公民が好きなだけの、すいちゃんと同じ18歳の高校生でーすw」

俺「建て御柱まで時間あるし屋台回ろっか」
☄️「結構屋台来てるね。クレープ屋2つは多くない?w」
俺「多分小野神社と矢彦神社で別のテキ屋を呼んでるんじゃないかな?」
☄️「確かに本殿2つあるね」
俺「塩尻側の小野神社と辰野側の矢彦神社、2柱揃って信濃国二ノ宮として両小野地区を護ってるからね。ホロライブで言ったらおかころみたいなもんよ」
🚑「じゃあ一ノ宮の諏訪大社はどうなるん?」
☄️「あ、スバル…って両手にチョコバナナとクレープってそんな祭り満喫して大丈夫なの?w」
🚑「今は昼休憩なんで大丈夫っス!折角こんなにアツいお祭りに来れたんだから楽しまないと損でしょ!!」
俺「間違いないね。諏訪大社か…名前こそ同じだけど上社と下社が2社ずつあって4社で一ノ宮だし…ねぼらぼ?」
☄️「まぁだから何って話なんだけどねw」
俺「折角考えたのに〜🥺」
🚑「それじゃこれで行くわ!建て御柱中は警備しなきゃいけないから雑談できないけど、お互い楽しもうな!それじゃ!」
☄️「ありがとう〜!」
俺「勤務頑張って〜!」
☄️「お仕事中でもお祭り楽しんでるね〜」
俺「というかよく見たら、警察だけじゃなくて消防団の人やJRの制服来た人まで!やっぱりお祭りは色んな人が集まってワイワイするのが醍醐味だけど、二ノ宮とはいえ田舎の神社にまさかこれだけ集まるとは…」
☄️「マジで想像以上にクソでかいお祭りだったね」
俺「ホントにね」
☄️「というかJRのヤツらは遊んで大丈夫なのか?」
俺「この時間になると人が疎らで、ワンマンの車内で足りるんだろうね。とはいえ本社の人間が10人近く回されてるとは思わなかったけどw というか田舎の神社に緑のJRワッペン付けた人が居るの違和感しかないんよな〜w」
☄️「私も『その服来てるなら駅に居ろよ!』って思ったわw」
俺「よし!ウチらもなんか食べよう!すいちゃん何食べる?」
☄️「私イカ焼きと焼きそば〜」
俺「その組み合わせ最高にお祭りしてんじゃん!俺はゲソ食おうかな〜」…

……
〜1時間後〜

俺「美味しかった〜」
☄️「やっぱ祭りで食う焼きそばは違うわ!」
俺「もつ既に全力で楽しんで満足&疲れが出てきてるけど…メインはこれからなんよなw」
☄️「時間的にそろそろ始まるよね?」
俺「今関係者の人達の写真撮影タイムだから、これが終わったらになるかな〜」

〜30分後〜
☄️「マジでまだ終わんねぇのかよ!!誰が乗るんだよ!!!」
俺「キレないでもろて…まぁ足痛くなってきたしそろそろ始めてほしいけれども…」
総代「大変お待たせしました!これより御柱に乗る氏子達を紹介します!」
俺「キタ━(゚∀゚)━! ついに…はじまる!!」
☄️「あれ、ヘルメットしてる人達じゃないんだね」
俺「ホントだ。メットなしであの高さまで行くの本当に肝座ってなきゃ出来ないって…イカれてやがる!!」

氏子頭領「♪え〜〜うじ〜この〜みな〜さま〜〜ちか〜らを〜あわ〜せて〜おね〜が〜いだ〜〜〜」
「よいてーこしょ!!」
『ヨイショ!!』
「よいてーこしょ!!」
『ヨイショ!!』
パーパッパラーッパパッパッパッパー
俺「すんげぇ声…600人くらいいるっていうのに、俺達の後ろにまで突き抜けてるよ…」
☄️「しかも高音でも全く音量が落ちてない…コイツ先頭なだけはあるわ」
俺「そんでもって両手で降ってるおけさが本当に美しい…氏子達の一挙手一投足に熱がこもってて惹き込まれちまう!!」

氏子B「よいてーこしょ!!」
『ヨイショ!!』
氏子B「よいてーこしょ!!」
『ヨイショ!!』
☄️「…これ上がってる?」
俺「かなりゆっくりなんだね。でも上がってはいるよ。」
☄️「何で上げてるんだ?」
俺「しめ縄の代わりにワイヤーが巻き付けられて、奥の柱の滑車に通ってるから動力は手前にあるはず。でもこっちに重機はないから…」
☄️「人力!?」
俺「よく見たらヘルメット被ってる人達が引っ張ってるわ。極力科学文明には頼らないってことか…まぁこれは神に捧げるバカ騒ぎだもんな。人間の力で成し遂げなきゃ意味がねぇか!」

ロリショタ「よいてーこしょ!!」
『ヨイショ!!』
ロリショタ「よいてーこしょ!!」
『ヨイショ!!』
俺「地元の小学生、休憩時間だけじゃなくて建て御柱でも木遣り歌って音頭取ってるんだね…」
☄️「ガキの頃から『祭りに必要不可欠な人間』って事だもんな。そりゃあれだけ凄い祭男がポンポンいる訳だ」
俺「『子供から大人までみんなが力を合わせないといけない』って言う意識があってこその熱と賑わいなんだろうね。あと青年団の人数が減らない理由もそこかも。ウチの里はもうダメだわ…(遠い目)」
☄️「というかお前が行けよ。じゃないと話にならなくない?」
俺「そりゃもちろん!実際親睦会行ってみたんだよ」
☄️「おう」
俺「30代以下しか居ないはずなのに障害にも心の病気にも全く理解が無くて笑ったよね(白目)」
☄️「Oh…」

氏子C「よいてーこしょ!!」
『ヨイショ!!』
氏子C「よいてーこしょ!!」
『ヨイショ!!』
☄️「ってかよく見たらもうこんなに上がってるの!?早くない!?」
俺「でももう30分も経ってるんだよねw 興奮と楽しさで時が経つのか遅いのか早いのか全くわからないわw」
☄️「完全に体内時計ぶっ壊れてるなw」
俺「今50°くらいか。いよいよ折り返し、声出していくぞ!!」
氏子D「よいてーこしょ!!」
『ヨイショ!!』
氏子D「よいてーこしょ!!」
『ヨイショ!!』

☄️「今気付いたんだけどさ」
俺「どした?」
☄️「手前の方にめっちゃ太い縄付いてるけどなんの為だろ?」
俺「多分御柱が90°より向こうに倒れちゃわないようにする為なんじゃないかな?めっちゃ地面に埋め込んで、直立したらピーンと張るようになるんだと思うよ。」
☄️「まぁ普通に考えりゃそうか…でもな〜」
俺「どしたの?」
☄️「この会話が伏線になりそうな気がするんだよな〜」
俺「メタいこと言わないでくれよ…w」
氏子E「よいてーこしょ!!」
『ヨイショ!!』
氏子E「よいてーこしょ!!」
『ヨイショ!!』

俺「凄いな…この高さになっても全く物怖じせずに両手でおけさを振って腹から声出してるよ…!恐怖心とか無いんか…!?」
☄️「ヤバいわコレ。最高にイカれてて最っ高にアツくなっちまうよ!!」
俺「俺ももう氏子の人達に釘付けだよ…アチィ…アツすぎるぜ!!」
氏子E「よいてーこしょ!」
『ヨイショ!!!』
氏子E「よいてーこしょ!」
『ヨイショ!!!』

氏子頭領「ヨイトーマーケ!」
他の氏子『ヨイトーマーケ!』
氏子頭領「ヨイトーマーケ!」
他の氏子『ヨイトーマーケ!』
氏子頭領「ドンドンマーケ!」
他の氏子『ドンドンマーケ!』

☄️「あれ?これってヨイトマケの唄じゃない!?」
俺「ヨイトマケ?」
☄️「美輪明宏って知ってる?」
俺「あー、あの金髪で中性的な人?」
☄️「そうそう。確かあの人の代表曲だったはず」
俺「よく知ってるね。やっぱ家族の影響?」
☄️「お父さんがこの曲が好きでさ。色々教えてもらったんだよ。」
俺「なるほどね〜」
☄️「もともとは重機の無かった時代に土木や建築の現場で歌われてたみたい。意味はそのまま『ヨイッと巻け』。なんだけど、当時の現場の労働者は重労働低賃金で差別を受けてたみたい。そんな人達に宛てて三輪さんが再編したのがバズったんだけど、すぐに差別用語認定くらって放送で流せなくなっちゃったんだってさ」
俺「この歌って差別用語なんだ…でも歌ってるって事は…」
☄️「表から消えたからこそ伝統として残していかなきゃいけないのかもね」
俺「…いや、この歌だけじゃなくて、この祭り自体が昔の建築方法を後世に伝えてるんじゃないかな。家を建てるための大黒柱を山から切り出して、人力で運んで、人力で建てる。ひとつの家族のために、地域の人間総出で。おやすみ処も元を辿れば、家を建てたい家族の人が手伝ってくれた人達に振舞ってるものなのかも。そして…当時力を合わせるために歌われたこの歌も。もしかしたら数百年前はこの光景が日本中で見られたのかもしれないね。だからこそ形を変えずに残ってるこの祭りも貴重だし、これからもあまり変えることなく続けていってもらいたいね。」

〜30分後〜

氏子頭領「よいてーこしょ!」
『ヨイショ!』
氏子頭領「よいてーこしょ!」
『ヨイショ!』
パーパッパラーッパパッパッパッパー
パチパチパチパチパチパチパチ……
パァン!!パァン!!パァン!!(花火)

俺「立たった…っぽいな。ヘルメット付けてる人が動き出したからこれで固定の作業にはいるんだろうね。」
☄️「それにしても、一番上にいたヤツ最後まで声が衰えなかったな… 1時間もあんなに声だして喉イカれるだろ普通。マジでその喉よこせよ」
俺「多分そこも継承されてる技術と努力の方法があるんだろうね。その努力量もえげつないと思うけど。というかずっと立ちっぱなしだったけど足大丈夫?」
☄️「大丈夫な訳あるか!!もう既に筋肉痛が襲ってきてるわ!!」
俺「だよね〜 駅まで少し歩かなきゃいけないし、腰かけてゆっくりしますか。小腹空いたから屋台行ってくるけどなんかいる?」
☄️「そういや広島焼きの屋台あったよね?あれ買ってきて。マヨネーズたっぷりで」
俺「俺に食わせる気無いやんソレ…じゃあ俺も遠慮なくチョコバナナ買ってこよーっと!」
☄️「いってら〜」

俺「お待たせ。はいコレ」
☄️「ありがと」
俺「割と人もまばらになったね。15時台のヤツにギリ間に合うからかな」
☄️「確かここら辺めっちゃ本数少なくなかった?」
俺「普段は2時間に1本だからコレ逃したら17時までないんだけど、この祭りの為に16:30発の臨時列車が設定されてるからそれ乗ってこうと思って。」
☄️「臨時出るんだねw」
俺「俺も最初はビックリしたけどさw 駐車場が無いってのもあるんだろうけど、やっぱりこれだけの盛り上がりを見た後なら納得だわ。行きも辰野支線とは思えないくらい乗ってたしねw」
☄️「じゃあそれまでどうする?」
俺「実は一個どうしても気になる事があってさ。それを知ってから帰りたいんよ」
☄️「何?」
俺「御柱の上に乗ってる人達ってどうやって降りてくるんだろうと思ってさ」
☄️「そりゃあ、柱の上に足場があったからそれで降りてくるんじゃないの?」
俺「俺もそう思って後ろ回ってみたらさ?地上3mくらいまでしか足場が無いんよ。脚立を掛けるにしても不安定そうだったし…」
☄️「ggった?」
俺「小野御柱どころか諏訪御柱の降り方すら出てこんかった」
☄️「じゃあ見るしか無いなぁ」

〜20分後〜

☄️「ごちそうさまでした!」
俺「すいちゃん甘い物以外の屋台メシコンプしたんじゃない?w」
☄️「神社で食う濃い味のメシはやっぱ最高だわ!田舎も捨てたもんじゃねぇなw」
俺「でしょ?」
パァン!
☄️「あ、くす玉割れた」
俺「固定できたみたいだね。垂れ幕も降りたし…多分これで氏子さん達が降りるな!」
☄️「人少なくなったしここからでも見えそうだけど?」
俺「折角なら近くで見たい!!移動しよう!!」
☄️「へいへーい」

☄️「え〜 でもホントにどうなるんだろうね。なんか準備はしてるみたいだけど…」
俺「待って??なんか上の頭領さんがめっちゃ準備してるけど??」
☄️「これってもしや…!」
俺「オイオイマジかよ…!!それはイカれてるって!!」
☄️「ピーンと張ってるぶっとい縄に…今命綱が掛かりました!!」
俺「まさかのターザンロープで降りるんかい!!!」
パーパッパラーッパパッパッパッパー
バッ!
ビューンッ!!
ズザーーーッッ!!!

俺「……」
☄️「……言葉失っちゃうね」
俺「今日イチで迫力と衝撃がヤバいんだが!!」
☄️「すいちゃんもだよ!!」
俺「柔らかい土とはいえ受け身取らなきゃヤバいってのに、命綱が繋がってるからローリングが出来ないから背中で行くしかないんか……」
☄️「おいお前、柱の方見ろ」
俺「…足場使って降りるのは合ってたねw」
☄️「まさか降りるために上に登るとは思わなかったけどな!!w」
バッ!
ビューンッ!!
ドンッ!!!
ズザー!!
☄️「うわっ!!痛そう〜!!」
俺「頭領の人はあれでも受け身に成功してたんやな…」
☄️「先頭の人、マジで完璧だったな…」

バッ!!
ビューンッ!!
ズザザザーーッッ!!!
俺「おい後頭部から行ったぞ!?!?」
☄️「大丈夫か!?」
俺「動けてる…良かったぁ…」
☄️「アイツ念の為病院行った方がいいんじゃねぇかな…?」

バッ!
ビューンッ!!
ズザーーーッッ!!!

バッ!
ビューンッ!!
ズザーーーッッ!!!

☄️「おい」
俺「……」
☄️「これ見ろお前」
俺「……」
☄️「釘付けになるのはわかるけどこっち見ろやボケ」
俺「イテテテテテテ… わかったわかった…ってもう4時かよ!?氏子さんまだ半分くらいしか降りてないんだが!?」
☄️「じゃあ次の便にする?」
俺「でも臨時気になるな〜!まぁ不思議は解決したし、ここで離脱しますか!」

〜駅までの帰り道〜
俺「すいちゃん、今日は一日お疲れ様」
☄️「お疲れ。マジで最初から最後まで興奮と衝撃がヤバすぎてトッポみたいな祭りだったわ」
俺「ブーーッ!! 御柱だけにってかww 確かに最後までチョコたっぷりだったしなwww」
☄️「なにわろてんねん!!」
俺「ヤバいwww ツボったwww 助けてwww」
☄️「OK!お望み通り一瞬で楽にしてやるぜ!🪓」
ピチューン

☄️「笑いは止まった?」
俺「ありがとう…残機がひとつ減った気がするけど」
☄️「キノセイキノセイ」
俺「でも、今日は本当に貴重な体験が出来たな。信州人として一度は御柱を見に行かなきゃとは思ってたけど、初めてを小野で体験できてマージで良かったわ!田舎の神社のお祭りだからこそ、受け継いでいく人達のアツさを全身で浴びれて…もう……」
☄️「語彙力どっか行ってんねぇ。でもすいちゃんもそんな感じだわ。久々に田舎のお祭り来たけど、私の田舎とは熱量が全然違った。そんでもってとんでもない熱を受け取った気がする!!」
俺「もうこれを発散する場所はもうひとつしかねぇな!!」
☄️「…そうだな!w」
俺「書いてnoteに投下するしかねぇ!!!」

〜小野駅到着〜
俺「行きも思ったけど、ここ本当に俺の知ってる小野駅か?前来た時とは大違いだわ」
☄️「…というか何しに来たんだよ」
俺「駅前のファミマがなぜかホロマートのアクスタ対象店舗だった」
☄️「マジでなんでなんだよ」
俺「俺が動き出した時には松本平全滅だったんだが、最後の望みを託してここに来たらあったんだよな…あの時はガチでめっちゃ嬉しかったな……結局無くしたけど」
☄️「これだからADHDは…」

俺「2人分切符買えたよ〜」
☄️「ありがと。営業時間15時までって書いてあるのにまだやってるんだねw」
俺「しかも本来なら、多分だけど平日だけじゃないかな?今日は整理券だと精算所パンクしちゃうし切符売ろうってなったんだろうね」
☄️「実際行きの時は駅員さんが階段の前に立って切符確認してたしね」
俺「この駅は簡易委託駅だから『切符が買える無人駅』って扱いなんだけど、今日は本社の人間が8人くらい居るしJRも完全に協力体制だね」
☄️「まぁ本当に凄い祭りだったし…」
俺「それに6年に一度だしね!」

接近放送(まもなく "列車が" 入ります。)

俺「『列車』だぁ…!」
☄️「普通なら『普通列車』とか『塩尻行き』とか言ったりするんだっけ?」
俺「そうそう。この臨時列車も6年に一度なんだもんな…乗り鉄楽しむぞ!」
テーテレテレテレテーテレテレテレ
☄️「来た!」
俺「ワンチャン211かと思ったけどまぁE127かw 表示は…普通…松本!?」
☄️「松本まで行くんだね〜」
俺「というかE217でワンマンじゃない松本行って結構レアなのでは?」
☄️「ホントだ。全部のドア開いた。車掌乗ってるんだね〜」

〜車内〜
ガタンゴトン
ガヤガヤ
☄️「めっちゃ乗ってるね〜」
俺「席は全部埋まってるし、立ち客で空間の半分は埋まってる…辰野支線がこんなに騒がしい事なんてあるんだってガチめにビックリするわぁ…」
☄️「ローカル線なのに学生よりジジババの方が多いんだねw なんなら乗ってる学生なんて私たち含めて3人くらい?w …というか1人浴衣に下駄の人いるし!w 楽しんでるねぇ〜w」
俺「浴衣・三次元に居ない・手帳持ち…ここに乗ってる高校生は個性派しか居ねぇなw」

俺「でも、やっぱりローカル線は地元の人間に使われてる瞬間が一番美しいな。鉄オタがどれだけ乗ってもフリーきっぷじゃ救うことは出来ないし。地元の人間の日常の中に溶け込んで、生活の一部であり続けなければ輝くことは出来ないんだって、この車内を見てると本当に感じるよ。」
「だって、今の辰野支線、最高にキラキラ輝いているんだもん!!」

構内放送(塩尻 塩尻です。お忘れ物がなさいませんよう──)
☄️「塩尻着いたね」
俺「ここで20分のバカ停が挟まるんだけどねw」
☄️「ここでも足止め喰らうのかよ!」
俺「まぁこの駅で50分停まる定期列車もあるくらいだし、多少はね? 」
☄️「色々おかしいだろ…」
俺「そんで、オチが無くなったんだけどどうする?」
☄️「そういや、お前に物申したいヤツが居るらしいぞ」
俺「え?」
🌸「おい!!なんでお祭り回なのにみこの出番がねぇんだよ!!おかしいだろ!!💢」
俺「アッ スゥーッ…」
🌸「あくたんみたいな反応しても無駄だにぇ!!何とか言いやがれ!!💢」
俺「えーっと…御柱祭にももちろん女性はいたんだけど、やっぱり雄々しい祭りだったからさ。みんなボーイッシュに映ったから、かわいいみこちは出せなかったんだよね…ごめんね?」
🌸「カッ カワイイッ…そっ、そこまで言うなら許してやらんことも無いけど…///」
☄️「チョロw」
🌸「ほしまちぃ!!💢」
☄️「でもお前御朱印貰う時に巫女さんと喋ってなかった?」
🌸「にぇ!?!?」
俺「あー…特に見どころも無かったからカットしちゃった」テヘペロ
🌸「……💢💢」
俺「じゃあちょっと電光掲示板撮ってくる!!!」
☄️「いってら〜」
🌸「待てーー!!!ボッコボコにしてやるぅーー!!!💢💢」

参考にさせていただいた資料


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