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突然のコロとのお別れ

コロに赤ちゃんが生まれた。

今回で二度目となった。

また、可愛い三匹の小さな赤ちゃんたちがコロのおっぱいを元気に吸っていた。

「可愛いなぁ~」


でも、前にも言われてる通り、家ではコロしか飼えないから、子犬たちは誰かに貰われていく運命だ。

僕も悲しいし、コロはもっと悲しいよな・・・


また、近所の人たちや通りすがりの人が「可愛いぃ~」と言って集まりだした。

子犬を触っても、コロは人を信じているのか決して怒らない。

本当に賢くて優しい。


だんだんと子犬たちも表情が出てきて可愛さも倍増してきたある日

僕は気づいてしまった。

「この一匹って、なんかドン臭いなぁ~」


小さい時の僕に似てる・・・・


顔も・・・他の二匹よりブサイクだ。

そういえば、いつも「可愛い」て抱っこされるのは他の二匹。

コロは、いつも平等に可愛がっているのに。


お母さんもお父さんもお兄ちゃんたちも

「こいつブサイクやなぁ~」と笑ってる。


何故か僕のことを言われているようで腹が立ったけど

確かに、二匹たちと比べるとドン臭くてブサイクだった。

同じコロから生まれたのに・・・きっとオス犬がブサイクだったんだ!


とうとう、子犬たちが貰われて行く日が来てしまった。

でも・・・コロの側には、いつまでも、その子犬がいた。

誰も貰い手が決まらなかった・・。


コロは、ありったけの愛情をその子犬に注いているように見えた。


学校から帰った僕やお兄ちゃんをそのまま家にいるように言ってきたお母さんは、こう僕たちに言った。

「コロを返すことにした」

え?・・驚く僕たちにお母さんは

「やっぱり家では二匹は無理だと思って・・」

コロを譲ってくれた人と相談してコロを返すことが決まったらしい。


最悪だ!!

そんなことを勝手に決めるなんて許せない!

「嫌だ」

もちろん、お兄ちゃんたちも僕に賛同した。


泣いても怒っても反抗しても口を利かなくても結果は何も変えることができなかった。


「コロが可愛くないん?」

「そんなわけない!可愛いからこそ信頼のある人に返すんよ」

向こうも快く引き受けてくれたそうだ。


だって、コロは賢いし優しいし、とても可愛いから。


でも、僕はまだ、こんなにも涙が出るんだと思うほど涙が止まらなく溢れた。


その日がやってきた。

昼間は学校があるから、お別れの日は夜にしてもらった。


「いつでもコロに会いにきてね」

僕は返事をせずにコロを抱きしめた。

心の中で、「コロ、会いにいくからな」と伝えた。


車の中のコロは、僕と子犬を見ていた。

クゥン・・と鳴いた。

「バイバイ」って言ったの?


僕は子犬を抱えてバイバイと手を振った。

残った子犬は「ジロー」と名付けられた。

ジロー!!強く生きろよ!!

つづく


負けるな!

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