23.11.09- Tinder

2023.11.09
彼氏と別れた。でも、心がスッキリとして晴れ渡っている。やっと彼に言いたかったことが全部言えて、聞きたかったことが全部聞けたからだ。

別れ話から始まった彼氏との通話は、久しぶりに本当にすごく楽しかった。くだらない掛け合いとか、お互いが何を考えてどんな気持ちでいて、それはなんでだろうって話し合ったりとか。堰を切ったように、積み重ねていた思いが言葉になって溢れ出す。

「付き合う前の関係性に戻りたい」と彼が切り出したことで別れ話になったのだけど、こんな素直に話し合える今の関係性がそうなのだとしたら、戻って正解だったなと思う。

そして、僕は「恋人」というものへの呪縛から抜け出せただろうか。少し前だったら「恋人」という関係性にいつまでも執着して、その解消を提案されたことに対する怒りや悲しみが押し寄せていた気がする。別れるということは、自分の存在が軽んじられることだと思っていたから。でも、世の中には不変なものなどなく、お互いを尊重した結果として、変わることが必要な時もあるのだと今なら分かる。

恋人関係が解消されて、友達としての新しい関係性が始まったこと、そんな風に柔軟に関係性の再構築ができる土台を自分の中に持てるようになったことが、素直に今とても嬉しい。

2023.11.22
4ヶ月以上ぶりの新規リアル。飲みに誘おうか、でも流石に当日誘うのは失礼だろうか、と考えていたら、ちょうど相手から連絡が来て飲みに行くことになった。

Tinderはノンケも使うアプリなので、マッチしたら一言目で「ゲイですか?」と確認するんだよと友達に教えてもらったが、やり取りの一言目が「ゲイですか?」ってロマンチックじゃないよなと思う。あえて開示していない相手に性的嗜好を聞くのも気が引ける。結局、相手がゲイなのか確認しないまま会うことになってしまった。

リアルの待ち合わせの、不安と期待の混じった感覚が懐かしい。同時に、友達に戻ったはずの元彼のことが頭をよぎる。「別れるってことは、好きな人が他にできてもいいんだよね?」と聞いて了承を得ているはずなのに、彼に、今日リアルをした話をすべきかどうかまだ迷っていた。

駅前で合流し、二人で居酒屋を探す。今住んでいる場所の話、出身の話、普段はどんな店で飲むのか、お酒は好きかどうか。相手がノンケなのかゲイなのかすら分からないけど、店を探すために歩いているだけで自然と会話が弾んで、今日彼と会えて良かったなと思う。

店に入り、酒もある程度飲んだタイミングで彼に「こっちの人ですか?」と聞いたら「そうですよ!」と元気に応えてくれた。Tinderだと相手に聞くタイミングが難しいと正直に話すと、彼もタイミングが分からないままに、既に2回会っている人がいるらしい。その質問が切り出せないのは優しさでもあると思うから、感覚が共有できるのが嬉しい。

店を梯子して、お互いにだいぶ酔っ払った。終電も無くなり、彼の家に向かうためにコートのポッケの中で手を繋ぎながら歩いた。すれ違う人に見られるのも全く構わない。家に着いてお風呂に入り、ベットで彼を抱きしめているうちに、翌日会う元彼のことが意識から消えていくのを感じた。

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