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ハンバーガー食べづらいでしょ?

元カレはとても優しい男であった。一度集中するとすぐにご飯を抜いてまで作業する私をいつも労ってくれた。付き合いたてのある時、繁忙期でご飯も食べずろくに寝もせず徹夜で作業する私に彼は心配して『休憩しよ!』と外食に連れ出してくれた。『何食べたい気分?』と聞かれたけど決まらなくて、助手席からいろいろなお店を見ながら何を食べるか悩んでいた。ふと彼がモスバーガーの看板を見つけた。『あ!俺モスバーガー久しく行ってないなぁ』モスバーガー好きな私はとても行きたかったので『じゃあ行こう!』と言った。けれど次の彼の言葉を聞いてサーっと嬉しさが冷めた。それがタイトルの『でも、女の子、ハンバーガー食べづらいでしょ?俺に気遣わんでええよ』
その言葉こそ彼の気遣いであるとわかっているけど、『女の子は女の子らしくハンバーガーみたいなジャンクフードを口を大きく開けて食べないし』という理想の女の子像がどこかに隠れている気がする。つーか、私は本当にモスバーガーが食べたかったし。
『あなた、ハンバーガー嫌いよね?あなたの好きなピザ買ってきたよ』は私を見て私のことを考えているゆえの気遣いだから嬉しい。
でも『ハンバーガー、女の子は食べづらいでしょ、だからサラダ買ってきたよ』は嬉しくない。
このことを友人に話すと『あんた、めんとくさい女ね、そんなんなら結婚できないわよ』と言われた。でも皆思うことじゃないのかな、?

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