2.ワーム

小学5年生頃。
とある友人宅でパソコンで遊んでいた。
当時、住んでいた地域では小学生でパソコンを持っている人は珍しく
流行っていたおもしろフラッシュ倉庫もそいつが見つけて皆に布教していた。
最初は動画をみたり、ゲームをしたりして遊んでいたが2~3時間もすれば飽きが来る。皆もそういう雰囲気で、サッカーやる?〇〇んちいってみない?みたいな話がぽつり、ぽつりと出始めていた。

「エ〇サイト見てみない?」

性に目覚め始める小学高学年、そのなかでもとりわけ目覚めていた友人Aが突然言い放ったその言葉で雰囲気ががらりと変わった。
「…えっ」
「…マジ?やばくね?」

「俺、この間とんでもないサイトみつけちゃってさ」
そういいながら手慣れた様子で検索エンジンに単語を入力していく彼。

「いやいや、サッカーやろうよ」
「親とか入ってきたらやばいじゃん」

皆が各々俺興味ありませんよ、のポーズをとっていると
画面の80%位が肌色の画像に占められたサイトにたどり着いた。

「…」
「…」

急に皆が黙り始めた。
小学生なんてそんなもんである。皆興味がないフリしながら実際は興味津々であった。今思い返してみるとそりゃそうだよなと思う。
「うわ、こうなってんだ」
「これエ〇すぎだろ…」
自然とそんな言葉が出てきていた。

そんなこんなで閲覧し始めて10分位。
友人Aが「もう我慢できない!!脱ぐわ!!」
と急にズボンを下ろし始めた。

そこにあったのは小学生の自分のイチモツとは似ても似つかない、怖いくらいデカいブツだった。
というか今の自分と比べてもはるかにデカい。
それくらい恐ろしいブツであった。

「なにこれ、ワームじゃん…」
誰かが言った。

その日からそいつのあだ名は「ワーマー(ワームの人の意)」になった。



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