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午後のロードショー「ゲーム」


公開 1997年
監督 デヴィット・フィンチャー
公開当時 マイケル・ダグラス52歳 ショーン・ペン37歳 デボラ・カーラ・アンガー31歳

孤独に暮らす投資家の男。48歳の誕生日に弟と再会した彼は、ある会社が主宰するゲームの招待状を受け取る。そして参加テストを受けた日を境に、周囲で奇妙な時間が続発。やがて命まで危険に晒されることになる。

この映画は公開当時、「ネタバレ厳禁!」「結末は絶対に教えないでください!」などの謳い文句で、見る者の期待値を煽っていたのを思い出します。
初めて鑑賞したのは午後ローだったのですが、今まで見たことの無い一風変わったサスペンス映画という印象です。
午後ローで何度も見てオチが分かっているので、今回は視点を変えてニコラスを騙す側の目線で鑑賞しました。

どんでん返し系のサスペンスなので、一度見てしまったらもう終わりという人もいるでしょうが、私はこの映画の独特の世界観が好きなので何度見ても楽しむことができます。

妻と離婚、孤独に暮らすニコラスは弟コンラッドど再開し、誕生日のプレゼントとして謎の会社CRSのゲームの招待状を受け取る。

不気味なピエロや、突然自分に向かって話しかけるテレビのニュースキャスターなどサスペンス要素満載で、これから始まる謎の「ゲーム」への期待値が上がります。

謎の美女クリスティーンの登場や、次々に起こる不可解な出来事に混乱するニコラスの心情を共感することができ、共にゲームに参加しているような気分にさせられます。
CRSの名が刻まれた鍵、謎のメッセージ、謎のアイテム…  意味不明な指令を受け取り右往左往するニコラスは、まるでサスペンス系RPGのキャラクターのようです。

ニコラスは謎の組織CRSが、自身の巨額な資産を奪うため画策しているのではと疑い始める。

謎の組織解明の糸口をつかみ、CRSの本部へと乗り込むニコラス。
そこで待っていたのは、驚くべき結末だった…

弟コンラッドを演じたショーン・ペンは、クセのある演技派俳優なのですが、私の中では彼の俳優としてのキャリアよりマドンナの元彼という印象が強いのです。
CRSとグルになってニコラスを騙すコンラッドなのですが、「兄さんも奴らの仲間なのか!」ドッキリを成功させるには結局、彼の演技力にすべてかかっていたと言っても良いですね。
ショーン・ペンぐらいの名優でないと、疑い深いニコラスを騙すのは難しかったのではないでしょうか。

デボラ・カーラ・アンガーは謎めいた美女を演じていましたが、彼女の「丁度良いくらいの美人さとセクシーさ」はリアリティがあり、ニコラスが騙されてしまうのに説得力を与えていますね。
彼女の敵か味方かわからない、油断できない危うさが映画に緊張感を与えています。

船越英一郎が「2時間ドラマの帝王」ならマイケル・ダグラスはハリウッドにおける「サスペンスの帝王」と言っても過言ではありませんね。
「危険な情事」「氷の微笑」「ダイヤルМ」など、彼のクールで苦み走ったシブいルックスや、大人の色気は緊張感のあるサスペンスにぴったりハマります。

「ファイトクラブ」や「セブン」「ドラゴンタトゥーの女」などデヴィット・フィンチャー監督の作品は独特の色彩や世界観があります。
次々と視点が変わり見る者をミスリードさせる展開は緊張感があり、監督の手腕を感じます。
ストーリーの辻褄も合っており、改めて見ると全編通して誰一人死んでいないのですね。

入り口はドロドロのサスペンス、出口は爽やかなハッピーエンド…

やはり人間、富も名誉も失い人生のどん底に落ちて初めて見えてくるものがあるということでしょうか。
壮大なドッキリを仕掛けられたニコラスは、父親の死のトラウマから解放され、家族や友人の大切さを実感する。
まさに映画の醍醐味、遊び心が詰まった大人のファンタジーと言えますね。

本編は128分の長尺なので一度じっくりノーカット版を見てみたいものです。

CRSのゲーム体験者がニコラスに語る「あなたがうらやましい。私もできる事ならもう一度体験したい」「ゲームを楽しんで」

私も「人生が一変するような素晴らしい体験ができる」ゲームを仕掛けられてみたいものですが、巨額の経費がかかるゆえ、所詮は金持ちの娯楽ですね。
ラストでCRSからコンラッドに届いた「ゲーム」の請求書の金額を見てみたいものです。

今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。

総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★★★★★
流し見許容度★
午後ロー親和性★★★★★

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