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松本山雅FC監督 名波浩氏解任について

〜はじめに〜                      11月22日松本山雅公式から正式に名波監督契約満了のお知らせがリリースされた。宮崎戦に敗れ、事実上昇格の可能性が消滅した時から今シーズン限りで退くというのを示唆していたが、改めて正式に発表され、まず自分はとても悲しい気持ちになった。正直、目に見える結果はこの1年半で残せなかった。ただし、それが全てなのか。自分はサッカー未経験者で松本山雅を本格的に見始めたのは、名波さんが就任してから。自分は名波さんの人間性、リーダーシップ能力に本当に尊敬しかなく、こんなに松本山雅というクラブにのめり込めたのも間違いなく、名波さんの存在が大きいというのは断言できる。自分は結果以上のものはないかもしれないが、それと同等のものをこのクラブに残していってくれたと思っている。


〜名波さんが山雅というクラブに残したもの〜
名波さんは2021年6月22日のトレーニングより指揮をとり始め、その週の琉球戦より、公式戦の指揮をとった。あまり、名波さんのやりたいサッカーや、戦術が浸透してない中、臨んだ一戦でここまで出場機会の少なかった山田真夏斗選手をスタメンに抜擢した。こうした若手の積極的な起用は名波さんのいいところで、しっかりとそれを結果に結びつけながら今シーズンは戦ってくれたと思っている。名波さんは今シーズンが始まる前、選手をとんでもない姿にすると言っていた。その明言通り、横山歩夢という選手を育て、J3でみるみる調子を上げ、世代別の代表まで持っていった。もちろん横山自身の努力もすざましいものだったと思うが、名波さんをなくしてここまでの選手にはなっていないと思う。そしてもう1つ鮮明に自分の頭に残っているのが、今年の最初の信州ダービー。天皇杯出場権をかけた長野県サッカー選手権大会でここまでベンチにすら入らなかったまだ高校生の田中想来選手をベンチに入れ、後半途中から起用し、その采配が見事に采当たり、 田中想来選手が天皇杯出場を手繰り寄せる一撃を決めた。その時自分はこの監督は持っている。何か他の人にはないものを感じ取っている。というのと同時に普段から1人1人の選手のことをよく見て、その時調子のいい選手が分かっているんだなと思った。この2人を筆頭に名波さんは若手を積極的に使い、しっかりと育ててくれたし、名波さん自身が言っていたが、去年は選手同士がケンカをしていたり、あまり結果が出なかった中で今年は本当にチームを1つにしてくれたなと思うし、本当に色んな意味で苦しかった山雅を選んで来てくれたのは本当に感謝してもしきれません。結果だけをみて名波さんはこのクラブに何も残せなかったという人がいるかもしれません。でも、名波さんは決してそんなことはない。クラブを再び上に向かせてくれたと思うし、選手との関係はもちろん、先ほど書いた若手の積極的な起用、リーダーシップ、そして何よりも人間性が素晴らしく、試合が終わると必ずと言っていいほど、相手チームの選手が名波さんのところにやってきて言葉を交わすシーンを何回も見たし、本当にたくさんの人に尊敬されているなと思ったし、自分もその1人だと自負しています。


〜名波さんの人間性〜
先ほども少し書いたが、名波さんは本当に素晴らしい人間性を持っている。この1年半を見て本当に強くそう思った。今シーズン限りで引退を発表した田中隼磨選手をチームがどんな状況でも必ず最後の試合は出すと2人で話していたそうだし、大野裕哉選手が今シーズン限りで山雅を離れるというのを知ってかは分からないが、最後の試合でキャプテンを任せ、2人に花道を作ってあげるという粋な計らいをしたというのが1つ。それと山雅を離れるのが決まった時のコメントの中でチームバモスの方々の名前を出し、クラブに携わったすべての方々にお礼を言っていて、なかなかチームバモスの名前をちゃんと出してくれる監督はいないなという印象を受け、そういうところにも名波さんの人間性は出ているなと感じた。


〜名波さんが目指したサッカー〜
名波さんは就任当初から「前選択」「中締め」や「少ない人数で少ないパスで完結させるサッカー」、「縦に速いサッカー」を目指すと言った。その公言通り、後ろからつなぐというより、ロングボールを裏に蹴ってそこからの展開というサッカーを多く見受けた。最終的に結果はついて来なかったものの、とても効率のいいサッカーをやっているなという印象を受けた。


〜名波さんとクラブの差異〜
契約満了の発表の翌日の新聞にこんなことが書いてあった。J3降格が決まった昨年のシーズンオフに名波さんは数人の選手の残留をクラブに求め、全体を30人弱のコンパクトな集団になるように求めたが、結果、契約などの関係もあり、36人という大所帯でスタートすることになってしまったというのが1つ。そして、今年の夏に移籍した前選手が移籍をするというのを知ったのは正式発表の直前だったという。これはほんの一部の抜粋で新間の記事を読むとクラブのやりたいことと、名波さんのやりたいことが全く噛み合わず、結果名波さんのサッカーができなかったのかなと強く思った。こんなことを続けているクラブなんて、応援する気も失せるし、どの監督が来ても結局噛み合わずに解任というオチがもう用意させている気がしてならない。とにかく山雅を本当に強くしたいなら、クラブ、フロント、社長、いずれかがそれなりの責任をとる。そしてクラブの体制を一新させて全力で山雅を強くさせるという、誠意と説明をサポーターに見せて欲しい。切ににそう思う。


〜まとめ〜
まだ現時点では誰が監督になるのか、どういうクラブ方針になるのか、どういう選手の構成になるのか全く分からない。ただ、自分が変わらないのは「松本山雅」というクラブが好きだということ。これは今後も変わることは現時点ではないと思う。断言できないのはクラブから明確な説明がないからだ。どういうチームを作っていきたいのか、そのためにどういう補強をしていくのか、その説明が全くサポーターにない。自分はクラブがこのままだとどんどんサポーターが離れていくと思うし、自分も山雅というチームを離れてしまうかもしれない、そんな気持ちは少し自分の中にある。だからこそ、クラブはこのタイミングで、さまざまな面で、今年のクラブのスローガンであった「原点回帰」をもう1度思い出して欲しい。もう1度自分たちを見つめ、本当にこのままでいいのか、本当に強い山雅を取り戻すために全員が動いているのか、強く強く考えて欲しい。先ほども書いたが、クラブが変わらなければどの監督が来ても今回のようなことになってしまうと思う。もう1度サポーターが誇れる強い山雅を取り戻すために、クラブに関わる全員で来年こそは昇格という目に見える1番の結果を掴むために死に物狂いで動いて欲しい。もちろんサポーター、自分も含めて。そして名波さんが来てくれたことを無駄にしてはいけない。名波さんが育てた若手たちを次の監督が責任を持って育て、クラブを発展させて欲しい。名波さんの話に戻るが、名波さんがこのクラブに来てくれたことは、自分は一生忘れないし、多大なる貢献をしてくれたと思っている。選手、スタッフに慕われる人間性、スター性、チームを1つにさせる言動これは並大抵の人間にできることではないと思う。自分は何回も言うが、 名波浩という1人の人間をこれからも尊敬し続けるし、こういう人間になりたいなと思った。名波さんは最後のコメントで私にとっても特別なクラブになった。過去8年監督をやってきた中でこのチームが1番良かった。和があった。と言っていた。それと同時に選手に向け、メンタルコントロールを含めた「緊張」と排除したい「幼稚さ」の2つの言葉をこれからのステージで輝くために選手達に残した。勝ち点差1に泣いた今シーズンを経験し、「この近そうに見える1の遠さを今後のサッカー人生で見つけていく」という言葉と共に山雅を去っていった。これはサッカーをやっていない自分に重ね合わせてもとても大事なことだと思う。名波さんが残したものを胸に刻み、新体制となる来シーズンからの山雅を全力で応援し、来年こそはクラブに関わる全員が笑顔で終われる事を願うのと同時にクラブには全力で、もがいてもらいたい。名波監督、1年半もの間本当にありがとうございました!

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