我、競馬に敗れたり―予想とその回顧①


競馬にハマってしまった。もちろんウマ娘である。

それまでもリアル競馬のほうはちょいちょい軽率に投票はしていたが、4月からアプリをはじめて(わかりやすくアニメの最終回直後である)予想熱が増してしまった。少ない経験ながらもわかってきたこととしては、データ、それも直接自分でレースを見た情報がかなり重要になりそうであることである。

あと正直ワクチンの副反応で寝ること以外にできることがなさすぎたので、これまでの投票内容とその結果を回顧していた。せっかくなのでそれを記そうと思う。

予想家でもなんでもなくふつうに外しまくっているので、誰かの参考になるようなことはないと思う。布教とかそういう活動でもない。日記感覚で記していくことする。

振り返ってみると、結構予想して結構外しており、割と青ざめてしまう。まあでも以前の趣味よりも出費していないし、それで観戦の面白さが全然違うどころか、たまにリターンまであるのだから、むしろ健康的かもしれない。



5.23 オークス 
東京競馬場 芝2400m (左) / 天候:晴 / 馬場:良



投票内容
◎ユーバーレーベンの単勝
×ユーバーレーベン固定から3連複=アカイトリノムスメ、ソダシ、ククナ、タガノパッション、ステラリアの10通り
×スライリーの複勝

回顧
3歳牝馬の頂点を決めるレースである。
初めて事前情報(過去のレース情報・血統とコース相性など)を調べて予想してみたが、事前に考えることがまあ多い。頭数が18も居るのでなおさらである。まず調べることはもちろんウマ娘血統がコースやレースと相性がいいのかどうかということだが、この3歳戦はソダシのおかげで話題性が強く、予想する前もレース自体は見ていたのでわりと絞ることができた。
ユーバーレーベンは勝ちきれないレースが続いていたが、桜花賞までのレースはいつもしっかり最後まで加速できていたし、東京競馬場は実質最終直線からレースが始まることをウマ娘の大会で負けまくって熟知していたので、直線で一番走りそうなのはユーバーレーベンであるとわりと即断はできた。
あとは相手なんだけど、ソダシは血統的につらそうだけどあまりにも強いので外せず。アカイトリノムスメはいわゆる「競馬がうまい」子でルメール騎手なのでこれも鉄板。あとは似たり寄ったりすぎて正直わからんのだが、牡馬のダービーよりは菊花賞みたいなスタミナ系の血統がいいらしい、ということから中距離勝ち経験のある馬をチョイスした。
3着ハギノピリナも中距離勝ち実績があったのだが、ステラリアとの比較だった。ソダシをつぶしに行って撃沈してしまったのは予想外。藤懸騎手を軽視したのが悪かったので参りましたという感じ。当日映像の見た目とあとウマ娘以前からステイゴールド系のファンなのでスライリーの応援馬券を追加したが完全に余計だった。バ体を見る目とかあるわけがないので今後はやめようと思う。ユーバーレーベンが意外と人気なかったので単勝一発のみでも結構儲かったのが幸い。



5.30 日本ダービー
東京競馬場 芝2400m (左) / 天候:晴 / 馬場:良


投票内容
×エフフォーリア・シャフリヤール固定から3連複=タイトルホルダー、サトノレイナス、グレートマジシャン、ヴィクティファルス、ヨーホーレイクの5通り

回顧
3歳の牡馬はとにかくエフフォーリアが熱く、大流行の父エピファネイアはスペチャンことスペシャルウィークの孫であり(普通競走馬の血統は父方を基準にするので、孫という呼び方はあまりよくないかもしれないが母シーザリオがスーパースターすぎるので許してほしい)、なにせ鞍上が横山武史騎手なのである。
暗黒メガコーポCygamesの陰謀により、ウマ娘キングヘイローを育成したことのある人間はすべからく良血×二世騎手のドラマで死ぬ体質にされてしまっている。このクラシックはエフフォーリアで決まりなのである。
冷静に事前データを参照すると、とにかくディープインパクト×米国血統が猛威を振るう条件とのこと(やはり直線勝負の強さが重要ということなのだろう)。前哨戦の見た目と周囲の評価からシャフリヤールは来そうという判断に至る。同様の理由+G1はルメールを買えと毎週twitterで言われているので牝馬だけどサトノレイナスをわりと真剣に3着はくるのではと予想した(3着争いをして5着だったので悪くはなかったか)。グレートマジシャンも母方はドイツ系なのだが、前哨戦評価が高いので相手にしておいた。
タイトルホルダーはメロディレーンちゃんと母親が同じ兄弟で皐月賞を逃げ粘った実力を買った。1頭くらいは前残りしてもいいのではという期待。あとはわからないので、事前調教の評価の高かったものの中で騎手とか血統とかで応援したいものに投票した。調教の動きなどは全くわからないので完全に識者鵜吞みである。これはそのうち変えたいとおもうけどたぶん10年以上かかるんじゃないか。
このころは取りつかれたように3頭を当てたいという気持ちになってしまっており今回も3頭目を外してしまった。わからないなら素直に馬連や馬単にすればいいのにな。3連複は惜しそうで全然惜しくないのが怖いところなのである。


6.6 安田記念 
東京競馬場 芝1600m (左) / 天候:曇 / 馬場:良



投票内容
×インディチャンプ、グランアレグリアの固定から3連複=ダノンプレミアム、シュネルマイスター、ギベオン、ケイデンスコール、カテドラルの5通り

回顧
恥ずかしくなるほどの3連複お化けである。いやこんなんグランアレグリアが圧勝するんだから、3頭当てに行きたくなっちゃうよ。実績があまりにもありすぎたのでインディチャンプもいれてしまったが、唐突な短距離転向に何かを感じ取るべきであった。しかしこれも事後諸葛亮である。シュネルマイスターの実力もまだ今ほどには明らかになっていなかったし、勝利したダノンキングリーは中間の評価も注目するものではなかった。ダノンプレミアムの可能性のほうが高く評価されていたことを複数個所で観測していたのであった。
あとは順当に前走GⅡ勝利組と末脚選手権で強そうな選手を組み込んだのだが、ダノンキングリーの激走はわからん。気難しい勝ち馬を川田騎手がだいぶ苦心して乗られたらしいことを事後諸葛亮するのみであった。



6.27 宝塚記念 
阪神競馬場 芝2200m (右) / 天候:晴 / 馬場:良



投票内容
×クロノジェネシス固定から3連複=レイパパレ、カレンブーケドール、アリストテレス、キセキ、モズベッロの10通り

回顧
注目は無敗で大阪杯を制し、初めて「ウイニングチケット」の名をG1馬の血統表に記載させたレイパパレがどこまでやれるかというところだった。
ウイニングチケットといえば1993年のダービー馬であり、ビワハヤヒデ、ナリタタイシンとしのぎを削りながら柴田政人騎手に悲願のダービータイトルをもたらした名馬であるが、その名馬をモチーフとしたウマ娘のストーリーは約20年遅れの感動を令和の世にもたらしている。メインストーリーの第3章やばすぎてアイアムヤバスギルになったわ。ゲームになり非競馬ファンを引き込むほどの力をもつのだから、ホースマンたちを引きつける力も言うに及ばずということだろう。直系は難しかったかもしれないが、牝系として残り続けこうして花開くのだからすごい馬である。
話を戻すと、道悪が味方ではあったが無敗で三冠馬を圧倒したレイパパレのパフォーマンスはあまりにも衝撃的で、あとは気持ちよく逃げられるかどうかというところがポイントだった。大阪杯ではあくまでチャレンジャーであり、G1レベルの強度で人気する逃げ馬が気持ちよく逃げられるという甘い話はまあないのである。したがってやや落とした評価とした。
クロノジェネシスがやっぱ圧勝するのでここも3頭当てたかったのが、G1でも好走が続くカレンブーケドール、コントレイルを脅かした末脚をそろそろ見せてほしいアリストテレス、昨年同レース2着の実績と逃げて世界レコードでもアーモンドアイに潰されて勝てないところがファンになってしまったキセキ、あと1枠予算が余ったので穴馬の中でも勝ち負けのイメージが湧くモズベッロとした。
レースはレイパパレがユニコーンライオンの後ろになってしまい、我慢しようとする鞍上とやりあう危惧した流れになってしまった上にそのユニコーンライオンが気持ちよく逃げての2着なのだから、想定した中では最悪の結果となった。レイパパレはその後もマークに苦しんでいるので、ここまでなのかここからなのか。なんとかがんばってほしいところ。


夏競馬


ダービー~安田記念~宝塚記念でことごとく1頭だけ外したダメージが大きく、夏場は賭けずに「勉強」という方針にしたりしなかったりした。飲んでたりすると買ってしまったので順調にアレになっている。ピクシーナイトが3歳ながら短距離転向して可能性を見せたのは血統表の奥に潜むバクシンオー先生を彷彿とさせるものがあり、そのバクシンオー先生の孫であるファストフォースが遅咲きの躍進、ゴルシの許嫁と目されるロータスランドがマイル重賞の関屋記念を取ったり、九州産馬として初の重賞制覇となったヨカヨカ、短距離に転向しても暴走のち失速するメイケイエールちゃんと賭けずとも話題に事欠かない楽しい期間であった。なにより賭けないから負けないし。



9.26 神戸新聞杯
中京競馬場  芝2200m (左) / 天候:雨 / 馬場:不



投票内容
◎ステラヴェローチェから馬連=セファーラジエル、ワンダフルタウン、レッドジェネシス、イクスプロージョン、キングストンボーイの5通り

回顧
菊花賞前哨戦。京都競馬場のリニューアルによって異例の中京開催である。
当日は大雨とのことなので、これは絶対ステラヴェローチェが勝つしシャフリヤールが飛ぶぞと急遽投票することにした。シャフリヤールはダービー血統(日本ダービーの項で記載)であり、これらの馬は道悪が大の苦手という実績がある。ダービー馬が人気通りに勝利するのが通例であるため前日までの投票がダービー馬に集中していたので絶好すぎる機会。
重馬場での勝利実績があるのは8頭の中でもステラヴェローチェとセファーラジエルのみで、前者は重賞勝利であり皐月賞とダービーでも馬券内にくる素の実力もあるため断然の勝利候補。というわけであと1頭である。3連複はもうこりた。ここまで断然なら馬単にしろという話だが、春の負け続きと実は夏もちょっと魔がさしたりしてたので弱気なのだった。あとは横一線の評価なので単純に春の競争実績と道悪でもがんばれそうな血統表のメンツがないかを確認したところレッドジェネシスが当たってくれてめでたく大幅なプラスとなった。これにより馬連教に入信する。



9/26 オールカマー
中山競馬場 芝2200m (右 外) / 天候:曇 / 馬場:良



投票内容
×レイパパレから馬連=ウインマリリン、ウインキートス、ステイフーリッシュ、グローリーヴェイズ、マウントゴールドの5通り

回顧
ツインターボ師匠の名人芸がさく裂したことでも有名な由緒ある天皇賞(秋)の前哨戦である。情報が多すぎてパンクするのでGⅠしか予想せえへんというつもりだったのだが、応援馬券の子がけっこう出場しているのと、前哨戦をよく見る重要性を春で痛感してしまったので今日もイソイソと賭けるのである。
レイパパレは宝塚記念の誤算があったので不安があったのだが、前哨戦のGⅡであり、なにせターボ師匠の聖地なのである。中山コースは向こう正面が緩やかにカーブするコース形態のため前との距離が測りにくい上、「中山の直線は短い」ので後続馬が差を詰める余裕がとりにくく先行する馬に有利に働きやすいらしい。ということはレイパパレ復活。これだ。
あとは応援馬券候補のウイン両名の中間評価がすこぶるよくこちらも先行タイプなので、どちらかはきそうである。あとは応援馬券と識者中間評価を重視した。結果はごらんのとおりである。レイパパレェ…。スクリーンヒーロー(=グラスワンダー)とゴールドシップのグランプリ血統でウインワンツーは嬉しかったが、これはわりと痛恨。レイパパレはちょっと気性が難しくなったのかもしれんなあ。



10.3 スプリンターズS 
中山競馬場  芝1200m (右 外) / 天候:晴 / 馬場:良


投票内容
×レシステンシア、ダノンスマッシュの固定から三連複=ピクシーナイト、ファストフォース、モズスーパーフレア、シヴァージ、クリノガウディーの5通り
×レシステンシア、ダノンスマッシュ、ピクシーナイトの三連単ボックス6通り
×ファストフォースの複勝

回顧
短距離戦線はサマースプリントシリーズをずっと見てきたのでもっとも自信があり、したがってかなり勝負に出た。まずこの夏で有力候補に躍り出た3歳馬ピクシーナイトがどこまでやれるのかがポイントとなった。新進気鋭の種牡馬であるモーリスはグラスワンダーの直系でありその母方はメジロドーベルにつながるメジロ血統。そして母の父にキングヘイローがおり、牝系の向こうにはサクラバクシンオーもいるという軽率なウマ娘ファンとっては夢のような血統である。
サマースプリントシリーズではファストフォース、レシステンシアにそれぞれ差のない2着と好走しており、前者ではレコード決着に追走してのもの。後者では外枠の不利さえなければ差し切れていただろうという伸び足だった。なのでここでも勝ち負けできる力はあると予想できた。さらに中山コースは圧倒的に内枠が有利であり、有力馬で唯一の内枠である。
しかしスプリンターズSはサクラバクシンオー先生ですら3歳時は跳ね返された舞台であり3歳馬の勝利実績に乏しい。さらに福永騎手にはスプリンターズS勝利の実績がなく、同コース9Rの2歳オープン戦にて内枠でつまって3着に敗れるレースを見てしまった。また、馬体有識者に依れば中山競馬場はやや適正に難がありそうとのことでマイナス材料に弱気になったため、3連単でやや夢を見つつダノンスマッシュとレシステンシアに比べて評価を下げてしまった。先行してすんなり運べればむしろファストフォースのほうがやれるのでは?という構成となった。メイケイエールは池添騎手が万一気性難◎を発揮して外したら悔しすぎるけどその前に笑っちゃうので入れないでおいた。3着には来なかったけど暴走しながらダノンスマッシュを競り落としていて笑ったので取れ高はあったと思う。
結果はピクシーナイトの大圧勝なのだから恐れ入る。福永騎手ももうとっくの昔から”キングヘイローのユーイチ”じゃないことをいい加減肝に銘じるべきである。完璧な初G1へのエスコートであった。ダノンスマッシュは休み明けは絶対走るとは何だったんだ。やっぱり自分で見たものしか信じないと後悔が凄いな。シヴァージは内枠有利のデータから拾っていただけに無念が強い。



10.17 秋華賞 
阪神競馬場  芝2000m (右) / 天候:晴 / 馬場:良



投票内容
×アカイトリノムスメ、ユーバーレーベン、ソダシの馬単ボックス6通り
×スルーセブンシーズの複勝と単勝


回顧
牝馬三冠最終ラウンドである。今年の3歳馬の活躍は目覚ましく、レイハリアがキーンランドカップをとり、ヨカヨカが北九州記念をとり、ソダシも札幌記念で並みいるG1古馬を完封したし、シュネルマイスターも毎日王冠でダノンキングリーを一蹴。そしてピクシーナイトがG1スプリンターズSで圧勝する始末である。中距離以上に関してはエフフォーリアらの結果を待つ必要があるとはいえ、一般に古馬とは差があるとされる3歳時点でここまでの結果が出ているのは目覚ましいものがある。
この話を持ち出したのは、こういった世代の「レベル」がクラシックレースの波乱可能性に関係するというデータがあるからである。「レベル」が高いほど春から活躍した馬の実力は高く、夏の条件戦から台頭した馬との差が開きやすいということのようだ。
したがって今回は春から3冠レースを湧かせてくれた3頭に絞ることにした。というかコース的にも相手的にもソダシしか勝たん状態であるので、あとはアカイトリノムスメが残りの一冠をとってくれればという期待を込めるくらいに絞ろうという魂胆である。トライアルのこととか考え始めるとダメな気がしたが、スルーセブンシーズの末脚にはロマンがあり、零細種牡馬になってしまったドリームジャーニーの血筋なので期待の馬券を投票しておいた。
このレースに関しては予想というよりもこの素晴らしい世代の3冠が「アカイトリノムスメ、シロイアレノムスメ、クロイフネノムスメ」で”完成”してほしいという完全なる願望であるので、春からコツコツと走りついにトライアルで戴冠したファインルージュとアンドヴァラナウトがしっかりと上位に食い込みしっかりと罰が下った模様。ソダシもユーバーレーベンもトラブルで惨敗という有様であった。まあこれに関してはアカイトリノムスメの勝利だけでおなかいっぱいなので純粋にいいものが見れたと思う。