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【絶景の旅】清水エスパルスvs.ベガルタ仙台(J1第4節)

MINOBUSENからこんにちわ。MDC甲府サミットの流れで清水へ。

静岡県に入るまでべらぼうに時間はかかりましたが、のんびり18きっぷ旅もよいものです。なにより首都圏の電車と違って椅子がふかふかだし。

静岡県に入ってからはFUJISANの周りをぐるりと走るのでずっと眺めることができました。次は富士宮に泊まるのもよいな

というわけでバスでえっちらおっちら登山してIAIスタジアムです。

山の上だなという風の強さでしたが、天気も良く気温も上がっていたのでちょうどよかった。サイドチェンジやフィードが通りにくそうだなという感じは受けましたが試合中の影響もあまりありませんでしたね。

日本平青みかんサワー。みかんジュースが生!目白押し!という感じで美味しいです。気温の上がってきたこの時期にピッタリ。

ふんだんな放水で幾重にも虹ができており、パスが良く走る好勝負を期待させます。ヤン・ヨンソン監督は誤解されがちですがポゼッション攻撃もちゃんとやるひとなんですよね。ロティーナ監督(東京V)も守備はすぐ練習の成果が出るだけでいつも攻撃の練習ばっかやっとんやでとか言ってた

IAIスタジアムは選手との距離がむちゃくちゃ近くて、それでいて全体を見渡せる角度も確保できるので大好きなスタジアムです。日立台みたいに選手と同じ目線になるスタジアムも選手の凄さがわかって(平面だと本当にパスコースが見えない)良いのですが、このIAIスタジアムだとそりゃ清水の民はサッカーに詳しくなるなというアングルです。ジュビロ磐田のYAMAHAスタジアムもこんな感じですよね。静岡こわ。近すぎちゃってどうしよう

清水から仙台への横断幕「祈願!復興から福幸へ」

仙台も清水コールでお礼。FUJISANの先っちょ出てるのも綺麗だった。清水と仙台にはそれぞれを古巣とする選手も多くそれぞれ全員に拍手していてとても和やかな雰囲気でした。それに加えて試合は激しい好勝負になっていたので最高の試合でした。

 

試合の話。序盤は清水ペース。清水は4-4-2の陣形を低めに構えてボランチとシャドウへのパスを最優先にケアしてストッパーとウイングへのボール誘導を見せていました。2トップの外にいるストッパーに回されるパスコースが開けて危ないのでSHが頑張って寄せていました。

金子とデュークのフィジカルと判断力がないとここまでうまくボールは奪えなかったでしょうし、カウンターも出来なかったでしょう。清水のカウンターは、SHの頑張りからSBのオーバーラップを引き出すと、仙台の3バックの前のスペースがうまれ、北川とクリスランの上下のギャップと金子のハーフスペース侵入を組み合わせてシュートできる時間と空間の余裕を作っていました。

松原からの斜めのパスからのチャンスは前半だけで両手で数えられそうな回数が生まれており、結果としては金子の幸運なミドルシュートという形の得点にはなりましたが、それもこの清水の攻撃の型、おそらく戦前から狙っていた仙台のトランジションの穴を突いたものと言えそうです。清水としては最初の飛ばした時間で2点取れるチャンスが作れていたので、ここで決め切ることが出来なかったことはひとつ反省点でしょうか

と、いう様子がIAIスタジアムでは非常によく見えました。(映像をまだ見れていません…汗) 清水の守備がどこで行くのか、そして仙台はそれをどうやって上回ろうとしていたか。嚙合わせ上大外が余るので、観戦側手前のタッチライン、永戸と立田、金子との駆け引きは非常に面白かったです。

仙台もしっかりあまったウイングから清水の4バックを動かしていました。石原直樹さんもCBの虚を突いたポストプレーを見せていて、広島在籍時を思い出させてとても懐かしい心強さがありました。清水の両ボランチ、両FWの挟み込みがタフで単発の仕掛けと成らざるを得ませんでしたが、後半の布石になっていたのでしょう、多分。(映像を見てもそのへんは結果論なのでわからないと思う)

後半は仙台が動き出しの最も効果的だった石原を右シャドウとしたことで、清水の守備をかいくぐるプレーが増えていきます。石原直樹さん、フレイレに完勝してて軽く引いたよね。やっぱり3-4-3といえば石原直樹さんですよ

清水のゴールチャンスはほぼ左SB松原のオーバーラップから生まれていたので、こちらのサイドを押し込むことは合理的でした。清水の課題は2トップのプレスバックが辛くなってくる60分以降の立ち回りなのですが、それを見越したような野津田岳人のボランチへの配置変更で、清水は完全に6バック化してしまいました。それでもひとりでカウンターのチャンスにしそうだったデュークは凄かったけども。負傷で抜けている石毛(開幕からスタメンだった)や白崎がこのあたりの厚みをだしてくれることを期待したい

セットプレーの連打を辛くもしのいでいましたが、そこからのシームレスな展開でついにSBが引き出されて空いたスペースはボランチが防護の鉄則が崩れてしまい、不運なデフレクションがあったにせよそのスペースがぽっかりと空いてしまって万事休す。鄭大世、楠神順平といった交代カードも機能せず辛くも勝ち点1を確保するのが精一杯でした。

清水としてはプラン通りの入りを見せたこと、プランが崩れても耐え抜いた集中力。出来立てのチームとしては良いプロセスを経ているのではないかと思います。ファン・ソッコの兄貴が完全に守備の要で驚いた。まだ大卒新人のイメージなのは完全なる老化だなと震え上がった次第です

ホームで勝ててないのがしんどいというところはあるのですが…負傷者が帰ってくるそうなので、そこでチームの厚みが出ること、あとはボールを持てた状況でしっかり自分たちのペースを作れるかというところでしょう。ヤン・ヨンソン監督はスペインの風という感じではないので結構時間がかかるとは思いますが(シーズン途中からの就任ということを差し引く必要がありますがサンフレッチェ広島で形になるのには3か月かかりました)、状況が許すのであれば出来上がりは期待できると思います。

仙台はハンサム渡邉監督の作り上げたチームの厚みを見せつけたという試合だったのかなというところです。野津田岳人君はやはり狭いスペースだとうまく立ち回れないですねという懐かしいもどかしさがありましたが、石原直樹さんとの試合内外での仲良すぎぶりが良かったです。広島でも名コンビを見せていましたが、仙台で一層の熟練度を見せていました。逆転ゴールになりそうなスーパーなコンビネーションやら嫌なところにしか出てこないサイドチェンジやら、清水エスパルスではフィットしなかった中盤の底のポジションで古巣を苦しめていたのもまた、この試合を盛り上げていました。

互いに持てるものを出し合った名勝負。最高の観戦旅行でした。ありがたい。

では。