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【効いた曲ノート】ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー"幻想序曲「ロメオとジュリエット」"



正月なのでド派手にいこうのコーナー。まだ正月です(真顔)




「ロメオとジュリエット」はもう言わずもがなだと思いますが、「悲劇」といえば真っ先に上がるシェイクスピアの戯曲で、現代まで上映され続けていることはもちろん、クラシック作曲家によっても数多くインスパイアされた楽曲が生まれています。旧ロマノフ王朝時代の大家チャイコフスキーもその一人です。

チャイコフスキーは作曲家のステータスである交響曲、「1812」のようなマーチ、「くるみわり人形」のような華麗なバレエ音楽やヴァイオリンやピアノの協奏曲などあらゆるジャンルで枚挙にいとまがないほどの傑作を残していますが、この「ロメジュリ」がチャイコフスキー最初の傑作と評価されています。


文学にも造詣が深かったというチャイコフスキーおじさん。どんちゃん騒ぎの曲が多いイメージですが、破滅や狂気と隣り合わせという緊張感もあります。


序曲という形式はもともとオペラなどの歌劇のオープニングを飾る曲ですが、オーケストラ単体のコンサートのオープニング曲(前プロ-中プロ-メインという形式をとることが多いです)として用いるために歌劇本体の無い独立した曲となることも増えています。若きチャイコフスキーにはこれをオペラにする構想もあったようですが、残念ながら実現せず。約50年後にプロコフィエフというこれまたロシアの大作曲家が「ロメオとジュリエット」のバレエ作品を完成させています。

とはいえ、この曲と出会ったのは高橋大輔によるフィギュアスケートのパフォーマンスで浅田真央ブームで適当に見てたら曲と彼のストレートラインステップのけれん味と熱量に圧倒されてホイホイとチャーハンしてこの曲とフィギュアスケートが好きになったという個人的な思い入れがあり、実質チャイコフスキーのオペラ化野望は実現したのでは、と言いたくなります。というといささか誇張しすぎではあるでしょうか...w





ともあれ、わずか20分の小曲の中に秘められた恋と対立する両家、燃え上がる愛の語らい、両家の決裂と二人の死、そして鎮魂とこの悲劇の要素を余すことなく歌い上げた名曲です。劇場型(激情型)の指揮者が似合いますね。

amazon prime musicのほうではカルロス・パイタという有り余る親の金で自前の音楽制作会社とオーケストラを爆買いして好き勝手に録音したド変態の演奏が上がっててめちゃくちゃ笑いました。ドヴォルザークなどは麻薬中毒患者の幻覚のようにハイでオススメです。




景気のよい2019年を祈念して。

それでは。