見出し画像

【MDCvol.4】ファジアーノ岡山vs.ヴァンフォーレ甲府(J2第6節)




今週もむっくんがかわいい。というだけのお話のコーナーも4回目です。正直写真勢のみなさんのお恵み画像ツイートだけで事足りるのでは?という話ではありますが、書きたいから書くんだよの精神で今週も参ります。かわいい。



◆試合情報

岡山 1-0 甲府

岡山:後藤(21分)


メンバー

岡山:イヨンジェ→仲間(29分)、塚川→末吉(55分)、斎藤→赤嶺(87分)
甲府:堀米→佐藤(61分)、太田→金園(77分)、J.バホス→ジネイ(87分)


ハイライト




◆topics

甲府の攻め筋と岡山の苦戦

ヴァンフォーレ甲府は最終ラインの形を変えて岡山の前線の守備を外してきていました。小椋が下がって4バックのような形になり、シャドウと小塚がワントップツーシャドウを引き付けた隙間でもらい受けることで”前を向いて仕掛ける”状態を作り出す形。試合開始直後からこうであったので、おそらくチームとしてのスタイルなのでしょう。

岡山は基本的には一人一殺式(誰が誰からボール奪うかをはじめから決めている)であるので、小椋に塚川、小塚に上田がつこうとしていましたが、上記のように二人が離れているため岡山のボランチの二人もついていくと守備の形が間延びすることになり、甲府のパスコースが生まれているという形になっていました。最終ラインからストッパーが出張して甲府のシャドウを潰すのがこういう広げてパスを繋ごうとするチームに対する定石ですが(大分戦でうまくいった守り方です)、J.バホスが流れてストッパーのマークを引き受けることで、シャドウが捕まらず間延びを使われてしまったのだと思われます。バホスに呼応して中央に入ったり裏に抜けたりする2シャドウの動きも洗練されていました。

そうなると下がって対応してしまうのは致し方ありませんが、それが甲府により奔放な展開を許してしまうという悪循環でした。ウイングとシャドウのクロスする動きでPAに侵入することでシュートチャンスを作るぞという甲府の形は非常によく見えていましたね。怖かったです。ただ、クロスは単純にバホスねらいであったので、岡山の3バックの高さを超えることがなかったのが助かったところでした。

甲府の方の守備は岡山とは反対に余裕を持った攻撃の反動で前から捕まえることに成功していたので、苦し紛れのボールが多くなる展開となっていました。こういう時のイヨンジェは残念そこはエデルリマであったので、岡山は逆に強かにカウンターを受けることになってしまいます。

全員が前から行こうぜという風に岡山も修正出来てはいましたが、やはりワントップであるので最終ラインからのサイドチェンジは止められず、そこでウイングがせり出してスライドするとバホスがその裏に流れるという対策を打てていました。おそらくここまで吉田達磨監督の予定通りということでしょう。



ナイーブな甲府、貫録の岡山

甲府ペースで展開された試合ですが、蹴り合いとなってしまったことで甲府の選手が岡山の選手のマークを外すポジションをとる時間がなくなってしまい、岡山の面々もまた甲府の手筋が”わかってきた”ということか、ボールサイドで余った選手(ストッパーもしくはウイング)から前に行こうとしている守備の向きを変えられる斜めのパスが一番危ないので、最終ラインを追いかけるシャドウがズラさられたらボランチが飛び出して甲府の余った選手までいきなさいとと徹底していきます。

正直守備の時にボランチが中央からいなくなってしまうのはかなり肝の冷える光景ではあったのですが、甲府には効いていました。明確に適当なロングボールが増えていき、岡山にもヨンジェ・斎藤作戦の余地が生まれてきました。

作戦自体もそうですが、この局面で特筆すべきは上田康太さんの判断力と技術力の高さでしょう。効果的な囲い込みで奪った上田にイヨンジェが反応して点と点のつながったロングボールでファウルを奪取すると自身のFKは正確に今津のマークに競り勝った後藤圭太を捉え、先制に成功します。チートや…

先制後はイヨンジェが負傷交代するというアクシデントに見舞われた岡山。斎藤のワントップはイヨンジェと同じノリのフィードが飛んでくる後ろとなかなか合いませんでしたが、仲間、末吉とボールを持っているときに持ち味の出る選手を増やすことで試合展開を岡山の望むペースで展開することに成功し、連携面の課題を解決する余裕を得ることに成功していました。

甲府の方は岡山の守備の修正と交代によるリズムの変化に対して有効策をもっていないようで、前半開始時に目指していた攻撃を繰り返そうとしては止められるということを繰り返していました。Jバホスは最前線で勝負するタイプではないようでPA内で良い位置をとることが少なかったですし、ストッパーも敵陣に入ることが増えたのですが、前線の選手の多くが後ろを向いたまま止まってしまいそこからどう外していくのかが見えなかったのが残念でした。エデルリマが上がっていったほうがいい気がしますが、斎藤が怖かったということでしょうかね。

交代カードも岡山のここを狙うという部分よりは個人で何とかしてくれということ以上のものが見受けられなかったので、正直に申し上げるとあまり書くことがなくなってしまいました。現時点での岡山と甲府とのチームの差が出た試合であったと思います。




◆連戦もけなげにフル出場のむっくんは鉄人かわいい

本題。

むっくんは今節もフル出場。序盤は不利な態勢で流動的な2シャドウとウイングを相手にせねばならない苦しい状況でしたが、シュートチャンスになりそうな場面になることを避けることを最優先して落ち着いてしのぎ、先制以降は対面の相手との勝負に専念できたことで、もはやいつものような安心感でサイドの支配権を握っていました。序盤セットプレーの度にくらいのペースで左右のウイングが入れ替わっていたのはいったい何だったんだろう。

とはいえ、1か月ちょっとで6試合をフル出場で駆け抜けたわけで、終盤は疲労の色が濃い様子でした。試合終了後はいつもよりも3割り増しくらいの勢いでばったりと倒れこんでいましたね…

フィールドプレーヤーでフル出場しているのはCBの後藤圭太さんとボランチの塚川君ですが、塚川君は体が重そうで小椋や2シャドウのモーレツなプレスの餌食となることが多々起きていました。末吉がマイボールの確率を高めて試合を落ち着かせてくれたので、逆に京都戦から立て続けに岡山の層の厚さに確信を深めることが出来たという意味では非常に大きなトピックでしたが、やはり連戦というのは厳しいものだという証左にもなりました。むっくんのところも心配ですが、ドリブルに加えてクロスもパワーアップした三村さんが帰ってきているので明るい。

6戦で早くも2位に勝ち点4差の1位という常勝軍団のような順位になっていますが、岡山の競技面・事業面双方の継続性が効果的な補強を呼んだことでチーム力が向上しているのだと思います。やっていること自体はあまり去年と変わっていない印象ですが、今節の得点シーンのように、一発の威力が上がっており、交代カードの効果に現れているように弾数が増えているというような感じです。赤嶺さんをベンチに置いても岡山のやりたい試合展開ができるというのは去年では考えられなかったことです。

成功体験を追い風にしてどこまでいけるか、というところを楽しみにしてみていきたいと思います。むっくんがその風をどこまで吹かせられるかというところですね。楽しみです。


では。