新戦力探訪―DAZNビッグウェーブに乗り遅れないための【追記1/10】

あけましておめでとうございます。新年も宜しくお願い致します。

さてさて、レンタル大脱走を嘆いている間に新戦力の加入も同時に発表がされつつあります。どの選手も所属クラブの主力であり、年齢も中堅クラス(広島の主力陣に比べればかなり若い)。”主力”の不調と”2枚目”との能力の断絶に苦しんだシーズンを踏まえたものとなっています。選手の個性としても今季足りなかった部分に見合ったものを持っていると思われます。

レンタルで放出した選手もこのあたりの年齢になった時に広島で活躍できる力を持っていてほしいということなのでしょうかね。かつてとは違って使いながら育てていくということは難しくなっていますし…。帰って来たいと思ってくれるのが前提なのですが、そのようなクラブになることはクラブとして成功しているということと同義でしょうから、彼らの活躍に恥じないようにしなければですね。

そういう風に戦力を”圧縮”しているのは、来期から導入される大型スポンサーによる賞金の傾斜配分と無関係ではないでしょう。外国人枠も増えるようですし。

関係者によると、Jリーグが提案したのは次の4点。(1)均等分配金はJ1は3億5000万円(J2は1億5000万円、J3は3000万円)。(2)傾斜配分金は30億9000万円を原資として優勝チームには総額の約半分に当たる15億円。残りはJ1の順位によって決め、4位または6位まで支給する(3)優勝賞金は3億円(4)降格チームには2年間、安定基金を支給する。村井満チェアマン(57)は「傾斜配分に関しては、すべてをチーム強化費に充てるもので強化配分金と考えている。監督や大物外国人、若手育成、施設の充実などに使ってもらう」と話した。                       

賞金効果なのか、今オフもまたびっくりするような補強話がそこここで見られはじめ、波乱のシーズンを予感させます。広島は通常運転の強化策になりそうですが、優勝の積み重ねのぶんだいぶ自由度(オファーの選択肢)と確度(オファーが実現する割合)が高まってきているように思います。

というわけで勝負の年に備える精鋭たちのご尊顔拝察のコーナーを。選手の個性や適性、および来季への期待は独断に依っておりますが、そういうのがオフの肴であり暖炉の薪であると思うので、みなさんの”俺の見立て”も募集中だ。温まろう。


①フェリペ・デ・オリヴェイラ・シルバ(←セアラ:ブラジル二部)

個性:足元自慢ラストパサー 適性:MF型のシャドウ

(新卒の松本君を除けば)加入第一号となったのはフェリペ。ブラジル二部クラブの選手ということで知名度はあまりないと思いますが、かつて佐藤寿人とのコンビでゴールを量産したウェズレイ氏の紹介とのこと。

プレー集を見るとライン間の足元で受けて、そこからのドリブルやスルーパスでチャンスメイクすることが得意な選手という印象です。今季の広島は特に崩しのパスをウタカにお任せ状態になってしまったことが足を引っ張っていたのでそこを埋めにいったということでしょうか。裏に飛び出すことに関してはどんどん増えているのですが…あちらが立てばこちらが立たずですね…w

問題は日本の奪われたらすぐに全員で奪いに行かんかい状態の中で仕事が出来るのかということと、逆にそういう守備の動きや5バックで引っ込んだ時に頼りになるかというところでしょう。ワントップも視野に入れているとのことなので、おそらくはそのあたりには不安があるという現状でしょうか。どのようにフィットするのか見ものですが、個人的には負傷禍を乗り越えた茶島や宮吉がバージョンアップするんじゃないかという期待が大きめ。


②中林洋次(←ファジアーノ岡山:J2)

個性:リバウンド王 適性:1stGK

下田崇、木寺浩一、そして佐藤昭大とGKに負傷が相次いだことで広島にやってきた”ウッズ”は2009シーズンにセンセーショナルな躍進を見せた広島で守護神を務めていました。その後西川周作が加入したことで出場機会を失い、岡山への移籍を決意しますが、2009年のインパクトは忘れがたいものがあります。(それにしてもゴールハイライトだから見落としがちだけど失点しすぎだ…w)

野生味あふれる超反応で広大な裏のスペースとゴールマウスを守りつつ、仕切り直しのバックパスで悪戦苦闘したり…今ほど熱心に見ていなかった自分の中にも鮮烈な記憶として残っています。現在でいうと野球のセカンド菊池のような感じでしょうか。若く、破天荒なサッカーの醍醐味を見せていた一人だったと思います。


岡山に移籍して5年。若く粗削りそのものであった”ウッズ”も30歳となり、チームに落ち着きをもたらす安心と安全の”神林”としてJ2トップクラスのキーパーに君臨しました。

若かりし頃の超反応を残しつつ、判断力に磨きをかけたキーパーになっています。ビッグセーブの後の体勢復帰の早さは特筆に値するものであるでしょう。

林卓人のパフォーマンスに不安があるとは全く思えないのですが(むしろ林卓人でなければ終盤までCS出場ワンチャンあったなんて状態にはならなかったでしょうし、今季の守備の出来ならば残留を争っていたでしょう)、増田卓也の正守護神チャレンジを受けての復帰要請ということでしょうか。

なんだかGKだけACL優勝すんのかみたいなことになってしまったなあとは思うのですが、ウッズがポジションを奪えば5歳若返るので、立派に世代交代ではあるでしょう。その力ももちろんあると思います。フリーのシャドウを見極め直接パスを届けられるようになるなどポゼッション面でも成長を続けている林卓人がそう簡単に明け渡すとも考えにくいですが、楽しみです。

何より粗削りな若手だと思っていた選手が立派になって帰ってきたというだけで嬉しすぎます。帰って来たくなる、それを実現できる力のあるクラブでありつづけたいものですね…。


③稲垣祥(←ヴァンフォーレ甲府:J1)

個性:スタミナお化け系ダイナモ 適性:シャドウ~ボランチ


5-4-1で低い位置に構えて辛抱を重ね、チャンスには一挙に飛び出るサッカーで資金面の不利を跳ね返し続けているヴァンフォーレ甲府はアスリート的な能力に優れた大卒選手の活躍の場にもなっています。

このスタイルは森保監督の仕込んだ広島のスタイルと似ているため、強化部も目をつけていると思われ、実際にその見立ての正しさを柏好文、佐々木翔が証明してきました。今回は稲垣祥選手が来てくれることとなりました。

シャドウの位置からの無尽蔵の飛び出しで得点チャンスを生み出すあたりが魅力ということになりそうです。甲府サポさんによれば柏好文より走れるとか。

パスをうけはたきする能力はよく分からないので、ボランチのポジションは難しいでしょうか…ながらく広島の”エンジン”として引っ張ってきた青山に元気がないというか空回りしてしまったシーズンであったので、稲垣が中盤の新たなエンジンとして名乗りを上げてきてくれれば面白いのですが。

もしくは待望の352を実現できるインサイドハーフ説もある。2列目からFWとウイングと連動して飛び出す浅野拓磨が移籍して以降、放り込むだけの機械と化してしまって何の役にも立ってなかったオプションですが、稲垣の個性が噛み合えばまた実効性がでそうです。森保さんも好きそう。


④工藤壮人(←バンクーバー・ホワイトキャップス:MLS)

個性:エース格万能ストライカー 適性:ワントップ~シャドウ

大みそか、午前9時10分。衝撃のリリースが。

いやー。まじなのか。来ちゃうのか。言わずと知れた柏レイソルのエースにして、北嶋秀朗の9番を受け継いだ生え抜きのバンディエラ(チームの旗頭)の日本凱旋はまさかの広島。MLS移籍も意外でしたが、もっとびっくりしたわ。

工藤は、「むやみに中盤に降りず、最終ラインのところで駆け引きして、いかに相手を押し下げられるか、中盤の選手にスペースを作れるか」を意識してプレーしているという http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=10354 から





ドウグラス、浅野拓磨、佐藤寿人、そしてピーターウタカもおそらく、と広島の得点源、希望となってきた名手たちを失ったリカバリーとしては最高クラスでしょう。スコアリングに関してはなんでもできる選手であると思いますし、周りを使うことも自分で行くこともできる。万能な選手。とがった性能で勝負してきた広島には珍しいオールラウンダーと言えるでしょうか…いや凄いな…

懸念があるとすればMLSでフィットしなかったことや顎骨折による長期離脱のブランクでしょうか。まあ、向こうのサッカーはキックアンドラッシュでろくすっぽパスが来なかったそうなので、差し引けることだと思います。差し引けるよな…?広島も最近なんかそういうサッカーになってた気がするぞ…?頼むよ…w


皆川と宮吉と運命を共にしてもいいかなと思ってたのですが、そうはいかないところまで規模的なものが来ているようですね。エンタメ産業は一度縮小が始まると止まらない、忘れられる世界なんだよという格言もあるようですし…さらには放映権マネーのビッグウェーブがやってくると。

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今季の広島に足りなかった個性をもっていそうで頼もしい選手が入ってきていますね。ただ、これでも抜けた選手の分の補強といったところなので、さらに乗るしかないこのビッグウェーブな移籍がまだあるかもしれません。右ストッパーとかちょっと薄い気がする


では。



【追記:1/10】

1/10のhfmgoalにて足立強化部長による新戦力へのコメントがあったのでまとめておきます。だいたい上の妄想に相違はないのかなという感じですが、キャンプを経てのお楽しみ要素が大きそうですね。キャンプの日程もわかってきましたので、お暇な方はぜひ、ついでにこっそりと情報をお寄せください笑

私も練習試合だけちょっこし見に行こうかしらん…今年はほんとに勝負でしょうし気になる…w


☆フェリペ ←セアラ―(ブラジル二部)

・村山スカウトがずっとみていたよ

・映像のままのイメージでいいよ

・ブロックを引かれたときにはがして変化をつける役割を期待してるよ

・セットプレーのキッカー不足も深刻だったので期待してるよ


☆中林洋次 ←岡山

・GK版「小さくても勝てる」を地で行く選手

・林卓人とは全くタイプが違う実績ある選手なので"GK王国"目指してます

・一番脂がのってる年齢だから期待してるよ


☆稲垣祥  ←甲府  

・高校、大学から追いかけてましたよ。

・1年目CB2年目ボランチ3年目シャドウとマルチ。サイドもやってる。

・本人はボランチやりたいって言ってるけど広島のサッカーに照らして監督に考えてもらうよ

・柏好文先輩派閥にすでに加入済みです


☆工藤壮人 ←バンクーバーホワイトキャップス(MLS) 

・レイソルとの死闘(2013,2014年は対戦が多かったですね…w)の中心にいつもいたので。

・動き出しの質、ゴールへの執念と選択肢の多さ、攻守両面の泥臭さがすき。

・ポジションは監督次第だが本人はどこでもやるとのこと(レイソルではFWトップ下サイドもやっている)

・11番ではないよ。


☆イヨハ理ヘンリー ←広島ユース

・基本リベロだけど最終ラインならどこでもできると踏んでいる

・DFリーダー任せたいのでがんばって競争に食い込んでね


☆松本泰志 ←昌平高

・高萩洋次郎を彷彿とさせるトップ下

・技術は先輩方と遜色ないので体づくりがんばってね