見出し画像

清水エスパルス2018-19選手動向その1 チームを離れる人たちに【シリーズ:ヤン・ヨンソン監督と歩む】



さて、2019シーズンにむけて選手の動向も明らかになってきたので、リアクションをとっていきます。話が長くなってしまったので3回に分けます。

今回はoutのおはなし。先にまとめておくと…

・放出の多くは前体制で活躍したベテランたち。
・主力の流出は限定的ながら急所。

という感じですかね。


------------

*移籍情報は記事公開時点での清水エスパルス公式サイト内「2018-19契約・移籍情報」と地元紙や全国紙地元支局の記事によります。

*選手のポジション表記は以下のようにしています

GK
ゴールキーパー。手を使ってゴールに入りそうなボールを止めたり、たまにコーナーキックでゴールを決める人です。清水ではCBのかわりにパスを出すことも多くなります。
CB
センターバック。GKの目の前に陣取ってゴールを奪おうとする相手選手を止める人です。相手がガチガチに守ってくる場合は攻撃の第一手も。
SB
サイドバック。将棋の香車のような担当の人です。まっさきにねらわれるので大抵損な役回りですが、攻撃を効果的にするには彼らの走りが不可欠。
CH
セントラルハーフ。味方の選手が不利にならないように気を配るひと。絶えず前線と後衛のやりとりをする役割からしばしば「フィルター役」と呼ばれます。地味だとナメられるのでたまにすごいミドルシュートも決める。
SH
サイドハーフ。一番しんどい人です。外からCFとSTが追いかける相手を挟み撃ちにしたり、敵陣中央に侵入する切り込み隊長をやったり、常に走ります。
ST
セカンドトップ。ゴールを決める2人の担当のうち、北川航也の方。ゴールに必要なことを縦横無尽になんでもやります。
CF
センターフォワード。ゴールを決める2人の担当のうち、後ろから来るボールをめっちゃトラップする方。相手の守備を引き付けるタフガイが求められます。
非常時のポジション
WB

ウイングバック。3バックになったときのサイド担当。サイドが一人しかいなくなるのでSBとSHの仕事を一手に引き受けとても大変です。


---------------


放出した選手

契約満了
SH 枝村 匠馬
SH/ST ミッチェル デューク
CF 長谷川 悠(→V・ファーレン長崎)
CB フレイレ (→湘南ベルマーレ)
CB 角田 誠 (→V・ファーレン長崎)
CF クリスラン ※期限付き移籍満了 1/10更新

契約延長失敗
CH/SH 白崎 凌兵(→鹿島アントラーズ)
SH 村田和哉(→柏レイソル)

期限付き移籍
GK 新井 栄聡 (→ツエーゲン金沢) ※育成型期限付き移籍
WB/SB 清水 航平(→サンフレッチェ広島)
CH 宮本 航汰(→FC岐阜)※育成型期限付き移籍延長
CH 増田誓志(→ソウルイーランド:韓国2部) 1/10更新

引退
GK 植草 裕樹(→清水エスパルス スカウト)
CH 兵働 昭弘(→清水エスパルス スカウト)


 まず主力の多くは契約更改し、チームを去る選手の多くは小林伸二前監督と共に闘ってきたベテラン選手たちということになりました。出場時間が少ない中でも持ち味を発揮してチームを助けてくれたこと、しっかりと覚えています。

 長く応援される方にはより深い感慨のあることでしょう。どNIWAKAのためあまりコメントができなくて申し訳ないですが、記事公開時点で判明している移籍先がJ1レベルのチームであることを見ればその能力の高さは明らか。本来の活躍を見られることを楽しみに待っています。

 フレイレとミッチェル・デュークについては出場機会もありましたし、特にフレイレは不動のCBだったのでかなり驚きました。DFラインは急造の上ちょくちょく入れ替わる1年だったので2年目の熟成効果が最も期待されるセクションであり、この放出は未だに疑問があるところではあります。

 まあ、後述するように外国籍枠の選定にだいぶ力が入ってそうなのでその煽りの可能性もあるかもしれません。湘南にとっては高さと有り余るパッションが加わった補強ということになりましたね。それはそれで楽しみです。ファン・ソッコさんとの熱い抱擁がもう見られないのかと思うと寂しさが異常。

 デュークの場合はクリスランが不透明なものの、ファンソッコ・ドウグラス・テセに加えて補強の目玉としてブラジリアンがドカドカ来るらしいので外国人出場枠の兼ね合いということが考えられます。身長を活かした守備や前線への殴り込みであったり、大チャンスを逃さずポストに当てる決定力だったり、出てくれば必ず何かを起こしてくれると期待させる選手でした。ありがとう。

 最も痛いのは白崎の鹿島移籍でしょうか。しかも0円ときたもんだ。ドウグラスで霞んでいますが、後半戦のMVPの一人だと言いたい。ポジショニングの良さとパスの意外性が中央からのパサー役としてばっちりで、エスパルスの突破口になりました。

 守備は夏場の連戦時は怪しかったのですが、秋が深まるにつれ磨きがかかり本職のSH(ほぼトップ下になる)のポジションで本格的にはまってくれました。鹿島とはサッカーが似ているのでそりゃあ狙われますねというところですね。選手層すげえ厚そうなのでちょっと分けてほしいですけども…w

 エスパルスが目標とするタイトル獲得には欠かせない選手だと思われたので残念ですしこういうパスが個性的な選手は清水にはあんまりいなさそうなので補強が急務になりそうですが、FC岐阜でパスを繋ぎまくっている宮本のレンタルバックかなと思ったらそうでもなかったのでどうなるでしょうか。

 レンタルで言えば新井君は大卒2年目で移籍ということでなかなか厳しそうな立ち位置ですが、ツエーゲン金沢は宮崎(新潟→金沢→F東京)や庄司(C大阪→金沢→大分)に垣田(鹿島からレンタル中でチームの柱に)とJ1クラブからレンタルした選手を一人前に育て上げ再びスカウトされることに定評がありますし、白井裕人という手本となる先輩もいるので環境的にはかなり良さそう。ぜひとも金沢で籍を入れる(さっき作った完全移籍の隠語)くらいの勢いで活躍してほしいところです。

 なかなかいない個性で言えば村田和哉の契約延長失敗も痛い。オファー自体はしていたようですが、構成上4番手以降となりそうなのでより良い条件があればそちらに傾いてしまうのも致し方ない…

 タッチラインを踏んで縦に仕掛けることのできる村田のようなウインガーは4-2-2-2の中央突破に行き詰ったときに役立つはずで、少ない出場機会ながらその予感を見せていましたので期待してたのですが…。 

 ダービーではぶっつけの左ウイングにもかかわらずバースデーゴラッソと勝負運もある選手。本人の言う通り30歳という節目でいつまでも「スーパーサブ」というわけにもいかないでしょうから、ドイツに行きそうな伊東純也に負けないインパクトで柏の人たちを盛り上げてくれることを願っています。

 そして、前十字靭帯損傷によりエスパルス躍進の最中でチームを離れることになったクリスランの契約満了も発表されました。(1/10加筆)



 まあ、こういうツイートがあった時点で察しはついていたのですが...いざ公表されると辛いですね。。。

 強面のモヒカンという世紀末スタイルで激しいチェイシングと並外れた身体能力をみせ序盤のエスパルスの攻撃の中心となりましたが、プレーの切れ目に見せるのは優しい面差しと仲間を労うナイスな一面。あとシュートチャンスでめちゃくちゃ力むので絶対いいやつです。

 CFとして空中戦を頼らざるをえずちょっと苦手なプレーをやらせてしまったなという勿体無さがありました。ならばドウグラスでしょうという補強のため出番が激減しましたが、ドウグラス・フレイレとの3Sは和気あいあいそのもので、限られたチャンスを活かさんと気合い十分のパフォーマンスをみせてくれました。ドウグラスに負けじと意気込み決定機を迎えた瞬間に前十字靭帯損傷というのはあまりにも悲運...無事の回復とJリーグ見参を願っています。