見出し画像

セットプレーでむっくんを狙うことは、ワシントン条約で禁止されています (vs.柏レイソルの会報 2019-7/31)



 四連勝で勇んで強豪柏レイソルに挑んだ結果、開始たったの7分で2失点してしまい、全く試合になりませんでした。ボクシングのタイトルマッチで(過剰演出で有名)1R4秒でノックアウト、みたいな拍子抜け。

 平日開催で次の試合までに見直す時間も心の余裕もない(編集部も生身の人間なのです)ので、今回の会報は開始7分間のみに焦点を当てたいとおもいます。夏休み?ならば君が書きなさい。


※末次由紀『ちはやふる』2巻p.66より
余談ですけど「まつげくん」は40巻かけて本当に青春全部賭けて強くなったのでおじさんには眩しすぎた。


 むっくんで大連勝したのも束の間、むっくんでうそのようにボロ負けする。それもまた人生。



試合情報



岡山0-4柏:瀬川(2分)、江坂(7分)、OG(47分)、サヴィオ(89分)


メンバー

交代
岡山:25久保田→17関戸(HT)、14上田→16武田(69分)、19仲間→11三村
柏:25田中→3田上(78分)、10江坂→22サヴィオ(78分)、18瀬川→38菊池






実はアウェー戦でもセットプレーのむっくんは危なかったという伏線について


 編集部的な一番のトピックは、やはりセットプレーの対応で立て続けにむっくんが狙われてしまったという部分ですね。これは有馬新体制を軌道に乗せる会心の勝利であったアウェー柏戦でも見られたものでした。ネルシーニョ監督のなんという丁寧な伏線回収であることか…これだから継続観戦はやめられない…できればいい方の伏線回収でお願いしたかった(詠嘆)




 そのときの記事がこちらなのですが、該当部分をここに引用してみます。こういう時に記憶を引き出せるので残してて良かった備忘録。

 

 ひとつ怖かったのはセットプレー。後半ゴール裏から見えた時にそうだっただけだったかもしれませんが、むっくんのマークが古賀太陽でめっちゃビビりましたw古賀は182cmでむっくんは172cmという公称ですがそれ以上の差に見えましたし普通に競り負けてた...w 直接このマッチアップでやられたわけではなかったですが、2度もポストに助けられた運がなければ厳しかったでしょうね。高さではかなり劣勢でした。オルンガ居なくて本当に良かった。(太字は引用者による強調)


 ね。オルンガいなくて良かったね。今日は居たね。しかしこの記事、読めば読むほど綺麗に今節で引っくり返されてるなと驚きます…w 同じ失敗を二度しないのがプロフェッショナルよ…という感銘に震えますね。

 さて、今回のむっくん(172cm)の担当は江坂任(175cm)でした。岡山のセットプレーの対応はずっとマンマークと記憶していますが、これは簡単に言えば相手のチームの大きい選手にこちらのチームの大きい選手をひとりずつぶつけてボールに触らせないという守り方です。

 前回対戦でも上島(185cm)、染谷(184cm)、古賀(182cm)と3選手大きな選手が居て、クリスチアーノがドンピシャのボールを蹴ってくるのが非常につらかった。岡山の守備陣にもチェジョンウォン(186㎝)、田中(181㎝)がいて、CKであればイヨンジェ(186cm)が助太刀して、頭数自体はさほど不利ではなかったはずなのですが、今節の柏レイソルは、オルンガという大駒(193cm)を抑えようと気持ちが向かうことを逆手に取って、岡山守備陣の死角となるボールの反対方向から瀬川祐輔(または江坂任)が飛び込むというトリックプレーを擁していたという精度の部分が差を分けてしまいました。

 立ち上がりの時間、かつ、スローインというイヨンジェが下がってこれないタイミングを使ってオルンガのマークが田中一人となる瞬間を創り出し、初見でこのトリックプレーを成功させてくるのですから恐ろしい。これがVitoriaやで…という神髄を見せられた気がしますね…。そんなハイレベルなクイックスローインを立ち上がりの初見でやるんじゃあない。

 もちろん、前回対戦でセットプレーで苦しんだという反省をふまえて、どんなセットプレーをいつ仕掛けてくるのかという岡山の準備が足りなかったという部分を追求する必要があることはいうまでもありません。想定している「上位争い」と実際になすべき「上位争い」とのギャップというべきかか...理想と現実というか、理論と実践というか...そういったところに隔たりがあるということでしょうかね。

 ロングスローをイッチが取ってればというのもありますが、単純にスローインが速すぎて人数を確保する用意が足りていなかったのです。2点目のコーナーキックはマンマークである以上は完全にむっくんが悪いですね…。悲しいけれど、弱点であると突きつけられてしまいました。




より大きな問題とすべき、立ち上がりからセットプレーを量産された要因について


 セットプレーに関しては、試合中に守り方を調整できますし、濱田が復帰するなり増田がポジションをつかむなりすれば個々の大きさ・対応力という面で変わったり、むっくんの身長が2倍になるとかすれば大丈夫なので、ひとまずこのあたりで切り上げます。

 より重大な問題としてはセットプレーを量産されてしまった要因の方でしょう。今季の岡山の方向性…ボールを握り、前から網をかけ、敵陣にいる時間を長くする…としても看過できないところでしょうから、こちらのほうも振り返ってみます。

 まず1点目に繋がったプレーから振り替えると、

中村のゴールキック
→江坂と喜山の空中戦
→セカンドボールを縦パスでフリーの江坂へ、上田遅れて対応※①
→サポートに来る瀬川へ、瀬川カットインで久保田が対応
→逆サイド染谷へ、中野誠也・ヨンジェが遅れたため仲間対応※②
→染谷からSB田中へ、仲間がはがされたため廣木対応
→田中から廣木裏のクリスチャーノへ、廣木はがされたためチェジョンウォン対応→スローイン

 というふうに、セカンドボールに対するリバウンド(ポジションの取り直し)の甘さから一挙に岡山のスライドの遅れをついたボール運びが炸裂しています。不味かった対応は上記※①、②でしょうか。

 ここはイヨンジェが敵陣深くまで走った直後で本来守備でいるべき基準のポジションにいなかったため、上田と中野誠也がそれを埋めるようなポジションをとっていたと思われますが、彼らの居場所や寄せ方のバランスがちょっとよくなかったですね。

 それも本来であれば「ちょっとしたところ」なのですが、それをどんどんと大きな傷口にして行くのが「勝負」というものだとよくわかる失点シーンでした。4バックになった柏レイソルは、江坂と瀬川が近いポジションをとれるようになったことで、彼らが入れ替わってマークを外す動きが頻繁に、効果的に見られるようになっていました。

 このポジションチェンジに上田・喜山のボランチコンビが引っ張られることによって生まれるスペースで三原が前を向くことが攻撃のスイッチになっていて、そこへむけて柏の両SBがボールを受け渡しするという形でボールを進めていました。この前線のポジションチェンジと後方のボール保持とに岡山の2トップと中盤がバラバラに対応してしまったことで、守備が全く機能せず、そのため自分たちでボールを持てるという状況も全く作れませんでした。

 2トップの守備がはまらないと自動的にSHが突出してしまって、逆に守備に大穴をあけてしまってSBとCBが狙い撃ちにされてしまうという症状は連勝前(というか横浜戦ですね…w)によく見られた光景。ここまでの連勝でその精度を高めてきたぞと自信をつけていたのですが、その自信を見せたい一戦の、一番最初の守備機会で、こういうことになってしまった。まだまだだったね。と凹む以外にリアクションが取れないですね…w


未来へ


 最初のプレーで勝負にならないと見せつけられてしまったわけで、極端な結果ではあるのですが、勝負にならない差があったという事実であることに変わりありません。あまりにも厳然としている。

 そのあとの時間に何ができたのかという部分も大事にしてあげる必要もあるでしょうが、残念ながら編集部にはその時間がありません。次節で見つけられればと思います。この試合をちゃんと見れている人についてはそれぞれにあると思うので、それが活かされる8月になるとよいですね。


 取り急ぎですみませんが、こんなところで。それでは。