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I 凍る

指先は疾く悴んで
ひらりと舞った洗濯物のハンカチを
指差すことも躊躇った

何かを得るためではないこの手を
何もない空に掴み損ねたその袖を
私は唯々見つめている

全てを知っているようなその端末は
私を見透かしているこの端末は
悲しくなるほど欲しがる私の一存を
必要だとも思わないでいる貴方の一抹を
知っている

自ら開いたその画面を
あと一押しの指先を

躊躇し途惑い嗚咽する

to hear your voice
I call


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