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むくの寝息

わんこを迎えた。年始ぶり2回目の対面で、覚えていたの?と言いたくなるくらいすぐ寄ってきてくれた私の大切な大切なわんこ。帰りの車は驚くほど大人しく私の膝の上でほとんど寝て過ごして、この子の声まだ聞いてないなあ穏やかだなあと思っていたのも本当に最初の数時間の話だった。

早速訪れた、絶え間ない夜鳴きをどうする問題。
彼は赤ちゃんで、この世界をまだ3ヶ月しか知らない。一昨日までお母さんと一緒に過ごしていた子犬は半人間界のブリーダーさんの元から我々の住むガッツリ人間界にしっかり拉致されてきたわけで、そりゃ怖い。そりゃ、不安で夜も寝られない。知らない場所で急にひとりぼっちにされて寝ろって言われても無理なのは人間サイドも百も承知。
人間側は、お互いのために不安を少しでも取り除いて穏やかに寝てほしいと願う。わんこしつけ界隈から「分離不安になるから、、」「無視するしかないのよそれは、、」と言われかねないけれど、とにかくひたすら遊んで疲れさせてケージに入れて撫で続けて寝たら静かに離れる作戦を施行。4時間連続で寝てくれた。16~20時間寝るらしい子犬の赤ちゃんだから、少しでも眠ってくれたら本当に安心する。穏やかに眠る天使は、悪魔に見える瞬間もあるけど天使なことには変わりない。

2日目の日中は同じ部屋にいると穏やかで、離れるとどんなに寝ていても吠える日だったため、勉強も仕事もリビングで行っていた。夜はどうするのがいいのやろかと、とりあえず1人でケージで寝られるようになるためにリビングで寝てみることにした。飼い主のキャンプが趣味でよかったね、寝袋もマットもしっかりあるのだよ。無事にも有事にも助かるひと品。

名前を呼ぶと跳ねて喜ぶこの子の名前は"むく"。
鏡のよう、私が怒ると興奮するし、私がのんびりしていると穏やかなようにみえる。そんなに小さいのにこんなに食べるの?ってくらい食いしん坊で見ていて楽しい。よく食べてよく動いてよく寝るってまだ迎えて2日なのに健やかに育つための全てを教えてもらっている気がする。

あれから1週間、トイレがちゃんとできたらボーロをあげるようにしていたら、トイレをしたらめちゃめちゃ吠えて教えてくれるようになった(深夜も!)。ボーロが欲しいときはトイレをしていなくても座って待っている。鹿の角に夢中なときは大切な一人時間だからそっとしておく。ドライヤーの音は大きくて怖いらしい。掃除機はうるさいけど動いて面白いらしい。テレビはつけていたほうがよく寝る気がする。

怖くてケージに入れないとか、リードをおもちゃと思って噛んじゃうとか、トイレ問題とか。ぜんぶゆっくり、君が穏やかに暮らせる程度に少しずつ慣れたらいいんだよ。

食べ終わったあとの笑っているような顔、かまってもらえない時のわかりやすい不貞腐れ寝、興奮が止まらない時のつり上がった目も、シャワー中にリラックスと不安が混ざったピンとした前足も、全部新鮮でかわいい。なんてかわいらしい。ぴょんぴょん跳ねながら、小さな体から溢れる純度100のエネルギーは生まれてきて楽しい!楽しい!って表してるようで、私もずっと嬉しいし楽しいよ、本当に。私のところに来てくれてありがとうと何度も思う、嬉しい、ありがとう。

今日も君が、よく眠れますように。

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