【歌舞伎】六月大歌舞伎「ふるあめりかに袖はぬらさじ」

「ふるあめりかに袖はぬらさじ」を拝見した。おそろしい1作。アメリカ人と交わるぐらいなら死んだほうがマシだと自らの命を絶ったと噂される遊女についてのお話。事実ではない噂がかわら版をきっかけに流布するさまは現代の日本も他人事ではない。まして噂の内容が日本人としてのプライドをくすぐるようなものであれば、なおさら広く噂が伝わるだろう。本作では事実を知っているはずの芸者もその噂に便乗して噂に尾ひれをつけていくさまが印象的。そのセリフ量の多さたるや。芸者を演じる坂東玉三郎、恐るべしであった。歌舞伎を観たというより演劇を観たという印象。面白かった。

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