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テクニカルコミュニケーターの方にお話しを聞いてみた

先日、勤務先の社内で「ビジネス文章力アップ講座」なるものを受講した。

講師は同社で「書くこと」を仕事にされている方。
製品のマニュアル作成のお仕事から始めて、現在は研究者のインタビュー記事や議事録の作成、ライティング講座の講師などをなさっている。

製品のマニュアル部隊の存在は知っていたが、その方たちと直接お話しする機会というのはなかった。
こんな機会じゃないと話が聞けない!とまたもや思い切ってメッセージを送ってみた。

「書く仕事」というと、出版社や広告業などが思いつく中で、どうしてIT関連のマニュアルを書く”テクニカルライター”という職を選んだのか、とても興味があったのだ。

■インタビューした方
テクニカルコミュニケータのYさん。(コミュニケーションを介する様々な業務に携わっているため、テクニカルライターではなく”テクニカルコミュニケーター"という職名になっているそうだ。)
年齢は40~50代の女性の方。


「言葉に関わる仕事がしたい」という思いがあった

就職活動をする際に、「言葉に関わる仕事がしたい」と、出版社や新聞社に応募していたYさん。

そこで現在の会社が「出版業」に分類されているのを見つける。
業務内容は「IT関連のマニュアル製作」。
文系のYさんは理系の知識が必要な業務ということもあり迷ったが、「文系出身者も多く働いていますよ」という言葉に応募を決意する。

そもそも「テクニカルライター」という職を知らなかったYさん。
今の会社が「出版業」に分類されていなかったら、出会うことはなかったと振り返る。

文系から、IT企業へ…知識の身に着け方

入社後の教育で、情報処理技術者の勉強をさせられました。
あとは、仕事で担当した製品のことを覚えながら、徐々に、です。

以降は、仕事で担当した製品のことを覚えながら徐々に知識を増やしていったそうだ。最近ではケミカル、物流、介護などいろんな分野の文章を書く機会もあるという。

仕事のやりがい

お客様に「資料を作ってもらえるから助かっている」と言っていただけたり、「製品の紹介記事を読んだ方から、製品のお問い合わせがあった」と聞いたりすると、この仕事をやっていてよかった、と思えます。

今回、私が講座をきっかけにYさんに質問したことも「講師をやっていてよかった」と思うことのひとつだと言ってくれた。

マニュアル作成から、文章講座の講師…幅広い業務をこなす

マニュアル製作において、設計からの仕様書を読んでもよくわからなかったYさん。
「聞くしかない!」と他者に聞いて回ることで、「相手の話を聞くこと」が得意になったそうだ。

「話を聞く力」を生かして、今では会議に出て議事録を作成する、懸案管理表を作る、などの仕事も任せられるようになった。

「マニュアルの仕事だけではなく、新規開拓を」という動きの中で、「文章講座」という社内での「教育体系」が作られたそう。

講師にご指名いただいたのは「人前で話すのが苦じゃなさそう」だからだと思います。

文系からIT企業へ。マニュアル作成からまた他の業務へ。
どんどん新たなことを挑戦するYさん。
そのバイタリティが興味深いなぁと思ってお話しを聞いていた。

これからのキャリアプランについて

「書く」という仕事から、これまでも様々な業務に携わってYさん。
これからのキャリアプランについても聞いてみた。

子育てや両親の介護もひと段落し、ようやく仕事につかえる時間が増えました。一時期、マネジメントを頑張るという話もありましたが、自分に向いていないと感じたので、所属している部内で「どんなコンテンツも対応できる人」で居続けようと考えています。

年齢的に”マネジメントに関わる”業務というのもあがってきたのだろうが、「自分には向いていない」と、現役でいることを選んだYさん。

"マネジメント業務をしない"という選択を取っている人は私の周りにもいる。それ以上に活躍できる場所があるなら、そちらを選んだ方が本人にとっても、会社にとっても良いのだろうと思う。
(管理職にあてがう人が他にいない…とかいうのなら、話は別だけど)

好きなことを仕事にするのが正解だとは言い切れない

個人的な思いですが、好きなことを仕事にするのが正解だとは言い切れないと考えています。「好きだから、大変でも頑張れる」とも言えますが、自分のスタイルを崩して書かなければならなくなったときに、葛藤が生まれるのではないかと想像しています。
大変さを乗り越えて、頑張って書いたものが、自分の意図・理想と違うものだった時に、それを仕事を割り切れるか、そこが分かれ目だと思っています。

「書くこと」が好きで、それを生業とされている方こその言葉だな、と思った。
Yさん自身もそういった葛藤を経験されているのだろう。

今回、Yさんに話を聞くにあたって、質問した経緯を聞かれた。
「書くこと」が好きで、「書くことを仕事にする」ということに興味があるということは、伝えていたのだ。

だからこその、「好きなことを仕事にするのが正解だとは言い切れない」という言葉をくれたのだと思っている。

このことに関しては、私も薄々気づいていた。
「インタビュー記事を書きたいな」と思って少し調べていたのだが、仕事として請け負ったときに「私がインタビューしたい人にインタビューできないな」と感じたのだ。

だから、noteで好きなように書いているわけなんだけど。
「書くこと」を仕事にすることについての私の思いはまた別の記事で。


「書くこと」から様々なお仕事をされているYさん。
Yさんの職務経歴の私が持った印象は、単色だったものが、どんどんカラフルになっていくようなイメージだった。

今後の活躍を、お祈りしています。

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