ドキンちゃんの金玉、ドキンタマ
インターハイ決勝戦
金玉南高校 VS 珍棒大学付属高校
珍高の猛攻により1-3
2点の先制を許した金玉南校
ハーフタイムに差し掛かり、試合終了まで残り1時間
休憩所となっているロッカールームでは選手たちが作戦を練っている
珍高は毎年決勝常連の強豪校、今年からベスト4入りしたヒヨっこの金高はまだまだ計り知れない壁を感じていた
珍高がなんだ まだまだ先は長い
こんなところで負けてられない
部長も今までにないほど気合が入っており、気持ちの悪い体毛から殺気と湯気が意気揚々と立ち昇っている
「おい、お前らなめてんのか?あのパスコース!!
あれじゃあ珍高からしたら準備運動にもならんぞ!
今までの調子はどこいったんだ!」
選手たちがベンチで金玉を抱えてうずくまる中、部長が声を荒げる
いつもならそうだそうだと加勢してくる監督も今回は腕を組んで俯いている
珍高はこの地区最強の強豪校だ
道具はピカピカの最新式、監督は元プロの専属契約、おまけに専用の広いコートまで学校に作られてる
十年来受け継がれてきたお古の道具、くじ引きであてがわれた顧問、デカ尻スパンキング陸上部に追いやられた狭い校庭
そんな金玉南校が決勝戦まで登り詰めたのは奇跡と言っていいほどだった
友達も片手で数えられるほどしかおらず、学校ではしんどい思いをしている俺が唯一打ち込めたのがこの部活
全体的にDQN率が高いこの県内で、オタクが多そうで生きやすそうなこの高校に進学したが、待っていたのは勉強ができるDQN達だった。どこへ行こうと治安は悪い。治安が悪い独立土人帝国にオタクが安心して暮らせる理想郷など、どこにもないのだ
奴らはアニメの話なんかしないし、漫画ですら通じる話題が義務で読んでいるワンピース。オタクが安心して暮らせるラフテルなど、どこにもないのだ
部活以外の時間は座っている席を蹴られたり、聞きたくもない性交渉の体験談をはっきりと聞こえる音量で聞かされる
珍棒で火起こしすることしか知らないオタクにとって、それは死に等しい苦しみだ
なぜ野球部やサッカー部が一軍になるのだろう。
そんな答えの用意されていない不条理に左脳を使っていても、答えは珍棒しか出てこなかった
試合再開のホイッスルが場内に鳴り響き、選手たちは各々の金玉を握り上げ、会場に向かって歩みを進めた
試合結果は1-45億9890万で、我が校はあまりの顔面の気持ち悪さに敗退を余儀なくされた
敗因は容量(メモリ)のムダ使い♥
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