見出し画像

阿佐ヶ谷薪能 かがり火に舞う天女の面

令和5年5月20日(土)に、杉並区の阿佐ヶ谷神明宮にて、第6回阿佐ヶ谷薪能(たきぎのう)が奉納されます。演目は、『羽衣(はごろも)』です。かがり火に照らされ宵闇に浮かび上がる幽玄の世界。今回、シテ(主役)の天女の役で私の打った面を使っていただけることになりました。

漁師が一本の松に羽衣がかかっているのを見つけ持ち帰ろうとしたところ、若い女が現れ実は自分は天女だと言い、羽衣を返してほしいと頼みます。羽衣を返してもらう代わりに天女は舞いを披露し、天に帰って行くという役どころ。

この天女役に使う面を、ということで、いくつか若い女の面をお見せし、その中の一つが選ばれたわけですが、なぜその面だったのかその理由を尋ねたところ、「人間と天女の二面性を持つ面だから」というお答え。物語の最初には人間の女性として登場し、実は天女であるという役どころなので、ひとつの面でその二面性を演じわけられるもの、ということで選ばれたとのこと

どの面を選ぶかはシテの能楽師さん次第。数ある面からどの一点を選ぶかは大変興味深いところでしたが、演目や役どころ、古い能舞台か新しい能舞台か、能楽師さんの好みや個性にあっているかどうかなど、様々な要素から選ばれるようです。能面師が見る観点と能楽師さんが見る観点が違うので、こういったお話を伺うのはまた違った角度での見方を知れて面白いです。

天女を演じる観世流シテ方能楽師・小早川修氏が『羽衣』の英訳付き解説をしています。

阿佐ヶ谷薪能公式ホームページはこちらです。

天気予報が気になるところですが、演能が催される夕方には雨もあがっていそうです。天女の舞姿が楽しみです。

この記事が参加している募集

私の作品紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?