知識を整理して臨床に活かす!身体の仕組みnote!!

理学療法士/修士号(スポーツ科学)/理学療法士養成校教員/トレーニングスタジオオーナー…

知識を整理して臨床に活かす!身体の仕組みnote!!

理学療法士/修士号(スポーツ科学)/理学療法士養成校教員/トレーニングスタジオオーナー/柔術黒帯 セラピストやトレーナーが自信を持って施術やプログラムを提供できるような体の仕組みを解剖学・生理学・組織学を中心にわかりやすくお伝えしています!

最近の記事

膝が痛いのに走り続けるランナーには何が起きているのか⁉️

ランナーズハイという言葉を聞いたことがあると思います。 これは「ランニングなど長時間の運動を行なうと経験される一種の陶酔状態」とされています。 これは長時間の運動であれば経験されるもので水泳でも自転車でもおこるのですが、ランニング時の体験談が多いことからランナーズ・ハイと言われています。 このランナーズ・ハイは軽い強度の運動ではなかなか経験できず、その人の限界に近いペースなどで動き続けたときに訪れるようです。 ではなぜ軽い強度では起こらず、かなり強い強度でないと出現し

    • 運動パフォーマンスに不可欠な 感覚・知覚・認知の情報処理について  どの段階の感覚トレーニングなのか

      運動のパフォーマンスを高めるには、感覚機能にも目を向ける必要があります。 人は常にいろいろな刺激(情報)を感じ、脳に伝えています。その情報から状況に合わせて身体をコントロールしています。 例えば不安定な板の上でバランスを取ろうとするとき、視覚や前庭覚、固有感覚などの情報が脳へ伝わり、姿勢を変えてバランスを取ろうと全身の筋肉が働き身体をコントロールします。筋肉が働くのでこの筋肉を鍛えることは当然ですが、その前の部分の感覚をしっかり受け取り脳へ伝える機能、そして脳から筋肉へ

      • ウォーキングや手指の運動と脳血流の関係

        前回は脳血流を調節する働きとして化学的調節についてまとめました。 今回はもう一つの脳血流を調節する働きとして考えられている神経性調節についてまとめていきます。 脳血管には非常に密な神経分布があることが分かっています。なので、血管の拡張や収縮は神経によってもコントロールされていることに間違いはありません。 この脳血管の拡張、収縮をコントロールしながら脳血流を調節している神経線維は①交感神経系 ②副交感神経系 ③感覚神経系に分類されます。 ではまず交感神経系から この交

        • 脳の血流をアップさせるには呼吸をとめる⁉️

          脳はエネルギー源を蓄えておけないため、脳の神経細胞を活性化させるためには十分な脳への血流量が必要となります。 ではどのように脳への血流量を調節しているのか。そこにはもちろん仕組みがあります。 大前提として、脳の血流量は脳の血管が拡張(広がる)または収縮(縮まる)することで調節されるので、脳の血管がどのような仕組みで拡張や収縮が起きるのかを見ていくことになります。 脳血管の拡張・収縮の仕組み①化学的調節 ②神経性調節 この他にも調節機構はあるようですが、主にこの2つが

        膝が痛いのに走り続けるランナーには何が起きているのか⁉️

          免疫の仕組みをわかりやすく解説

          今回は身体を守る免疫システムについてまとめていきます。 人の身体には異物や病原体(抗原)などから身を守るための防御システムが備わっている。 この防御システムは3段階あり、 ①皮膚や粘膜による物理的な防御 ②侵入してきた病原体に対して自然免疫による防御 ③最終段階の獲得免疫による防御 ①の皮膚や粘膜などの物理的な防御システムをかいくぐって身体に侵入してきた異物や病原体(抗原)などに対して、「こいつは危険だから排除しろっ!」と②の自然免疫が発動する。 ここで活躍するのが

          ATP産生の第3工程 ~電子伝達系~

          ATP産生の第3工程、電子伝達系についてみていきましょう! 第1工程の解糖系はこちら 第2工程のクエン酸回路系はこちら 上記2つの工程ではATP産生がそれぞれ2つって少なっ!  と思うかもしれないが実はこの第1工程、第2工程は第3工程で大量にATPの産生をするための準備段階でもある。 つまり、ATP産生の本番は第3工程である『電子伝達系』。 この電子伝達系では34ATPを産生することができる。ではどのように電子伝達系でATPを産生していくのだろうか。 教科書的に

          ATP産生の第2工程 〜クエン酸回路編〜

          前回はATP産生の第1工程「解糖系」をみていきました。 解糖系はこちらhttps://note.mu/lilt/n/n546416a9690a 解糖系の簡単な流れはこちらでしたね。 では次の第2工程のクエン酸回路に行ってみましょう! 解糖系で生じたピルビン酸は酸素があることでアセチルCoAとなり、「クエン酸回路」を回していくとになります。このクエン酸回路を回す過程で2つのATPが産生します。 2つだけ・・・ と思ってしまうが、実はこの過程で他に生じる水素イオンを第

          ATP産生の第2工程 〜クエン酸回路編〜

          再生

          身体を動かすために必要なATPの産生について〜解糖系編〜

          身体の仕組みを理解するシリーズ動画 炭水化物(糖質)がどのように身体のエネルギーとなるのかをわかりやすく解説してます!

          身体を動かすために必要なATPの産生について〜解糖系編〜

          再生

          体を動かすために必要なATPを生み出す仕組み(動画あり)

          今回は人が体を動かすために必要なATPについてまとめていきます。 人が動けるのは何でか? 筋肉が収縮して関節が動くから! ではどうやって筋肉が収縮するのか? 筋肉の収縮の仕組みについての詳細はまた今度まとめますが、簡単にいうと筋小胞体からCa⁺(カルシウムイオン)が放出され、アクチンに絡んでいるトロポニンと結合し、トロポニンはアクチンから離れていく。その空いた隙間にミオシンの頭(ミオシンヘッド)が入り込み、ミオシンが頭を振るようにしてアクチンを引き寄せることで筋肉の収

          体を動かすために必要なATPを生み出す仕組み(動画あり)

          酸塩基平衡の乱れは身近なことなので理解すべし!

          先日、学生からこんな質問がありました。 「腎機能が悪化しているケースでは呼吸が浅く早くなることがあるのはなんでですか?」 まだ一年生なのになかなかいい質問ですね。生理学の授業でおそらく出てきたのでしょう。 答えは「腎機能低下による代謝性アシドーシスを呼吸で代償しているから」です。 腎機能低下・・・? 代謝性アシドーシス・・・?     呼吸で代償・・・? となるので詳しくいきたいと思う。 ちなみにこれは酸塩基平衡によるもの。 この酸塩基平衡はとても身近なこと

          酸塩基平衡の乱れは身近なことなので理解すべし!

          腱炎ではなく腱症!

          腱に痛みが生じても、実際には組織学的に炎症所見に乏しいことがほとんどである。また、組織は変性が中心となっているために、近年では腱炎、付着部炎とは言わずに腱症、付着部症と言い換えることになっている。 アキレス腱症とアキレス腱付着部症の病態の違いを考える! これまで、アキレス腱障害はアキレス腱周囲におこる全ての障害を指すことが多く、様々な病態が混同されてきた。 近年では、病態の違いから踵骨の付着部から2㎝を境界として、近位部をアキレス腱症、遠位部をアキレス腱付着部症に分類して

          椎間板変性と疼痛について

          臨床では画像上の椎間板変性の程度と腰痛の程度が必ずしも一致しないことが多い。椎間板変性が大きくてもさほど痛みの訴えのない場合と椎間板変性は小さくても痛みの訴えが強い場合がある。 ここで考えられることは ①椎間板変性があっても必ずしも痛みを起こさないのではないか ②椎間板変性にプラスして何か他に腰痛を引き起こす生理的作用があるのではないか ①に関してはいろいろな文献や臨床経験からもわかってきている。②に関しては和歌山県立医科大学の研究チームの移動式MRIを用いた一般住民